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ポーをゆく

ポーランドで生活始めてみました。

ポーランド大統領逝去

2010-04-10 23:44:40 | 一般
突然の悲劇にポーランド国内が絶句。
大統領を含む、政府・軍要人を乗せた飛行機がロシアで墜落、生存者なしという大惨事を伝えるニュースは、ポーランド国民に大きな衝撃を与えました。

多数の犠牲者はもちろんのこと、よりによってカチンの森事件の追悼式典のために現地に向かっていた途中だったという事実が、悲劇に追い討ちをかけました。
カチンの森事件とは、第二次世界大戦中にポーランド人将校ら2万人以上がソビエト秘密警察に虐殺された事件で、アンジェイ・ワイダ監督の「カチンの森」という映画で淡々と事実が描かれています。
ポーランド大統領を乗せた飛行機が、他でもないロシアで墜落だなんて。
この事件をめぐっては、ロシアの謝罪寸前だったところにこの悲劇。

カチンスキ大統領は不人気ではありました。
けれども国家元首には違いなく、支持政党を超えてポーランド国民はこの悲劇に胸を痛めています。
多くの人がろうそくや花を持って大統領宮殿に向かっていました。
しかし一国の重要人物をここまで一度に失うなんて、聞いたことがありません。
出来すぎともいえるあまりの悲劇に、私自身も言葉がありません。

ある日の会話

2010-02-12 22:57:13 | 一般
ポーランド人女性2名と、日本人の私で繰り広げられた会話。
<その1>
ポ① : ねえ、アジア人の目から見ると日本人と中国人、韓国人って区別つく?
日本人: いや、難しいところだね、中国人で明らかに特徴が違う人はわかるけど、全くわからない人もいる。でも化粧の仕方や服装が違ったりするから、結構わかる時にはわかる。口は開かなくても、表情や行動でも違いがわかることもある。でもわからない時には全くわからないかなー。
ポ② : ベトナム人とかは?
日本人: そのあたりまでいくと顔が違うから、たいていわかる。
     じゃあポーランド人とドイツ人、区別つく?
ポ① : 私ドイツに住んでたけど、たいてい間違えなく区別つくよ。
日本人: あ、私でも、ポーランド人とイギリス人とかなら区別つくよ。
ポ①②: そりゃあね、(小声で「あのへんの子たちってかわいくないもんね」)
日本人: じゃあ、ロシア人とポーランド人は区別つく?
ポ① : ・・・
ポ② : 私いつもロシア人に間違えられてロシア語で挨拶されるんだよね。
日本人: じゃあこのあたりまで来ると、もう区別できないの?
ポ①②: いや、ロシア人の女は化粧が濃いからやっぱりわかる。

<その2>
日本人: ポーランド料理って、ロシア料理とかウクライナ料理とかと大体同じ感じだよねー。
ポ① : 今のそれはね、「日本料理って韓国料理と同じだよねー」といわれるのと同じだよ。

・・・
確かにそれは違う、と突っ込みたくなる。

無印良品が来る

2010-01-28 02:18:19 | 一般
無印がついにポーランドへ進出!
ワルシャワのショッピングセンター「アルカディア」内にポーランド一号店ができるらしいです!
開店予定日は3月31日だそう。
何だか感慨深いといいますか、ワルシャワなんて所詮ヨーロッパの田舎都市だと卑屈になっていました(?)が、その田舎にもついに無印が出店です。

日本での販売価格よりもちろん割高になるわけですから、日本人が購入するならともかく、ポーランド人のお給料水準からするとちょっと高級雑貨になってしまいます。
どうだろう、こちらで支持されるのかな。
でも日本の看板をしょったお店が人気になったら、やっぱりちょっと嬉しいしな。
Empik というポーランドの書籍/雑貨屋さんがあるんですが、日本でいうロフトみたいな感じの店で若者には人気があるし、そうするとMUJIも結構いけるのかもしれません。

