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ポーをゆく

ポーランドで生活始めてみました。

ナイト・ミュージアム

2010-05-16 19:14:08 | 文化

毎年5月になると、夜7時以降ワルシャワ市内の多くの博物館などが入場無料になる、「夜の博物館」が催されます。
昨日がその土曜でした。
今年の私のお目当ては、新しくオープンしたばかりのフレデリック・ショパン博物館。
ショパン博物館なんて、興味があるのは日本人くらいなもんだろうとタカをくくって夜8時ころにお出かけ。
これが失敗でした。
到着してみると入り口からディズニーランドなみの長蛇の列。来るのが遅かった…。
仕方なく並んで1時間ほど待っていると、なんと「すみません、本日入場できる分の整理券が終わってしまいました。またのお越しをお待ちしています」という結果に。
ええー(涙)、朝の3時まで開館してるのに入れないなんて…。

教訓。夜の博物館デーには、6時半ころから並ぶべし。
しかしこの国の人々のいいところは、こういう結果になっても文句を言う人が全くいないことです。
皆、仕方のない事象はあきらめる、という術を心得ている。
日本だったらヒステリーを起こして野次を飛ばす人がいそうなものです。
人生が思い通りにいかないのは当たり前、日常でも不便が多い国なので、あきらめるという技を会得しているわけです。

私もため息はついたものの、仕方ないのでそのまま旧市街の王宮へ。
こちらで30分ほど並んでロイヤルパレスを見学し、その後、弦楽トリオとピアノというおもしろい組み合わせで演奏された、ショパンのピアノ協奏曲第2番を聴いて帰ってきました。
去年は風船と特製シールをゲットしましたが、今年の収穫はショパンがモチーフに描かれたパッケージのリンゴジュース。
うふ、タダのもの大好き。
いつもは閑散としているワルシャワの夜の繁華街ですが、この日は人であふれて活気付いていました。

ポーランド人の名前

2010-01-19 06:34:18 | 文化

新しい連続テレビドラマが始まりました。一話30分程度のものが毎日放送されるシリーズです。
ちょうど良い長さなので勉強用に観始めました。
Majka (マイカ)というタイトルですが、これは Maja(マヤ)という女性名の愛称です。
マヤ、そのまま日本人の名前になりますよね。
ポーランドでは昔、アニメ「みつばちマーヤ」が人気を博していたらしく、そこからとった名前だと思っていたのですが、元々はギリシャ系に由来する名前のようです。

ポーランド人の苗字というのは非常にバラエティ豊かで、一生のうちに同じ苗字の人に出会うのも珍しいくらいだといいます。
ところがそれとは対極的に、名前(ファーストネーム)は非常に限られていて、その限られた選択肢の中から選ぶのが伝統です。
日本のようにいくらでもクリエイティブになれるわけではありません。
女性なら、カタジーナ、アンナ、アグネシカ、マウゴジャタ、マグダレーナ、ドロータ、ヨアンナ、モニカ、このあたりで大半を占めます。
男性なら、ピョートル、ミハウ、パヴェル、マルチン、ウカシュ、グジェゴシュ、ラファウ、これでかなりがカバーできそう。
個人的にはこれまで出会ったミハウの多いこと!私の狭い交友範囲内でも10人以上のミハウを知っています。

最近は英語圏から輸入された名前も多く、伝統的なポーランド的な名前でない人も多いですが、ポーランドのカレンダーには毎日名前が決まっていて、自分の名前の日にはお祝いをするので、必ずある程度の範囲内で名前を決めます。
やはり名前にも流行があるらしく、年によって多い名前などがあるようです。
そして Maja(マヤ)は最近多い名前のひとつだとか。
世界はどんどん小さくなっていますし、名前もどんどんグローバル化していくことでしょう。
でも私はいかにもスラブ系、ってわかる名前が結構好き。スラブ(slav/sław)という言葉は栄光という意味ですが、これが含まれている名前はスラブ系だとわかりやすいですね。スタニスラフとか。ウラディスラフみたいな。
でも最近の名前ではないのかな。

