別館 兄弟仁義

超常現象ドラマの兄弟愛と家族愛をうっとおしくつつくブログ

スーパーナチュラル シーズン13 ざっくり感想15

2020-06-06 15:32:23 | シーズン13

第20話 ガブリエルの覚悟

夜の路地。酒瓶ラッパ飲みの男に、木刀で決闘を申し込むガブリエル。
相手はフェンリル。北欧神話のロキの息子。というか狼。
そういや、狼人間になったガースの嫁さんの継母が、フェンリル信仰だったよな。こんな酔っ払いですぜ…。
フェンリルを殺したが、自分も深手を負うガブリエル。
ロウィーナの協力により、ガブの足跡を追って街についた兄弟。モーテルで相談中。
どうせみつかりゃしないと兄貴が言った途端、チャイム鳴らしてご本人が来訪。
恩寵切れの上に大怪我。恩寵を兄弟が持っていると思って来たが、当然ない。
ないなら用無しと行こうとするガブ。SAYONARA言いましたね。日本好きか。
そこにフェンリルの兄弟がやってきて乱闘。どうりで部屋が広いと思ったよ。
スレイブニルって馬なんだが、イケメンにいちゃん自分で鞭を振り回す(笑)
ナルフィをガブが殺し、スレイブニルは逃走。

久しぶりの異次元。戦いに勝ち続けているジャックは気が大きくなっている。こっちのバルサザールは人間虐殺天使側で、ジャックが片付けたらしい(^^;
ミカエルの基地に誰もいなくなっていると情報が入り、偵察に行くジャック&メアリー隊。
そこの地下牢に閉じ込められていたのはケヴィンだった。ミカエルは次元が薄くなっている場所をみつけ、そこからこちらの次元に乗りこむつもりだと明かす。

ガブリエルが語る、モンテカルロでの詳細。ポルノ女優のくだりをヤニ下がった顔で聞いてるディーンだが、サムが安定のぶった切り。
三人とその父の本物のロキに裏切られ、アスモデウスに売り渡された。復讐を誓ったガブリエル。
「てめえの復讐なんてちっとも重要じゃねえ!」 兄貴の言うことはこの際実に正しいぞ。
でもサムは、「ガブリエルは僕らを頼ってる。助けてやろうよ」と。やさしさに包まれたなら、兄が逆らえるはずも無し。
「どうする、ユマ・サーマン」とガブに言う兄。計画ではスレイブニルを殺してから、ロキを殺る。他の用心棒はお前たちに任せると言うガブ。

一人でミカエルを殺しに行くというジャックを止めるメアリー。ボビーが戻るまで待てと宥めるが、力と勝ち星で勢いづいている若者には難しい。
ついにしびれを切らし、ミカエル成敗に行くと宣言。メアリーは言葉を尽くすが聞かないジャック。
ケヴィンが止める。彼はミカエルに命じられて皆が揃ったところで自爆するつもりだった。褒美は天国での母親との生活。それは嘘で、行けたとしても思い出の中のお母さんよと告げるメアリーだが。「それでもいいんだ! 君たちはわからない。どんなにひどいことをさせられて来たのか」
慟哭と共にケヴィン爆死。周囲も巻き込まれるが、ジャックは羽でメアリーを守る。
しかし後には、仲間たちの死骸が…。呆然とするジャック。

アジトのホテルに乗り込む三人。暗闇銃撃戦でも目が効く兄弟。兄貴はすばやくロキ退治用の木刀をもって消える。
ディーンを待ち構えてたロキ。彼の語る、ガブリエルとの本当のいきさつ。
ロキとガブリエルの対決。

「いい加減な父親と、わがままな兄貴たちに振り回されて、誰か僕をたすけて―!」
「一人じゃなーんにもできない。楽な道ばっかり選んで一切闘わない」「負け犬だ」
ロキ、かなりの言葉攻め。

ガブリエルはロキを倒すが、気分は晴れない。兄弟に加わると伝える。


なんか終盤まで、ガブリエルにめっちゃイライラしてました。
アスモデウスに7年間も毎日拷問され、恩寵を奪われ続けた。その恨みはわかるよ。でも結局、身から出た錆でもあるでしょ。またも死を偽装し遊び惚けてた。アスモに捕まる前、どのくらい放蕩できたのか知らないが、その間に兄弟とボビー、キャスは奔走し、サムはルシファーと地獄に落ちたんだよ? 知ってたら助けたとも思えない。

出てくる大天使全員、自分の不満、苦痛、怒りしか頭にない。
俺の怒り、俺がないがしろにされた、兄弟のいさかいに俺が耐えられなかった。オレおれ俺。
父たる神には従って役目を果たしていた時もあったんだろう。でも神がいなくなったら自分のことだけか。親からのケアばかり求めるが、どれだけ生きてんだよ。天使の中でも頂点に立つ存在なのに責任感もない。

