Kitten Heart BLOG -Yunaとザスパと時々放浪-

『きとぅん・はーと』でも、小説を公開している創作ファンタジー小説や、普段の日常などの話を書いているザスパサポーターです。

ザスパ草津にあって、ザスパ群馬に無いもの -ザスパが20年経っても強くならない理由-

2024年06月08日 00時52分46秒 | サッカー(ザスパ草津など)
ザスパ,ザスパ草津,ザスパクサツ群馬,ザスパ群馬,草津温泉,群馬県,サッカー,J2,J3,JFL,エンブレム,サポーターブログ,考察,違和感,ザスパ離れ,弱い,嫌い,アンチ,不人気,降格,掲示板,カインズ,失敗,ダメ,だめ,負ける

『ザスパ草津にあって、ザスパ群馬に無いもの』。
答えは『草津』。そんな安易な答えではないです。

そして、なぜザスパは強くならないのか——考察していきます。





まず、元々『ザスパ』は群馬県の草津町にあった、『リエゾン草津』が前身となっています。


経営不振に陥ったリエゾンを立て直す形で、

大西忠生さん、賢持宏昭さん、植木繁晴さんが集まりました。


「Jリーグを目指す」形でクラブの再建。

その際、「温泉(=SPA)」をチーム名にする形で、『ザスパ草津』が誕生しました。



群馬県の一部リーグから再始動したクラブは3年でJリーグ昇格を果たし、

驚異的なスピードで目標達成することになりました。



しかし、順調だったのはここまで。



経営問題が発覚。

問題の中心人物だった賢持社長を解任することになってしまいました。


大西さんが後任となり、GM兼社長となりましたが、

翌年にはガンで逝去。

クラブ創設に携わった重要な人物をJリーグ昇格2年目で失うこととなりました。



そこで、社長業務を引き継いだのが、創設メンバーの植木さん。

しかし、経営はそう上手くいきませんでした。



スポンサーを増やそうとしても、まだJ2リーグ。

それでもクラブを発展するためには、県内企業などに営業活動をするしかありません。


けど、サッカー好きの経営者や地元貢献に積極的な企業ならまだしも、

そうではない企業にしてみれば、しつこい営業にウンザリしていたのではないでしょうか。


「J2の下位チームだから」などと言ってしまえば、

「強くなるために営業活動をしている」と、また営業に来てしまう。


では、なんと言えば執拗な営業から逃れられるか——。

「ザスパは草津町のチーム。群馬県のチームではない」

こう言えば、スポンサーにならない理由付けができる。


「うるせ! 草津温泉は、群馬県の代表する観光地だ!」

と、突破力のあるFWのように契約というゴールを奪っていった営業さんは多くいたとは思えず。


「もう二度と営業に来るんじゃない!」という営業先からの激しいプレッシャーに押し返され、

強固な守備を崩せないまま自陣に引き戻されたのではないでしょうか。



しかし、守備を崩せないなら、戦術を変えるしかない。


群馬のチームではないというなら、「群馬」を付ければいい。

そこで考え出されたのが、「ザスパクサツ群馬」。

当時、「ザスパ草津群馬」にすると「ザスパ群馬」と略されることを嫌って、

あえて「草津」を片仮名表記の「クサツ」にしたとされています。


これはクラブ発祥地の草津町に配慮した形になります。



ただ、クラブの一方的な変更でサポーターは反発。

結局は、2013年から「ザスパクサツ群馬」として参戦します。



しかし、サポーターのクラブ離れも進み、

更にはチーム内外で問題も起き、成績も低迷続きでJ3降格。


やっとJ2に戻ってきても、状況は変わることはありませんでした。


聖域だった草津を2024年には取り「ザスパ群馬」にしましたが、

現時点では改悪となってしまいました。





ここで疑問が生まれます。チーム名に都道府県名を入れたら、クラブ状況は良くなるのか——。



まずは、オリジナル10とひとつ。『ジェフユナイテッド市原・千葉』。

呼称は『ジェフユナイテッド千葉』。

J1から降格して以来、15年間もJ2滞在(2024年現在)。



次に、『いわてグルージャ盛岡』。変更時に地域名も『岩手』に変更。

2022年シーズンにJ2に所属していましたが、1年で再びJ3へ。

今期2024年は、J2昇格どころか場合によってはJFL降格の危機。



両者に関していえば、都道府県名を入れて成功しているとは言い難い……。



『北海道コンサドーレ札幌』、ここは2024年現在でもJ1に所属。

ただ、『北海道』も『札幌』も強いブランド力のある名前。


『コンサドーレ』も道産子という意味なので、

チーム名が長くなってしまいましたが北海道感が増した印象。

まさに、鬼に金棒、虎に翼というところでしょう。





そこで、「草津」と「群馬」に、どれだけのブランド力があるのか。


まず、「草津(温泉)」。

『じゃらん人気温泉地ランキング2024』で、全国第1位。
旅行会社社員などが選ぶ『にっぽんの温泉100選』、21年連続第1位。
もう一度行ってみたい温泉地、第1位。
……など、中には1位でないものもありますが、ランキングを取るとほぼ上位。

