喫煙を考える

「喫煙」という行為について共に考えましょう。
タバコで苦しむのは、喫煙者本人だけではありません。

ネオシーダーなら安全か ~演劇上の喫煙シーン挿入について~

2017-11-18 15:15:04 | タバコ問題への取り組み

舞台演劇をこよなく愛する長年の友人から
友人ご贔屓の俳優が出演する舞台作品に、珍しくご招待されました。
私は、歌舞伎・落語・演芸を観に行くことはありますが
いわゆる芝居やミュージカルは苦手とする分野で、自分から行くことは稀です。
友人もそれを知っているので、敢えて私を誘うことをしなかったのだと思いますが
良作であることと、予想外のチケット入手が叶い、誘ってくれたのだと思います。


その作品は、脚本と美術の妙が際立ち、出演俳優の熱演もあり、大変満足のいくものでした。
しかし、とても残念だった、というか、本当に驚いたのは
作品中盤で、突然俳優がタバコを吸い始めたことでした。
最初は、おもちゃのタバコかなと思っていたのですが、煙が出ていて
しばらくすると燻されたような、なんとも言えない臭いが漂ってきました。
喫煙シーンは2回あり、2本のタバコが吸われました。
友人と一緒でなければ、席を立っていたと思います。
喫煙シーン以降は、気もそぞろ。
友人と別れてからはそのことで頭がいっぱいになり、鑑賞翌日の11月12日に
舞台のプロデュース会社である株式会社パルコ エンタテインメント事業部に
以下の趣旨(概略)で質問と要望をメールで送ったところ
11月16日に回答がありましたので、概略をご紹介します。 

 

1、作品が受動喫煙を起こす環境下のもとでの公演であることを
 SNS等を利用し、早急に周知してください。

(回答)
 本作品で使用しているは「ネオシーダー」という医薬品(咳止め薬)で
 セットは前面がガラス張り、側面、上底面・背面も閉じております。
 煙が漏れにくい構造のセット、ニコチン・タールの含有量が微量である「ネオシーダー」使用
 の配慮はしたものの、含有されるニコチン・タールを吸引する可能性は全くゼロではないので
 以下の弊社回答にご納得いただけ次第、ホームページへの記載とSNSでの周知を行います。
 なお、劇場におきましては、一部喫煙シーンが含まれますが使用しているのは
 薬品である旨を既に掲示開始しております。

2、劇中において劇場内で喫煙を行い、受動喫煙環境を作った意図をご教示ください。

(回答)
 健康増進法第25条におきまして、「受動喫煙」は「室内又はこれに準ずる環境において
 他人のたばこの煙をすわされることをいう。」と説明されております。
 今回使用しておりますものは医薬品であり、たばこではございませんので
 健康増進法違反には当たらず、弊社としましてはできうる限りの配慮をしたという認識です。

4、今後の演劇公演において、小道具としてタバコを使用することを中止してください。

(回答)
 小道具の使用に関しましては、演劇表現の一態様と考えております。
 表現の自由の問題もございますので、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
 現在、弊社では「紙巻きタバコ」は使用しておりません。
 作品における表現を制限することなく、喫煙シーンを表現したい場合には
 今回のように咳止め薬(ネオシーダー)を利用するか、ニコチン・タールを含まない
 水蒸気タバコを使用するなど、お客様の健康を害さない方法での表現を
  クリエイターにも推奨して参りたいと考えております。
 今後、演出に喫煙シーンが含まれることがわかった時点で、公演チラシ及びホームページ
 劇場内の掲示等にて喫煙シーンが含まれる旨のご案内を徹底するように致します。
 しかしながら、台本や演出は公演の初日まで刻々と変わる場合がございますので
 特に公演チラシへの表記は間に合わない場合が多いことを予めご了承ください。

7、喫煙を禁止されている未成年が鑑賞できる演劇公演中の喫煙シーンに関して
 貴社の今後の対応をお聞かせください。
 WHO(世界保健機関)では、2016年に、喫煙シーンのある映画やドラマが
 若者を喫煙に誘導しているとした報告書を発表しています。

(回答)
 未成年のお客様を含めすべてのお客様へ提供しているものは演劇作品であり
 その作品内におきまして、クリエイターの表現は尊重したいと考えております。

(番号が飛んでいるのは、使用製品が不明であったため質問内容が若干類似しており
回答も重複する内容であったため、3・5・6は荻野が割愛しました。
赤字・緑字変換は荻野によるものです)


