スターリングラード―運命の攻囲戦 1942‐1943朝日新聞社このアイテムの詳細を見る |
凍てつく1942年の冬の東部戦線。
ドイツ・ソ連の前線の惨状を淡々と描いた本。
ひたすら史実が描かれているのだが、不思議と本に引き込まれていく。
いつの間にか、じめじめした酷暑の東京から、全ての生き物が凍てつく、極寒のスターリングラードに心は飛ぶ。
餓えに苦しみ、骨と皮になっていくドイツ兵。
怒りに燃えるソ連軍の残虐行為。
久々に読んだノンフィクションだった。
平和で安全な世界で読む戦争の本。思いは複雑だ。
**関連書籍**
こっちは小説。
デイビッド・L・ロビンズ作 「鼠たちの戦争」
ソ連の狙撃兵、ザイツェフ、ドイツの一兵卒ニッキなど何人もの視点で、
過酷なスターリングラード攻防戦を描いた小説。
映画「スターリングラード」もノベライズになっているが、
あの本もこれを元に書かれていると思う。
トマス・ハリスに近い感じの文を書く作家。
淡々とした文ながら、印象深い。