温泉番付「温泉地部門」でも、東の横綱として君臨。

全国的に有名な人気温泉地といって過言はないでしょう。


更に、英語版ウィキペディアの群馬県ページにはこう書いてあります。

「Gunma has many hot spring resorts and the most famous is Kusatsu Onsen.」
(群馬県には多くの温泉地がありますが、その中でも特に有名なのが草津温泉)

世界的にも知られている日本の温泉地ですね。



一方、「群馬」。

都道府県魅力度ランキング2023年度版、47都道府県中44位。


県外の人にイメージを聞くと「山が多く、田舎」。付随して「グンマー」と弄られる。

「温泉や観光地が多い」という良い意見もありますが、どうしても「草津」が紛れ込む。


日本国内でもそうですが世界的な知名度は、『草津温泉>群馬県』となり、

群馬県にある草津温泉というより、草津温泉がある群馬県ですね。


県外の人に、草津抜きで群馬県の良さを語るには難しいものです……。



群馬県が魅力度ランキングが下から数えた方が早いにもかかわらず、

最下位にならないのは草津のお陰かもしれません。



チーム数やリーグの成熟度もありますが、『群馬』をつける前はそこそこだった。

つけた途端に迷走、更に『草津』を取ったら低迷。


これはもう『グンマー』の呪いかもしれません……。





そういったことでは、大都市ですが『ベガルタ仙台』や『名古屋グランパス』のように

都道府県名をつけずに『草津』のままやり抜いても良かったのではないでしょうか。

『宮城県』や『愛知県』と言うより、『仙台市』や『名古屋市』の方がインパクトはありますね。





初めに心に決めた志を最後まで貫き通す『初志貫徹』という言葉があります。


昔は、弱いながらも「J1まで目指そう!」というハングリーさがあった。


クラブはもちろん、選手がそういう強い気持ちでやっていたから、

サポーターも一緒に目指そうとみんなで躍起になっていました。



けど、今は最大の特長だった「温泉街からJリーグ」感も無くなり、

ただの「群馬県のJリーグチーム」になってしまった。



大西さんの逝去以降、経営陣がコロコロ変わり、

リエゾンからザスパに変わった時の志を貫き通せなかったことが起因しています。



一時期『東京』を入れるなどチーム名やエンブレム・マスコットの変更で揉めてたが、

結局変えずに町田を貫き通した『FC町田ゼルビア』は現在J1首位。





まだJ2までしかなかった頃に、あるサッカー雑誌に書いてあったこと。

「J3、J4とカテゴリーができていった場合、当然サッカークラブも増えていく。その中で特長のあるクラブ作りが求められる」

とありました。



2024年現在、J1、J2、J3の合計は60チーム。


同一都道府県に複数のクラブがあるところも出てきています。

群馬県はザスパのみだが、関東はチーム数が多いエリア。

地元チームにこだわらなければ、魅力的なチームは関東には多くいます。


魅力的なチームでなければ、地元でも相手にはされていきません。





鶴舞う形の群馬県で、鶴の一声に負けて経営が紆余曲折してしまった。

そのため、世界で通用する『草津』を捨て、国内で勝負できない『群馬』にこだわりすぎた。



大西さんがあと10年生きていれば、クラブもまた違ったと思いますが、

徹底した『草津(温泉)』ブランドを高めて行けば、また違った結果になった。


サッカーはよく分からなくても、草津温泉は知っている。

実際、Jリーグ昇格当初のザスパサポーターには、こういった人も少なからずいました。


群馬県内がダメなら、県外からスポンサーを集めても良かったのではないか。



現在も地域名は都道府県名か市の名前がほとんどになっていますが、

町村名はJリーグの歴史上『ザスパ草津』が唯一。



『草津温泉』に大便乗作戦で、町村からJ1昇格を目指すビジネスモデルを確立し、

オンリーワンのJリーグクラブを構築すればよかったのでなないのか——。



しっかり外堀を埋めてから、もう一度県内企業にアタックできたのでは。





『ザスパ草津にあって、ザスパ群馬に無いもの』

それは決定的な『ブランド力』。



世間で売れ続けている商品・サービスはブランド力がある。ないものは淘汰されて廃れる。


人は価値のないものには、お金を出さない。

長年積み上げた信頼・信用性などで、ブランド力は高まるものです。





さて、このまま「ザスパ群馬」のまま、新たなブランド力を作り出すか、

それとも原点回帰で「ザスパ草津」からやり直すか。


クラブがJリーグに何十年も残るには、長期的な経営戦略が求められます。





最後に、このクラブ誕生してから既になかったもの。

それは、

『ザスパ草津のまま、100年群馬のチームとして戦う強い意志』、

だったのではないでしょうか。





きとぅん・はーと、Kitten Heart BLOGの中で2番目の長文、

最後まで読んでいただきありがとうございました。



※各情報は2024年6月7日現在のものになります。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2024年 第18節 vs モンテディ... | トップ | 2024年 第19節 vs 栃木SC »

コメントを投稿