現在、『変形性股関節症は治る病気です!』という本の出版準備をしています。
その本は、図表を多くして文字を非常に少なく簡潔にした読みやすい本となる予定です。
このブログは、その本の説明書的なブログになります。
本が出版されたら、その本に沿った説明書的なYoutubeも始める予定です。
2021年3月から3ヶ月間長々と書いてきましたが、いまいち理解しにくい点も多かったと思います。
3ヶ月間、お付き合いいただきましたありがとうございました。
2021年6月19日
松本深圧院 総院長 松本正彦(柔道整復師・理学療法士)
※この記事の最後に私達が発信する様々な情報先を載せました。お時間のある時に覗いてみて下さい。
変形性の関節症は、人体の全ての関節に起こる病気です。
加齢による場合もあるかも知れませんが、変形性関節症は膝関節であろうが股関節であろうが、腰の関節であろうが治る病気だと考えています。
重要なことは、どの関節であろうが、骨や軟骨だけに焦点をあてないことだと考えています。
私は股関節専門をうたっていますが、全ての関節に対して深圧を行えるようにスタッフにも教育指導しています。
変形性関節症の中でも、特に変形性股関節症は進行する不治の病と考えている先生や患者さんは多いと感じています。
ですので、初めての診察時に『治療法は手術しかない。』と説明されることが多いと思います。
患者さんとしては、今までに聞いたことのない病名を告げられ、『治療法は手術しかない。』と言われても、なかなか『はいわかりました。手術の予約をお願いします。』とは言えないものでしょう。
ある病気になると、その病気について調べたり、他の治療法が無いか調べたりするのが普通でしょう。
そして、悩みいろいろと試す中で症状が改善しなかったら、患者さんがこの病気を受け入れる“受容”が起こるのですが、受容に至るまでには何段階かに分かれる期間が必要となります。
受容とは心の準備期間です。
人は精神的にも肉体的にもひとり一人全く異なります。
変形性股関節症による股関節痛で初めて病院を受診した時、診断名を告げられた後「治療法は手術しかありません。」と説明された時の受け取り方も患者さんひとり一人異なるでしょう。
病院の先生としては、人が生活するうえで痛み無く生活できることが理想であるから、手術をして一日も早く痛みのない生活を実現させてあげたいという使命感で手術の話をしていると思います。
そこには、病院の経営状況を良くするために、とにかく手術を勧めてどんどん手術を行い、手術数を増やすことにより名医と呼ばれたいなどと考えている先生は非常に少ないと思います。
医療従事者には、患者さんファーストという考え方があるのですが、この患者さんファーストを間違った方向に考えてしまうこともあるでしょう。
患者さんの心の準備(受容)には時間がかかりますので、準備ができるまで待ってあげることこそ患者さんファーストという考え方もあると思います。
患者さんにとって必要な受容期間を、医療従事者ももっと考慮した方が良いと思うのです。
ある患者さんが、本当に手術が必要な状態であっても、まずは受容期間を考えながらの病気の説明や生活上の注意点などを説明し、症状を改善させるための積極的な治療も行うべきだと思います。
その受容期間の中で、患者さんは別の治療法にチャレンジすることは可能です。
その時に、変形性股関節症には治る可能性があるのだという情報が少しでもあれば、チャレンジもしやすくなるでしょう。
そして、その中で100%とは言えませんが、運よく手術を回避できて変形性股関節症が治る方々が必ず現れてくるのです。
そのチャレンジが良い結果をもたらさなかった場合でも、変形性股関節症について学び、この病気を受け入れ自分の判断で手術を受けようと決意できると思います。
このブログには、私が20年以上皆さんの長期経過観察を行ってきた経験を書いた前著である『股関節痛は怖くない!』と『股関節はもっともっと長持ちする』の内容も踏まえ習得できた知見を全て書いたつもりです。
皆さんには、体質や環境による個人差はありますが、全ての方に治る力があることをご理解頂けたでしょうか?
変形性股関節症の治り方は、変形や機能障害を伴って治るということもご理解いただけたでしょうか?
皆さんに起こる多くの病気が治るように、変形性股関節症も治る可能性のある病気であるということもご理解頂けたでしょうか?
そして、変形性股関節症という病気との向き合い方がご理解頂けたでしょうか?
