別館 兄弟仁義

超常現象ドラマの兄弟愛と家族愛をうっとおしくつつくブログ

スーパーナチュラル シーズン5 その18

2014-01-01 22:24:44 | シーズン5
第21話 騎士との約束

・とある療養所のドクターになっている“疫病”。風邪とデング熱と日本脳炎を老婦人で培養したりしてる。グロ…
・サムのルシファー憑依穴落ちプランを聞いて頭に来てるディーン。ボビーにも食ってかかってる。
・兄貴の携帯に着信。キャスから! 無事だったのかこっちに飛んで来いと言うと、それが無理なんだとキャス。
・ザカリアの手下共と一緒に天使呪文で飛んだ後、彼も漁船で発見された。天使の力は全部干上がって人間同様になってるキャス。
・漁船のひとたちのたまげぶりが想像できる。海からでなく直に船にトレンチ男。
・療養所に向かう兄弟。悪魔付きナースのご注進に、兄弟の“戦争”と“飢饉”の仇をうってやろうと言う疫病。
・天地人、兄弟だらけスパナチュ。
・疫病が指輪を回すと、所内の医者や看護士が次々と吐いて倒れ、死んでいく。兄弟もオエオエしながらも前進^^; サムが兄を支えるのに萌え。
・「ウィルスは汚くない。かかった人間が汚らしいんだ」 アカデミックな医者が疫病ってのが面白い。飢饉といい、設定もいいし合ってる年配俳優をみつけてくるよな。
・猩紅熱、髄膜炎、梅毒…を兄弟に培養したと。梅毒のチョイス(^_^) 
・苦しむ兄弟。そこにドアがバンと開きキャス登場! 
・疫病「どうやって来た?」 キャス「バスで来た」 律義に答えんな(笑)
・天使パワーのないキャス。血を吐けども倒れる間際に疫病の指を切り落とし、ナース悪魔を刺し殺す! キャス立派!
・しかし余裕の疫病。「くれてやる、もう手遅れだ」と言い残し消えてしまう。
・ボビーはシカゴに大厄災が起こり、何百万人もが死ぬ。死の騎士が現れると話す。なぜそれがわかったんだと聞くサムに、言葉を濁すボビー。
・そこに登場クラウリー。ボビーはやっぱり契約してました(-_-;)
・クラウリーとボビーを交互に見る兄弟の動きが完全にシンクロしていておかしい。おまえらマクマナスツインズか。
・サム「キスしたの?」 いまそこでそれを突っ込むところなのか弟。
・するわけないだろ!と叫ぶボビーにクラウリーの咳払い。携帯撮影してましたよこいつ。
・「なんで舌を入れてきた」 ギャー。こいつ腐男子悪魔か!
・うんざりだ、ボビーに魂を返せと言うディーン。今、魂無いはずのボビー。何の変りもなさそうに見えるがよ(^_^;)
・「そこの鉄人28号はすぐカッとなる」 サムを指しての言葉。それ日本のアニメですが… 英語ではなんだ。超人ハルクか。
・例の計画についてまた兄貴に話すサム。自分は一番未熟で怒りを抑えきれないと殊勝なことを言い出す。
・「でも僕は切り札になれる。他に方法があればいいんだが、ないだろ。みんなの役に立ちたいんだ」
・答えられない、否定もできない兄…
・強力なクロアトアンウィルス入りの新型インフルエンザワクチンを配布しようとする二ビアス製薬。『5年後の世界』に出てきた人間をゾンビにしてしまうウィルス。
・シカゴではシルバーの高級車から降りてくる、痩せた不気味な老紳士。死の騎士。流れてる音楽がカッコいい! 
・二手に分かれる。サムとボビーとキャスはウィルスばらまき阻止。ディーンとクラウリーは死の騎士のもとへ。
・「ウェンディゴとかを狩ってた頃を覚えてる? すべては単純だった」と弟。「そうでもなかった」と兄。なつかしいなシーズン1…
・そのときはその時の苦悩と想いがある。
・悪魔を殺せるナイフを兄に渡すサム。しかしクラウリーが、代わりにこれをと差し出したのは死の騎士の鎌。悪魔も天使も死神も、騎士でさえ殺せるらしいと。
・よく手に入ったなと言うキャスに、楽勝だ。十字路の取引王だと答えるクラウリー。人んちの冷蔵庫の中身から魔王の持ち物まで、何でも取引しそうなあきんど臭。
・つうか普通に会話しておるよ。天使と悪魔。
・クラウリーが勝手に加えたオプションで、立ち上がれたボビー。嬉しさのあまり素でありがとう言ってます(笑) それを見て嬉しそうなディーンの横顔の神的美。
・「いい奴だろ。尽くすタイプなんだ」(クラウリ) 信じねー!
・ミカエルがアダムを器にしてしまったと言うキャス。サムが計画に失敗すれば、ミカエルinアダムとルシファーinサムの一騎打ちの最終戦争が始まる。
・だからなんで人間に乗り移らないとダメなんですかな。
・シカゴのディーンとクラウリー。ピザが旨い店があるが食べにいかないかと言う悪魔。
・兄貴、悪魔にごはんデートに誘われる。
・死の騎士の車と手下共は山ほど発見。しかし肝心の御大がおらず。
・この情報のためにボビーは魂を売ったんだ。この町の何百万人もの人が死ぬんだぞと食い付く兄。
・キャッシュバックしてやる、商品券に換券してもいい。ここに突っ立って時間を無駄にしたいかと言い捨てる口八丁悪魔。
・兄、唖然で言い返せません。こういう舌鋒に切りかえせるほど兄貴はお利口ではないのだ(笑)
・しかし街に戻ると、死の騎士ピザ屋におったわ…(^_^;)
・店の中は死者累々。後ろから鎌を振りかざすも取っ手が熱を発し取り落としてしまう。
・「返してくれてありがとう。一緒に食べよう。ここのピザは絶品だ」
・この凄みのある得体の知れなさは、他の三騎士とはだいぶ差がある。流石の兄も緊張と恐れでカチコチ。
・俺をそのあと殺すんだろと兄。死は、過大評価だ君は私にとってはバクテリア程度だと。
・うつくしいバクテリア擬人化兄が、顕微鏡一杯にキラキラしてる妄想が浮かぶ←
・ピザを取り分けてくれる死の騎士。てかそのピザ、ピザじゃねえ! パイだ!
・死の騎士は神と同じか、それ以上に年寄りだと。いずれは神も連れていく。神も死ぬのだよと言う。
・話がデカ過ぎてついていけないと言う兄。
・風呂敷が広すぎてピザでも食いたくなる山吹。
・騎士はルシファーのかけた呪文により武器として使われてる。災害も死者の蘇らせも、どこに行くのもルシファーの指図のまま。
・「私の強大な英知を、あんな癇癪持ちのひよっこのために使うなど我慢ならない」
・ルシファーを檻に入れるために指輪を渡してくれる死の騎士。
・その代わりに、私情を捨て弟を地獄の業火が燃え盛る穴に飛びこませろと。誓わされる兄…
・シカゴはピザが旨いからそのままにしといてくれるそうだよ…
・死の騎士の言葉通り、サムにやらせるしかないと言うボビー。「お前が本当に恐れているのはなんだ。負けることか。弟を失うことか」
・答えぬ兄の眼差し。