ヴィギリア

2009-12-28 11:48:55 | 文化

ポーランドでは12月24日のことをヴィギリア wigilia といいます。
会社や学校などでいわゆるクリスマスパーティーをするときも、パーティーをするではなく、ヴィギリアをするといいます。
ヴィギリアといえば肉を食べてはいけないことになっているので、ヴィギリアの食卓は肉抜き。魚や野菜だけのテーブルをみると、ああクリスマスだなあと実感するわけです。
さらにヴィギリアでは、オプワテック opłatek という白く薄いウェハースのようなものを皆がそれぞれ持ち、他人のウェハースを少しづつもらいながらその人に良い願いをかける、ような習慣があります。

写真は私が週数回通っている語学学校主催のヴィギリア。
肉抜きのビゴスやバルシチ、ピエロギなど、やはりポーランド料理が中心。
ポーランドで定番のクリスマス・キャロルは、日本人にはほとんどなじみのないものばかりです。
アメリカなどから輸入されたおなじみのクリスマス・キャロルは、ここではあまり耳にしません。
クリスマス賛美歌に限っては、私は英語の定番のものが好きなのでちょっと残念。

-20℃まで下がった先週末。
先週は自分の人生の中で一番寒かったんですが、一体どこまで下がるんだろう、とちょっとワクワクしてました。
クリスマスのあたりで日中気温がやっと氷点下を脱出し、一気に雪が解けた温暖なクリスマス。
その後また気温が下がり、今日も雪やこんこ。
暗くて寒くていやな冬なんですが、なんと言うか、寒い気候の中で気持ちが静まるというか、そんなことも感じています。

聖ニコライの日

2009-12-10 05:37:10 | 文化

3週間の日本滞在を終えて真冬のワルシャワに戻ってきました。
12月6日は聖ニコライの日、サンタクロースのモデルになった聖人を記念する日ですね。
ポーランドでは子どもたちがプレゼントをもらえる日というのは、クリスマスではなくこのニコライの日。
25日のクリスマスはキリスト生誕のミサの日であり、プレゼントの日ではないのです。
ワルシャワの新世界通りではサンタクロースにちなんでトナカイ/鹿が現れ、人々を楽しませていました。
私も動物を見るのは大好きです。なごみますね。

5日の土曜に街のクリスマス・イルミネーションとクリスマスツリーの点灯イベントがあり行ってきたのですが、寒いのなんのって。
よくこんな寒いところで野外コンサートを企画するなあ…という感じ。
2時間後には体が冷え切り、足が凍りつくかと思いました。
ダウンコートを着ていたのに骨まで寒かったです。
イベントはコンサートとささやかなプレゼントの配布、イルミネーション点灯と、おなじみワルシャワ女性市長のダミ声スピーチでした。

暖かな日本の秋の終わり/初冬から、真冬のポーランドに戻りまた生活が始まりました。
どっしり低気圧に覆われて陽の光を全く見ることがない日が続き、さらに日が短い時期ですから本当に毎日暗いのです。
日本の晴天が恋しくなり、戻ってきたばかりなのにちょっとホームシック気味なうえ、寒さで風邪もひいてしまいました。

結婚式

2009-09-06 18:53:15 | 文化

結婚式に行ってきました。
例によってポーランドの結婚式は長いです。夕方5時ころから始まって翌朝の5時~6時まで。場合によっては2日間にわたることもあるという…。
夜中の12時までは何とか楽しみつつ過ごせるのですが、それを過ぎるともう帰りたいモード。

