大阪府高齢者大学校 2013年度 考古学研究科

2013年度考古学研究科がスタートしました。
この一年を、楽しい学習の場にしていきましょう。

『発掘された日本列島2013』展を見て:高槻市立今城塚古代歴史館にて

2014年01月27日 | 日記
2013年12月12日


  仁徳天皇陵古墳より出土の人物形埴輪「女子頭部」が私の最大の注目でした。普段はレプリカしか見ることは出来ないが、今回は本物です。この発掘列島展は考古学授業の一環としての訪問でした。
  この展示会は、皆様御承知と思いますが、文化庁が主催で行われ平成7年より毎年開催されています。現在全国で毎年約8千件にも及ぶ発掘調査され、その中より注目度の高いものが展示されています。文献だけでは知りえない事が目の前の実物や現場写真により紹介されています。今回は宮内庁との共催で「陵墓の埴輪」をテーマした展示があり、「女子頭部」はそのコーナーに展示されていました。
 
  私自身は現在堺市に住み仁徳天皇陵古墳は身近です。この「女子頭部」は仁徳天皇陵古墳出土品の代表的なものですので、機会があれば是非本物を見たいと思っていましたので良い時間でした。思ったより綺麗で丹精の顔立ちです。もう少し汚れがあるのだろうと思っていたのだが意外な感じでした。 
  島田髷(まげ)に似た髪型から女子と考えられ、巫女の姿を表現しているとされます。5世紀の造成とされているこの古墳よりこのような人物形埴輪が出土される事は珍しい。
  うり二つの女子頭部は訪れた展示会場の「今城塚古墳」からも出土しているのは注目です。造成期が400年代だと想定される仁徳天皇陵古墳と後の500年代の今城塚古墳では、約百年の時間差がある。何故に良く似たこの「女子頭部」が両古墳から出土との疑問が涌きました。
  さらこの頭部の下の部分も含め全身像がどのようになっていたのかの疑問も改めての涌いてまいります。いずれにしろこの日本最大の仁徳天皇陵古墳の中に埋められていた事は当時の政治体制が巫女による影響力も大きかった事を示しているのでしょう。巫女は神との交信をして支配者はその啓示により政治を司っていたのでしょうか。魏志倭人伝の卑弥呼と言う巫女王の存在にも繋がるかも知れません
  又 宮内庁による大陵墓のレーザー測量による詳細は過去の調査よりは精密に古墳の形を知る事が出来ました。なかにはびっくりするほど昔の姿の残っているものや、地震や後世の城址の影響で古墳が破壊されているものも見られ、今までに見たその形の違いに感心させられた1日でした。
       
(1班 O・K)