今回、盛りだくさん杉(^_^;)

最終1話前になって、この詰め込みぶり。話は充実していて、クライマックスに向けて様々な伏線の回収もしてるんだが。
前回ちょろちょろと出てきていたとはいえ、疫病を前半で、死を後半で一話中に使ってしまったのは惜しい。戦争と飢饉はそれぞれ一話かけたのに。
クラウリーとキャスも出張っていて、この回は何編かに分けてやってもいい密度。そういう算段だったのでは?
どれもいい味出してた四騎士だけど、死の騎士はやはり真打の風格だ。飢饉の方がより年取ってる印象なんだが、実際は死が四騎士の長男なんだね。指輪を奪われた戦争と飢饉は干からびてしまったというが、疫病はさほどのダメージはなさそうだったし、死はさらに自ら指輪を兄に渡して平然。力の差も歴然としてる。
神も死ぬとか、神と死が同じくらい生きてる(死が生きてる… 頓智ギャグみたいな)というのが納得いかないという意見も見ましたが。
ここで言われてる神は、生の象徴の感じがする。どちらが古いか、卵とニワトリだと死の御大も言ってたけれど。
生が先にあって死ができたのか。死という無から生が誕生したのか。そのあたりの壮大なパラドックスを言ってるのではないかと。
死の騎士の前では攻撃的にもいつもの茶化しもならず、借りてきた猫的なディーン。世の中の創生期から存在するものに畏怖を感じずにはいられない様子。
脅しもせず、上から目線も当然に思える物静かな死の騎士。風貌は皮を張り付けたような顔に、どくろのような大きな眼。
気味が悪いのにどこか高雅。古さと英知と不気味さを漂わせる死は、どこか“ヨーロッパ”を象徴するようにも見える。
それに引き換え、癇癪持ちのひよっこ扱いされたルシ。弟のガブにすら言われてたんだから、死にとっちゃあ洟垂れだろうよ。
“あって当然”“誰かが俺の権利を奪った”“だから取りかえす””俺は正しい”…
権利の主張が“アメリカ”くさい。
アメリカンなジャンクフードを旨いと食う死の騎士の描写は皮肉なのか? ブラックユーモアも感じます。(ピザはイタリアのものとか言わない。あれは似て非なるもの) 



サムが地獄の檻に飛び込むことは、ほぼ決定された。
彼が自らを犠牲にしないとこの戦いはおさまらないのか?
ルシファーを解き放った責任を負うのは仕方ないのか?
一人の青年が世界を左右する間違いを犯したから、永遠に死の平安もない業火に閉じ込められるのも当然なのか?

けれど、サムが行うことは“自己犠牲”なのか…?

アメリカのマイナス面の子供っぽい権利の主張を表しているようなスパナチュのルシファー。
上のものが常に正しい。父には従うものだと聞く耳を持たないミカエル。

それぞれに似た欠点を持ちながらも、古き良きアメリカの家族を常に思い遣る心と決して諦めない精神を象徴するようなウィンチェスター兄弟。

人間という“器”に入らないと、地上での闘いが成立しない天使。
過ちと苦悩の中から、新しい選択をしようとする人間。

火中に人がいれば飛び込んで助けようとする消防士を、人は自己犠牲とは言わないだろう。
スケールが違っても、人助けをする者にとっては変りはない。
他に選択肢がない場合、犠牲になるとは思わずに飛びこむ。それがその仕事を選んだ者の選択だろう。
サムがしようとしてるのは、自分の犯した失敗の償いや尻拭いではなく、それができるのは自分だけだから。
それを“選んだ”のでは。

ボビーにはそれがわかってる。兄も自分が選ぶならそうしてる。
けれど実際は、弟を地獄に落とすこと。
弟が、今までの逃げや言い訳ではない選択をしたとき、兄はそれをどう受け止めるのか。
大人として対等に扱うこと、扱われることにはリスクを請け負う覚悟がいる。
サムはそれを受け入れようとしている。かつてない厳しいリスクを。
兄はどうするのか。


いよいよ次は最終回。



(2011.1.1)


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