たいていは疲れてきた深夜12時ころにケーキカットが行われます。
1時ころになるとゲストを巻き込んだちょっとしたゲームや、ヴェール・ネクタイのトスがあります。
基本的には食べる・踊るをえんえんと続けるのですが、ゲストを飽きさせないためにはやはり何かしないと時間が長すぎなんですね…。
投げるのはブーケではなくてヴェールで、女性向けだけではなく独身男性にもネクタイトスがあります。
あとは新郎新婦とのダンス。
女性ゲストは新郎と、男性ゲストは新婦とダンスをできる時間が設けられており、ゲストはちょっとした金額をチップインして新郎新婦と踊ります。
お金といえば、ポーランドの結婚式で「ご祝儀」を渡すときには、白いプレーンな封筒にお金を入れて名前は無記名。
だから誰がどれくらいの金額を入れたのかがわからないようになっているんです。
新婦のウェディングドレスは引きずるほどの裾では踊れませんので、ある程度飛んだり跳ねたりできるようなドレスが主流。
ウェディングドレスのレンタルという概念はないので、必ず購入だそうです。

お料理はポーランド料理がメインで、結婚式に出席すれば代表的なポーランド料理がわかります。
次々に片付けられていく空のウォッカのビンを見て、さすがだなあと思ってしまいました。女の子でもウォッカをワンショットで飲んでるし。
まだまだこのような伝統的な大きな結婚式が主流ですが、最近は小さな結婚式を希望するカップルもいるようです。
ただ親族などにそういった新しいスタイルを受け入れてもらうのが難しい現状があるとか。
私はまた2週間後に、同じような大きな結婚式に出かけます。

ラドム エア・ショー2009

2009-08-31 03:17:50 | 文化
ワルシャワから100kmほど離れたところにラドムという街があります。
何もない地味な街ですが、昔はラドムVIS wz1935という拳銃を製造していた街です。
銃器の工場が閉鎖されてからは本当に街には何もなくなってしまい、しばらくは非常に治安の悪い街だったようです。
ここ数年でずいぶん街の中心部はきれいに整備されました。
実はここ、年に一度ヨーロッパ最大級の航空ショーが開催される街として知られ、そのエア・ショーがこの夏の最後の週末を飾るはずでした。

ラドムの軍用空港が会場ですが、まあ航空ショーなのである程度はどこからでも見えます。
爆音ととも軍用機が飛び交い、空に雲の線を描いていました。
私も随分前から楽しみにしていたのですが、土曜が悪天候だったため晴天の日曜に観客が集中し、ものすごい混みようで待てども待てどもチケット売り場までたどり着かない!
チケット売り場までたどり着かない間も、空からはパラシュート部隊が降ってきたり、頭上で繰り広げられる平行飛行を見ながらワクワクしていました。
ところが…。
ショーも盛り上がってきたぞというところで、パイロット2人が死亡する飛行機事故が起こってしまったのです。
ベラルーシの飛行機とパイロットだったそうです。
ショーは即中止になりました。

実はこの航空ショー、2007年にも飛行機2機が空中衝突する事故があり、翌2008年のショーは開催されませんでした。
そして二年ぶりとなる今年、また事故が起こってしまいました。
つい最近モスクワでもアクロバット飛行練習中の飛行機が死亡事故を起こしたばかりです。こちらは事故があったものの本番は予定通り開催されるようですが。
華麗な航空ショーの様子を報告したかったのですが、このように悲劇的な事故で終わることになってしまいました。

夜の博物館

2009-05-18 16:33:48 | 文化

先週の土曜日の午後7時以降、ワルシャワ市内の多くの博物館が入場料無料で一般に開放されました。
一年に一回しかない機会なのですが、午後7時から夜中の1時、場所によっては3時くらいまで開館します。
宮殿や美術館も対象になり、前々から楽しみにしていました。
この日には無料で市内の対象会場を回れるバスも用意されます。
それに使用されるバスはレトロな古い型のもので、見ればすぐにわかりました。