皆さんの多くが抱えているこの病気に対する不安や怖さは、間違った考え方や診療法の不十分さに基づいています。
先に紹介した富士温泉病院の矢野先生は、その著書の中で患者の8割は手術が不要だと書かれています。
また、矢野先生は別の著書の中では、医療者側が手術以外の積極的な治療を行わないまま患者さんを『放置』することが、変形性股関節症を発症させるとも書かれています。
変形性股関節症患者さんの長期経過を観察して、私も同じことを感じてきました。
目の前で股関節痛を訴える患者さんがいるのであれば、その場で治療を試みるのが医療の本来の姿です。
皆さんも治療の放置は避けて下さい。
当院には手術をしたくない方々が70%来院されますので、本書を含めて当院のブログやYoutubeなどは手術をしたくない人向けの情報発信が多くなっています。
しかし、私達のスタッフの多くは病院勤務の経験があるので手術の素晴らしい面も当然理解しています。
手術が悪いのではなく、手術に至る過程に問題が多いということをこのブログでお知らせしたかったのです。
手術に至る過程の中でも一番大きな問題は病院での診察法だと感じています。
変形性股関節症患者さんの長期経過を観察し、多くの患者さんと話をさせて頂く中で、病院の診察法がレントゲン写真に偏り過ぎて、患者さん自身の身体と心を診ていないように強く感じています。
病院が混んでいるから、また電子カルテになってそれどころではない等の理由はあるでしょうが、その理由を改善させる病院の努力が必要だと感じています。
病院の先生方も大変だと思います。
もっとゆったりしたスケジュールで患者さんを診たいと思っている先生も多いのではないでしょうか?
最近では、十分な時間をかけて患者さんを診ることができる自由診療のクリニックなども増えてきていますが、医療の質を考えると良い傾向だと感じています。
レントゲン写真を含めた検査結果は参考程度として、もっと患者さんの精神状態や身体状態を診ることのできる時間があると良いと感じます。
現在、東京大学医学部の医学部長が学生に対して2つのことを期待しています。
基礎医学、社会医学、臨床医学をしっかり学ぶこと。
医学にかかわる者として患者さんを常に大切にする姿勢を学ぶこと。
また、私の患者さんで、現在東京大学医学部の学生を孫に持つ方がいて、現在どのような教育が行われているかを詳しく聞く機会が多々あります。
その中で、診察時に患者さんの顔を見て、患者さんの話を聞いて、患者さんに触診を行う事で患者さんの気持ちに寄り添うことをかなり教育されていると聞きます。
このことは、当たり前のことなのですが、改めて再認識されているように感じます。
このような教育を受けたお孫さんは、臨床実習に出て実際に医師の診察現場を見学した時、患者さんの顔を見ることなく診察が行われていることが多くてがっかりすることが多かったと聞きます。
私がいろいろと学ばせて頂いた東博彦先生、二ノ宮節夫先生、矢野英雄先生の出身である東京大学でこのような変化が起こっているということは、レントゲン写真や他の検査結果だけを見て患者さん自身を診ることが無くなってきている診察の現状が、今後大きく変化していくと思います。
また、今後は患者さんを常に大切にする診療が行われるようになっていくはずです。
当院でも、2022年を目標に総合股関節センターを立ち上げようとしています。
2020年のコロナ禍によって、その計画は順調ではなくなっていますが、まだ私はあきらめていません。
総合股関節センターには、骨にこだわらない整形外科医がいて、私達がいて、患者さんに安心を与えられる様々な専門家が揃っているようなイメージを持って進めています。
ぜひ、皆さんのご協力、ご支援をよろしくお願い致します。
このブログでは医師にしかできない治療法のことも紹介しました。
このような治療法も、劇的な効果はないこともありますが、少しでも股関節痛を改善させて、患者さんに希望を与えようと努力する姿勢を患者さんに示すことが、患者さんを大切にする姿勢につながるのではないでしょうか?
その前提として、変形性股関節症という病気が特殊な形ではあるが、治る病気であるという考え方が少しでも認識される必要があります。
医療従事者が病気に対峙する時、その病気が治らない病気と考えるか、それとも治る病気と考えるかで大きな違いが生じます。
変形性股関節症が治る病気だと考えた時、新たな診察法や治療法が行われ、予後予測に変化が出ることでしょう。
また、患者さんにとっても病気に対する不安や恐怖心が軽減し、心身症と呼ばれる心理的な痛みも軽減することでしょう。
このような医療従事者側の変化は、必ず近未来に起こります。
その結果、皆さんの股関節はもっともっと長持ちし、皆さんの変形性股関節症に対する考え方が変わり、股関節痛に対する怖さも軽減することでしょう。
最後に、私がこのブログを書き上げるまでに多くの知見を与えて下さった多くの患者さん達に深く感謝致します。
本当にありがとうございました。
股関節痛は怖くない!
変形性股関節症は治る病気です!
■松本深圧院 ホームページ 私達は全国に出張しています。
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■松本深圧院オンラインサロン 新しい形の患者会です!
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■松本正彦 Youtube版『股関節痛は怖くない!』
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■松本正彦 ブログ『股関節痛は怖くない!1』
https://blog.goo.ne.jp/mm1110mm
■松本正彦 ブログ『股関節痛は怖くない!2』
https://www.shin-atsu.com/director-blog/
■松本深圧院 銀座店院長 田山陽平 Youtube
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