劇中での喫煙行為は、喫煙シーンがあると知らずに鑑賞している観客に対する
健康と命を脅かす危害行為であり、喘息や循環器疾患を抱えている方
受動喫煙症や化学物質過敏症の方にとっては、症状の現出により命の危険に直結する大問題です。
ホームページ上においても、劇場内においても、喫煙シーンがあることは
事前に予告も注意もなく、ただただ驚いています。
私が近・現代を時代背景とする舞台演劇に無縁だったため
観客と空間を共有する劇場内での喫煙(ネオシーダー含む)があること自体が予想外であり
医薬品販売されている咳止め薬のネオシーダーが、外形も紙巻タバコと酷似しており
使用方法も商品に火を点けて吸引する物だということを知ったのも初めてでした。
ネオシーダーに関しては、twitterで日本禁煙学会公式のタイムラインで言及されていましたが
「なんのこっちゃ?」という感じで、それがどうのような物か見当もつきませんでした。
興味のなさ・関心のなさが、深く追究することを放棄させ
結果、無知のままでいた典型だと思います。
大いに反省しています。
ただ、ネオシーダーに関して、パルコ エンタテインメント事業部では回答にあるとおり
ニコチン・タールの含有量が微量である「ネオシーダー」使用であり
含有されるニコチン・タールを吸引する可能性は全くゼロではない
ことを予見できていたわけですから、何の告知もなく観客をいきなり喫煙状況に曝すことは
予見可能な危険を回避するための措置を取らなかったパルコ エンタテインメント事業部の
瑕疵と言えるでしょう。
「ネオシーダーは医薬品。タバコではないし、害は低減されているから配慮している」
という主張は、加熱式タバコ普及のために利用されている謳い文句に通ずるものがあります。
ネオシーダーにはニコチンやタールが含まれており
依存者がいることや受動喫煙の可能性もあり得ること等が日本禁煙学会でも指摘されています。
安全性が担保されていない物を販売する許可を与えていることに対しても
加熱式タバコと共通する問題であると感じました。
先の要請文に対する厚生労働大臣及び医薬食品局長からの回答については
日本禁煙学会に問い合わせ中ですので、改めて記事を書きたいと考えています。
また、喫煙シーンの周知は、以下の回答にご納得いただけ次第との条件を提示されましたが
必要なのは私の納得ではなく、パルコ エンタテインメントの理解と決断力と実行力です。
しかし、こちらは先ほど確認したところ、ホームページ及びTwitterに掲載されていました。
喫煙シーン告知の必要性は、認識してくださったのだと思います。


また、鑑賞した作品では、劇場内に未就学児童の入場ができないものの
喫煙を禁止されている就学年齢の生徒・学生の入場が可能です。
演劇関係者、あるいはもしかすると広く芸術に携わる人の多くは
喫煙シーンの挿入が未成年者を喫煙へと誘導するに等しい行為であるとの認識が浅く
タバコを小道具にしたり喫煙シーンを挿入したりすることを「表現の自由」であり
最優先に保障されなければならないかのように考えていらっしゃるようですが
そもそも日本国憲法で保障されている表現の自由は、その主張に該当しません。
喫煙シーンがなくても、演出方法や表現方法はいくらでもあります。
少なくとも、観客が喫煙シーンの有無を事前に知ったうえで
その作品を鑑賞するかしないかを判断でき、子連れで訪れる観客が
喫煙シーンがあってもその作品を子供に見せたいかを熟考できる情報は必要です。
なかには

「こんなことまで書かなければいけないのか。世知辛い世の中だ」

との意見もあるようですが、空間を共有する場での喫煙(ネオシーダーを含む)が
命に直結する人がいることや、子供の将来を左右しかねないことであることを
知らないから言えるのだと思います。
パルコ エンタテインメント事業部には、たとえネオシーダーであっても
ニコチン・タールが含まれており、依存者がいることや
受動喫煙の健康被害の可能性があること、俳優・スタッフの労働環境と安全を守るためにも
今後の使用中止を検討することと、2016年にWHO(世界保健機関)が発表した
喫煙シーンのある映画やドラマが若者を喫煙に誘導しているとした報告書について
今後の検討課題にしてもらうよう、資料を添えてメールでお願いしました。