残念なことにこの日、別の用事が重なっていた上に天気も珍しく悪かったため、私自身は自宅アパートから近い国立博物館にだけ足を運びました。
比較的早くから並んでいたのでスムーズに見学できましたが、私が見学を終えて帰るころには入り口から長蛇の列ができていました。
ワルシャワ市民には広く知られているイベントのため、主要なスポットには行列ができてしまうようです。
入り口では空港並みのセキュリティーチェックをしているので、余計に時間がかかるのでしょう。
このような文化的なイベントは、とても気が利いている感じがします。
せめて一年に2・3回くらいあればいいのですが、そうすると入場料を払って見学する人がいなくなってしまうのでしょうね。


憲法記念日

2009-05-04 02:55:23 | 文化

5月3日は日本でも憲法記念日ですが、実はここポーランドでも憲法記念日なのです。
ポーランドの憲法は「5月3日憲法」として、ヨーロッパで最も古い近代的憲法として知られています。
この憲法はポーランド・リトアニア連合王国の時代に採択されたものですが、その後ポーランドという国は地図の上から消滅、やっと国が復活したと思ったら世界戦争に巻き込まれ、戦後は共産主義陣営に組み込まれるという歴史を経て、現在の憲法は当時のものとは違うものですが、民主化を果たした今日、5月3日を改めて憲法記念日としています。

今日は議会の建物が一般に開放されました。
いつもテレビで見る場所に潜入できて、ちょっと楽しかったです。根がミーハーなんですね。
日本の国会議事堂を社会科見学したのははるか昔の話ですが、日本のそれよりもずっと地味な印象でした。
王宮広場では軍隊のパレードが行われ、ワルシャワにこんなに人がいたのかと驚くほど込み合っていました。
ワジェンキ公園でもいろいろとイベントが催されていたようです。
野外劇場では、中世の装束に扮した人たちが古楽器で演奏しているのを聴くことができました。
水上宮殿では憲法の原本が公開されていたらしく、入り口から長蛇の列になっていました。
見てみたいのは山々でしたが、歩き疲れてヘトヘトだったため行列にならぶ気にもなれず、あきらめて帰宅。

あちこちに掲げられた白と赤の国旗が、晴天下の連休によく映えていました。

ユーロヴィジョン2009

2009-04-24 22:14:16 | 文化
今年もユーロヴィジョンの時期になってしまいました。
去年はこれをアイルランドで観ていたんですが、もう一年経つのか…と時の流れにはちょっと愕然とします。
ユーロヴィジョンはヨーロッパ地域で毎年開催される、国対抗の歌合戦。
前年度の優勝国で開催され、去年は一昨年優勝のセルビアの首都ベオグラードで行われました。
去年はロシアが優勝したので今年の開催地はロシア。モスクワで5月中旬に行われます。

どこまでをヨーロッパとするかが何とも不明瞭なのですが、ロシアやイスラエル・トルコなども参加しています。
ポーランドももちろん参加します。が、毎年あまり芳しくない成績に終わっているようですね。
どの国も最近は英語の歌をエントリーする傾向が強く、個人的には残念に思います。母語で歌ったほうがいいのになあと。
ポーランドも去年も英語だったし、今年も英語の歌。ポーランド語のほうがいいじゃん…と独り言。
各国が電話による投票を受けて、どこの国が良かったかの結果を出す方式になっていますが、自分の国には投票できません。
去年はロシアが優勝しましたが、私的にはイマイチだったなあと思いますし、このコンテスト全体としても何だかイマイチでした。

今年はグルジア代表の歌が決定して以来、物議を醸し出していました。
数ヶ月前の南オセチア空爆以来、非常に悪化しているロシア・グルジア関係。
そんなグルジアで国代表の歌として選出されてしまったのが、We don't wanna put in というタイトルの歌。
深読みではなく、頭に拳銃をつきつけて撃たれる振り付けまでついて、明らかに政治的メッセージを放った過激なものです。
結局この歌には物言いがついて、グルジアは出場を辞退することになりましたが、こんな歌をプーチンが統治している国の首都で歌おうということだったのだから、凄すぎです。

ポーランド今年はがんばってね。