公立食品加工施設の実務者による研究会が、私(拔山)の勤務している道立オホーツク圏地域食品加工技術センターで行なわれました。
この研究会は網走管内の市町村、第三セクターなどが運営する公立の食品加工施設に勤務する担当者の集まりで、その多くは地元の住民の方たちの加工実習指導を行なう方たちです。平成14年に設立され、毎年二回のペースで加工技術の研修会を実施しています。
管内にはこのような施設が20以上もあり、パン作りや味噌、ソーセージや乳製品など大変幅広い品目を作ることが出来ます。
今回は「道産小麦で麺作り」、オホーツクでも小麦がとれますから、出来るだけ地元産を使いたいということで、それらを使った麺作りの研修会です。

使用したのは小清水(こしみず)産の「春よ恋」と「ホクシン」、それから大空町女満別(めまんべつ)産の「ホクシン」。さらに業務用として用いられている既製品の小麦粉を使い、いろいろな麺を作って味を比べてみようという内容です。

先ずはうどん作りから。
パンをこねるミキサーを活用して、原料の小麦粉に食塩水を加えていきます。

そぼろ状になった粉。水廻し工程といいます。粉一つ一つの粒子に水を行き渡らせた状態。

麺帯機にかけ、シート状に成形します。

しっかりと圧延(あつえん)され、表面が滑らかになります。この工程で小麦のグルテンを引き出していき、麺の粘りとコシを作り出します。

一時間~半日、生地を休ませます。パン作りと同じで小麦製品はこの工程がポイントです。

切り出し工程。麺帯をカッターに通し、適当な幅に切って打ち粉をまぶして完成です。

早速茹でて味を比較してみましょう。

生麺の場合は、茹でるときに差し水はしません。火加減をうまく調整して茹でていきます。

茹で上がった麺。原料の小麦粉によってまず色が大きく違います。透明感があるものや、少しくすんだものまで。

皆で試食。味も食感もやはり違う。
うどんには「ホクシン」という品種が良いようでした。

出来立ての麺はとてもおいしい。

試作品の製造は更に続きます。

こちらは中華麺。
市販の麺のように酒精(アルコール)添加せず、かんすいと食塩のみ。
日持ちはしませんが、小麦の風味が良く分かりおいしかった。

生パスタ。
乾麺のパスタと違い、粘りのある良い食感が出ます。
オホーツク北見塩やきそばの麺は道産小麦を主原料としたものですが、いつかはオホーツク産のものを使えるようにしたいと思っています。そのヒントが得られるかも知れないということで私も参加させてもらいました。製麺適性の高い小麦の品種もどんどん開発されています。やきそばに合ったものも出来るかもしれません。私も技術の向上に励みたいと思います。