「旨い」という表現は、何とも曖昧である。
「甘い」でもなければ「塩辛い」でもない。
「渋い」でもなければ「酸っぱい」でもない。
「旨い」だけは、共感を得るのは難しい、と私は思う。
「甘い」「塩辛い」「渋い」「酸っぱい」の絶妙にバランスが取れている状態を「旨い」と言うのではないか。
そうであるならば、「旨い」はもはや、絶対値ではなく、相対的パターンでしかないのではないだろうか。
「この組み合わせが、私の(私たちの)中で絶妙なバランスが取れている」という具合に。
ともあれ、久しく鰻を食しておらぬなあ。