ディーンが終始しらけた風情なんだけど、わかるよ。おまけに本物のロキの話から、ガブリエルが隠してた事実も明らかに。
ロキの父であるオーディンを死なせないために、ルシファー関連とは関わらない契約をしてた。それを破り、オーディンを死なせた。兄弟に味方してルシファーに立ち向かったからだが、死んでないならモンテカルロに行く前に、最後の戦いに参戦する選択もできたはずなのに。

本物のロキの怒りもわかる。約束を守らなかったのに、また助けを求めに来てロキの息子らと遊んでた。よくできたよな。三人息子はじいさまのことはたいしてこだわりがなかったかも。だからガブと普通に遊んでたが、怒れる親父ロキの命令でガブをアスモデウスに売ったんだろう。

大天使たちは、共感能力に欠けている。自分が気にしなければ、相手も気にしないと思ってるし、自分の怒りや保身が基準。それに雑魚天使にすらある同胞意識すら怪しいんだよね。特権階級なので、下級天使がどうなっても拘泥してない。
復讐するなとは言わないが、今は異世界からの侵攻を食い止める方が先だ。

私のイライラは兄貴の態度との同調でもあったんだけど、ガブリエルのキャラを台無しにする流れも嫌だったんだよね。
シーズン5でのせっかくの尊い犠牲の死も無にして、ふざけたキルビルごっこ、笑えねえと。
エロスの館メッセージも、命がけだったからこそ笑えながらもジンとしたのに、実は逃げ出したでは台無し。
調子が戻ったガブリエルの回だから、コメディぽい演出はあるだろう。でもイラつくのは、差し挟まれる異世界が緊迫した状態だったから。

ほんと、なんでケヴィンはあちらでも不遇なんだ…。可哀想すぎる。そしてジャックは2度目にしてさらに巨大な喪失感を味わう。若さとパワーにおごり、足元をすくわれたけど、彼は少なくとも利他的。自分以外の人々のことを考えてる。親父や叔父に無い資質。
吹替えでメアリーはジャックに、「もう二度と息子を失いたくない」 と言ってたが、これはちょっと変かな。息子たちが母親を失ったんだから。もう一人の息子を失いたくないという字幕の方が正解。
でも、自分がいて辛い目に合わずに大人になるはずだった息子たちを失ったとはいえる。
メアリーは、それをこのネフィリムの少年の見守りであがなおうとしてる。
ジャックは完璧な羽があるんだね。パワーを見ても天使の方に近いのでは。
でも心は人間の男の子なのが逆に危ないんだよな…。

『最も聖なる人』、『スクービーナチュラル』、『ソロモンの封印』は、材料集めを絡めつつも単独エピの造りで、異次元を挟まなかったのでスッキリ楽しめた。でも今回は、コメディタッチの中に挟まれるあちらのシリアスな様子が、余計にガブの西部劇風復讐劇をちゃんちゃらおかしく見せていた。
わざわざなんでこの演出と思ったんですよ。

けれど終盤、ガブリエル対ロキの場面でガブの欠点をすべてあげつらうロキを見て、ああこれわざとだったんだなと思った。みんな大好きガブリエルを再登場させても、この七年間の空白を「アスモに捕まってた」だけでチームインでは納得できない。
彼の性格の弱さ、逃げ出さずにはいられない性分、そして異世界で甥っ子が人間のために戦ってるのも見せて、自分のことばかりの叔父を下げる。
同じ顔をした男に言及され、腹いせのように刺し殺して念願の復讐を遂げたけれど。
ガブリエルは心に満足感が沸いてない。ディーンの言ったとおりに。

ガブは何のかんの言って、自分に真っ向から「逃げんな」と言ってきたディーンをリスペクトしてるんだよね。そのディーンが、終始自分の復讐計画を聞いても白けた顔をし、どうでもいい表情をしてるのが実はかなり堪えていたはず。まあポルノ女優とのくだりは、うっとりして聞いてた兄だが(笑)
そして実際、ディーンの言ったとおりになった。サムにも言われたね。家族から逃げても家族が君を呼ぶと。
逃げ続けたって、安らぎは来ない。
トリックなんてガキのすることだと言ったガブは、ようやく本気で逃げないことに向かいつつある。
そのためのストーリーだったのだなと、だいぶ落ち着きました(笑) 最後の方のガブリエル、顔つきが変わってて、さすがにリチャードさん上手いや。

そしてディーンも、約束したのにロキを単独でやっつけに行った。独断が過ぎると言うサムに、「前回ルシファーとミカエルの喧嘩に巻き込まれて、俺たちがどうなった? お前は死んだ。地獄に落ちた」
一番のトラウマが関わってた。俺はどうなったっていいというのは困りもんだが、大天使の兄弟げんかの器に指名されて、どれだけの苦労と悲惨を嘗め尽くしたか。ルシファーと地獄の檻に閉じ込められる弟を見送った。
ああいう事態をも再び見るくらいなら、約束なんで屁も同然。

そんな兄貴の宣言も。
「今度は一緒にやろう。死ぬときは一緒だ」
サミュエル様の究極のパワーワードに粉砕され、お胸トゥンクの兄。
兄と兄弟ファンを歓喜に落として、次回は…。

怒りの展開が待っている。

 

 


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