ただ、昔ダブリンの無印良品で買い物をした際、明らかに商品の品質が日本で販売されているものと違った覚えがあるんですよね…。
かなりいいお値段がついていましたが。
今回のポーランド店もフランチャイズですが、無印の良さをしっかりワルシャワ市民に伝えてほしいと思います。
ただ、MUJIって、ローマ字読みすると「ムジ」ですが、ポーランド語読みすると「ムイィ」になってしまう。
それはちょっと…いまいち。

霧と闇のなか

2010-01-06 05:10:54 | 一般

今は氷点下で雪こんこんの毎日ですが、12月に少し温暖な時期がありました。
そのとき外は濃い霧で覆われて、本当に行く道の先が見えませんでした。
何だかちょうどポーランドという国を表しているように思えて、思わずパシャ。

ワルシャワでの生活にも慣れてきて、非常に気に入っているんですが、やはり外国に住むのは大変なものです。
期間限定なら、きっと住み心地いいと思うんです。(事実ワルシャワは長期滞在者には評判が良い)
でもこの国ととことん付き合っていくとなると、心構えや覚悟が違ってきます。だから国を見る目もシビア。
先日、ちょっと目の様子がおかしかったので病院にかかりたい時がありました。
ポーランドは、働けば必ず国に保険料を払わなければならないシステム。これで公立の病院は無料で受診ができます。
プライベート保険の購入は一般的ではないので、たいていの人はこの国の保険システムで医療を受けています。
ところがシステムとしてうまく稼動しておらず、万年財政不足。
私も眼科で「今すぐに受診したい」といいましたが、「一番早い予約で2ヶ月先」と言われました。
ショックで目も治ってしまいました。
いつも病院は混んでいて、さらに医療スタッフは足りない上に安給料、質の良い医療なんてとうてい無理です。

医療はもちろん、他の社会保障の側面も問題が山積み。
物価や生活費はどんどん目に見えて上昇しているのに、給料水準はまだまだ。
フルタイムで働いてもアパートの家賃代も払えないくらいの水準がまだまだ存在します。

信じられないことが起こったりもするし。いろんな面で。
電車に乗ろうとしたら、高架線が盗まれて不通とか。
さらにもう数週間前になりますが、アウシュビッツ絶滅収容所の有名な門、「働けば自由になれる」とドイツ語で掲げられたあの門が、なんと盗まれたんですよ。
数日後に犯人捕まりましたけど。
もうわけがわかりません。
一体なんなのって言いたくなるんです。
毎日寒くて暗いので、余計に気分がズーンと落ち込むのでした。

2010年1月1日

2010-01-01 08:22:48 | 一般
新年 あけましておめでとうございます。
新しい年が皆さまにとって幸多きものとなりますよう、心からお祈りいたします。

小雪がちらつくワルシャワも、日本から8時間遅れてつい先ほど新年を迎えました!
憲法広場で年越しのイベントが行われていたのですが、アパートから3分の場所なのでちょっと様子をみに出かけてきました。
年越し一時間前あたりから、もうすでにあちこちで花火があがっていたんですが、イベント主催者が打ちあげる花火は新年を迎える瞬間なので、ほかの花火は個人が勝手に打ち上げているものです。
しかも結構派手。かなり大掛かり。
大通りでもそのへんで勝手に大きな花火を打ち上げているので、結構危ないです。
そういうわけで、常に消防車があちこちに待機していました。
イベント場所周辺に近づくにも、区域内に入るときにボディーチェックがあります。ちょっと物々しいですね。

私はカウントダウンをして新年を迎え、メインの花火を鑑賞したら間もなく帰宅しちゃいました。
派手でうるさい新年より、やっぱり新年はもう少し厳かに迎えるほうが好きだな。
年越し、お正月は日本のほうが好き。
ワルシャワの年越しは道に出店が並び、まるでお祭り。
年越し前から道ばたには酔っ払いやアルコールの空き瓶があふれ、新年の朝は決して美しくない街の光景になっています。

ともあれ花火は楽しんだし、まあいいか。
あらためて良い年になりますように!