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13 コメント

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よくもまぁここまで長文かけるわ ()
2018-08-17 06:49:25
嫌煙ファシズム
モクナチって感じ笑
返信する
ファシズムやナチ (荻野寿美子)
2018-08-18 00:56:29
なさん、ようこそ当ブログへお越しくださいました。

研究論文や卒業論文、そしてたった170ページ余の拙著を書いた身としては、この程度で長文とのお褒めのお言葉を頂戴し、面映ゆく存じます。

当記事は、私の見解や主張を述べるにとどまらず、やり取りをした先方であるパルコ エンタテインメント事業部に対し、誤解や非礼が生じないように、極力回答をそのまま掲載したため、ある程度の分量にならざるを得ませんでした。

また、ファシズムやナチを引き合いに出して、タバコ対策を貶めようとする行為は、他者危害行為を伴う喫煙を擁護する人が好んで行う手法で、二分法の罠やレッテル貼り・不当な前提のもとでのものと、既に皆さん見破っておられます。
喫煙を正当化されたいのであれば、もう少し工夫されることをお勧めします。
返信する
違和感 (佐藤)
2018-09-02 12:04:44
何故ここまで喫煙に対し過剰な反応をするのでしょうか。

飲酒は喫煙より遥かに有害で周りに迷惑と危険を及ぼし現実に多大な被害が発生していますが、それは受け入れているのでしょうか。

表現の自由を勝手に解釈してまでの抗議には疑問を感じます。

そもそも、喫煙は国が認めた元々国が主導の基に広まった習慣で、現実に今でもタバコによる税金が約2兆円あり喫煙者は自分の意思と無関係ですが社会に多大な貢献をしている結果になっています。

当然、国もその莫大な財源を失う訳にはいかず、嫌煙団体もその2兆円の穴埋めの代案など無く、ただただその有害性を誇張し敵視することで自己満足しているとしか思えないのです。

まして演劇の喫煙シーンに劇団にまで抗議するなどお門違いも甚だしく、それは国に抗議すべき問題で劇団は何ら違法性も社会的倫理違反もしていないのは明白です。

私は喫煙をしませんが 貴女の様なヒステリーに近い嫌煙者に違和感を隠せません。
返信する
タバコ問題は人権問題 (荻野寿美子)
2018-09-04 01:15:34
佐藤さん、ようこそ当ブログへお越しくださいました。

>何故ここまで喫煙に対し過剰な反応をするのでしょうか。

喫煙は他者危害行為であり、喫煙・受動喫煙は10万人当たりの生涯リスクにおいて有害性が突出して高いものであると科学的に判明しているからです。

>飲酒は喫煙より遥かに有害で周りに迷惑と危険を及ぼし現実に多大な被害が発生していますが、それは受け入れているのでしょうか。

飲酒は喫煙よりはるかに有害ではありません(上記)。
大まかに言えば、酒による被害は飲酒する本人の健康被害と家庭の経済的損失であり、タバコによる被害は喫煙する本人の健康被害と家庭の経済的損失に加え、家族・周囲への健康被害があります。
酒を飲んだだけでは他者危害性はありませんが、タバコを吸うこと自体に他者危害性が付随します(ただし、他者と隔絶された場所で喫煙し、入浴・洗髪・歯磨きして衣類を新調し、8時間後まで他者と関わらない場合を除く)。
日本国内におけるアルコール依存症の疑いのある人は440万、治療の必要なアルコール依存症患者は80万人いると推計されています。
ニコチン依存症の場合、喫煙者は約2000万人で、依存症患者は約1400万人です。
その数はアルコール依存症の比ではありません。
そして、タバコ規制とアルコール規制、有害性において双方規制が必要とあれば、双方規制すればよいのです。

>表現の自由を勝手に解釈してまでの抗議には疑問を感じます。

表現の自由を勝手に解釈しているのは佐藤さんです。
国際人権規約における表現の自由において、「公衆の健康」に関する表現には制限が許されています。
タバコの規制は、公衆衛生の政策分野です。

>そもそも、喫煙は国が認めた元々国が主導の基に広まった習慣で、現実に今でもタバコによる税金が約2兆円あり喫煙者は自分の意思と無関係ですが社会に多大な貢献をしている結果になっています。

タバコは明治政府が戦費調達のために喫煙習慣を広めて担税物質とし、兵士の士気を高めるためタバコを配給してニコチン依存にし、爆発的に普及しました。
ただし、国策が必ずしも正しいとは限りません。
過去の公害・薬害の歴史を学べば、政府が許可した物質によって甚大な健康被害が出たことでその有害性が明るみになり、厳しい規制が布かれたり使用禁止になった物質もたくさんあります。
また、納税額の多寡で物事の良し悪しを評価することに私は与しませんが、佐藤さんが根拠となさっているタバコ税収2兆円が社会に多大な貢献をしているのだとしたら、タバコによる経済的損失は社会全体で4兆円以上の損失があるとされています。
https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b4.html
どこが「貢献」でしょうか。

>当然、国もその莫大な財源を失う訳にはいかず、嫌煙団体もその2兆円の穴埋めの代案など無く、ただただその有害性を誇張し敵視することで自己満足しているとしか思えないのです。

経済的損失が4兆円以上ですから、タバコ製造・販売を廃止するだけで、緩やかではあるものの、穴埋めどころか約2兆円のプラスに転じます。
タバコ税収により2兆円の財源で社会に多大な貢献しているとおっしゃる佐藤さんこそ、タバコの社会的損失や有害性を無視することで自己満足しているとしか思えないのです。

>まして演劇の喫煙シーンに劇団にまで抗議するなどお門違いも甚だしく、それは国に抗議すべき問題で劇団は何ら違法性も社会的倫理違反もしていないのは明白です。

演劇において、既にディズニー映画には、喫煙シーンはありません。それは、タバコの有害性が明らかであり、喫煙シーンを挿入することは未成年者を喫煙に誘導することにつながる反社会的行為であり、FCTC第13条に違反すると認識されているためです。
海外映画では、タバコ企業からのスポンサーシップがないことをクレジットに明記している作品は数多くあります。
喫煙シーンを予告なく、かつ未成年者も入場できる演劇の場で挿入することは、社会的倫理違反です。
また、おかしなことに、表現の自由云々という主張をされた佐藤さんが、舌の根も乾かぬうちに、この問題(どの問題だかわからなかったので、表現の問題であると理解しました)は国に抗議すべきなどとおっしゃるのは甚だしい矛盾です。

>私は喫煙をしませんが 貴女の様なヒステリーに近い嫌煙者に違和感を隠せません。

佐藤さんが喫煙するかしないかは、その主張に何の関係もありません。
他者危害行為である喫煙を減らし、日本政府が締結している国際条約に則ったタバコ対策を求めていることに対し、喫煙行為の有無に関係なく違和感を抱くということは、佐藤さんは他者危害行為の存在と継続を許容し、国際条約の遵守は必要ないと考える方、ということになります。

ヒステリーの病態も知らず、安直にヒステリーの語を使用することはヒステリー患者に対する冒涜です。
また、表現の自由に関しても、表面的で都合のよい語のみ用いて、ある場面になると国に抗議すべきだなどと主張されること自体、表現の自由の勝手な解釈です。
人権や自由についてそのような主張をされる方には理解できないかもしれませんが、国際社会におけるタバコ対策は、基本的人権と自由に関する観点から策定されているのです。
返信する
はじめまして! (たいちゃん)
2018-09-13 18:22:50
こんにちは。
僕は喫煙者です。
国がやめろといえばやめますけど、あなたがどれだけ嫌がろうと目の前にいようと子供が周りをと囲もうと余裕で吸い続けます。
でもまぁ、あなたみたいな人が増えると国がそのうち禁止するかもね。それまで頑張ってください。
僕もそれまでタバコ楽しみます\(^o^)/
返信する
だからこそ規制が必要 (荻野寿美子)
2018-09-14 00:17:57
たいちゃんさん、ようこそ当ブログへお越しくださいました。
「あなたがどれだけ嫌がろうと目の前にいようと子供が周りをと囲もうと余裕で吸い続けます」(原文ママ)とのコメントを残していただき、ありがとうございます。

喫煙が他者危害行為であり、互換性のない一方的な侵襲であることは揺らがぬ事実です。
嫌がる人がいようがタバコを吸うという行為は、故意です。
故意に他者を害する行為がどのようなものか、たいちゃんさんの内なる倫理観では是とされるようで、大変残念に思います。
故意に他者を害する行為は、現状では喫煙に関して民事はともかく刑事は遅れていますが、今後、刑事案件として警察が取り扱うように勧めるための研究もなされています。
https://www.fujisan.co.jp/product/1281687276/b/1337186/
https://www.fujisan.co.jp/product/1281687276/b/1347543/

内なる倫理観で判断できず、己の行為の判断基準を国に求めるような方がいるからこそ、厳しい規制が必要なのです。
「あなたがどれだけ嫌がろうと目の前にいようと子供が周りをと囲もうと余裕で吸い続けます」(原文ママ)という方がいらっしゃるかぎり、個人のマナーや配慮に依拠したタバコ対策がいかに無意味か、コメントを読んでくださった皆さんの理解が、いっそう深まったことと思います。
返信する
Unknown (ぬこま)
2018-09-14 09:38:55
荻野さんお疲れ様です。大した予告もなく突然「吸い出す」のはびっくりですね。。

ここにコメントしてらっしゃる方は、一瞬の受動喫煙で搬送される人の存在や、酒による被害は法律で罰せられるのにも関わらず、受動喫煙被害は泣き寝入りせざるを得ない現状を知ってるのか、目を背けたいだけなのか。。
返信する
他者の痛みがわかるなら (荻野寿美子)
2018-09-15 13:08:10
ぬこまさん、ようこそ当ブログへ!
そして、コメントを頂戴し、ありがとうございます。

タバコ問題について話をすると、個別的事象・案件と相対的事象・案件をごっちゃにして考えたり、酒も排ガスも同列に論じられることが多く、とても残念に思います。
この傾向は、タバコ規制に反対する方だけでなく、タバコ規制に賛成する方にもあり、それがかえって物事をわかりにくくしていると感じます。
喫煙が及ぼす影響で、他の行為と明らかに異なることは、ごく限られた条件下を除き、タバコ製品の使用が即他者危害になる、ということです。

他者の痛みがわかる方なら、たとえ自分が直接行わない行為に関しても、「苦しいだろう、痛いだろう、やめよう、減らしていこう」ということになると思いますが、ことタバコ問題に関しては、とたんにありとあらゆる難癖で阻止しようとします。
私の母は、私がタバコ問題の活動をすることについて、最初は快く思っていませんでした。
危険も伴いますし、こうして理不尽とも言える無理解で心身ともに痛めつけられると思ったのでしょう。
しかし、最近、私の症状が悪化しているのを見たり、肺がん患者の会の長谷川一男さんのことや受動喫煙の害・香害が報じられるようになったりして、どれほど苦しんでいる人たちがいるか、日常生活まで脅かされて不安な思いをしているひとがいるかを知って、私の活動に理解を示してくれるようになりました。

タバコを吸おうが吸うまいが、他者の苦しみが理解できないコメントをわざわざしに来る方は、広義の意味でのタバコ屋さんなのだと思います。
返信する
お互いに (ピース)
2018-09-16 13:30:55
禁煙(嫌煙)運動も喫煙者なしには成り立ちませんよね。
ですから、私は喫煙者として、萩野さんは非喫煙者としてお互いに頑張っていきましょうね。
しかしながら、この問題の"完全な"解決には"完全な"棲み分けが必要だと思いますけどね…
返信する
加害をがんばるピースさん (荻野寿美子)
2018-09-17 23:26:15
ピースさん、ようこそ当ブログへお越しくださいました。

しかし、ピースさんはずいぶんと不思議なことをおっしゃいますね。
タバコ製品とその使用による害悪をなくそうとしている活動を成り立たせるためには、害悪を引き起こす行為が必要だということでしょうか。
つまり、「加害をなくそう、暴力をなくそう、搾取をなくそう、人権侵害をなくそうとする運動には、加害や暴力や搾取や人権侵害はなくてはならないもので、(ピースさんは)それらをなす立場で頑張っていく」と、おっしゃっているのですね。
恐ろしいですね。

私は禁煙(嫌煙)運動をしているのではありませんが、私が行っているタバコによる被害をなくそうという運動がタバコを吸う人やタバコ製品がなくなることで成り立たなくなるのだとしたら、それこそまさに本懐であり、目的が達成されるのですから、全く問題はありません。

解決のための完全な棲み分けとはどのような状態を指しておられるのか、コメントから具体的なことは何もわかりませんが、それが唯一の道ではありません。
タバコによる被害の完全な解決には、タバコ製品の製造・使用の禁止という別の道もあることをお忘れなく。
返信する

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