アイルランドの国民投票

2009-10-04 00:23:07 | 一般
10月2日にリスボン条約をめぐる2回目の国民投票がアイルランドで行われました。
2008年6月に否決されたときはアイルランドにおりましたので、そのときの衝撃の大きさをまだ覚えていますが、今回はどうやら現時点で可決されるのが確実のようです。
EUとしては何としても可決してもらわないと立場がないところですから、今回の結果については胸をなでおろしているところでしょう。
一番ホッとしているのはアイルランド政府に違いありません。
2008年に否決されたときのブライアンの何とも立場のなさそうな顔が印象的でした。
この否決に関しては、アイルランドが孤立したかのような何だか白けた雰囲気すら醸し出していましたし、私自身も「え?」というかんじでした。
そういうわけで今回のレファレンダムは注意深く見守っていたわけです。

アイルランドでの可決の投票結果を受けて、ポーランドもリスボン条約批准書に署名することになっています。
EUはもちろん完璧なわけではありませんが、まだ今後も大きなビジョンをもって未来を模索していくようです。

無名戦士の墓

2009-09-12 05:35:22 | 一般

サスキ公園の東にある無名戦士の墓です。
現役の軍人さんがいつも2人立って墓を守っています。
毎日定時にこの衛兵の交代があり、私はここでの交代そのものは見たことがありませんが、交代したあと大統領宮殿に向かって歩いているところは何度か見かけたことがあります。
墓守も、冬はなかなかの激務ですね…。

9月1日には第二次世界大戦勃発の日として、まさに大戦が始まった場所であるグダニスクのヴェステルプラッテに各国首脳が顔をそろえて式典が開かれました。
最大の目玉のひとつがロシアのプーチン首相がこの日この場所に来ることだったわけですが、両国の歴史観の溝の深さを改めて浮き彫りにしました。
カチンの森事件と呼ばれるポーランド人がソ連の秘密警察に大量虐殺された事件も、ポーランドとしては絶対に受け入れられない言い分をロシアは主張するようです。
8月のおわりころにはロシアの新聞で、第二次世界大戦をめぐるポーランドの責任を追及した記事が掲載されるなど、戦後60年以上経ってもまだまだ問題は解決しない様相です。
一方で「ポーランドは大戦の最たる被害者だった」とするドイツ首相の発言は対照的でした。

ところで昔学校で世界史をならった時に、自由都市「ダンツィヒ」という名前を覚えた記憶があります。
これ、ダンツィヒはドイツ語で、ポーランド語のグダニスクのことだったんですね。
グダニスクはバルト海に面した街で、戦後旧市街が復元され今ではとても綺麗な街だと聞いています。
訪れてみたい街のひとつですが、ワルシャワからはちょっと遠いかな。

もう一つのドラマ

2009-08-21 02:25:20 | 一般

テレビでドラマを見ながらポーランド語習得作戦、なかなか順調です。
一向にしゃべれるようにはなりませんが、聞き取りは随分慣れた気がします。

ロンドンを舞台にしたドラマもまずまず楽しく観ていたのですが、最近もう一つ楽しんでいるのがこれ、Tajemnica twierdzy szyfrów というやつ。
タイトルを直訳すると、要塞暗号の秘密…?
第二次世界大戦、最後の2ヶ月を背景にして描かれたドラマです。
アメリカ・ソ連がドイツの暗号解読装置をめぐって必死に情報収集する中、主人公のポーランド人諜報員がドイツ軍の内部からアメリカに情報を流していきます。
問題は、私がハナシの内容をイマイチよく理解できないこと…。
みんな軍服着ているし似たような顔してるし(失礼)、ポーランド製作のドラマなので当たり前ですが、みーんなポーランド語を話しており、誰がどこの国の人間なのかもよくわからん。
それでもなかなか緊迫感があり、毎週楽しみに観ているわけです。

やっぱり言葉は楽しみながら、興味を持ちながらでないと頭に入りません。
宇宙語のように全く意味不明だったものが、意味のある言葉としてわかるようになる、これって快感です。
言葉が全くわからないとそれを話す人々も遠い存在ですが、意味を持った響きが自分に届くようになると、それを話す人々にも親近感が出てきます。
しかし一方で、多民族間の平和を願って世界共通語・エスペラントを創案したザメンホフもここポーランドで生まれ、そのポーランドが世界大戦でまた悲劇の舞台になったのですからせつないものです。

ワルシャワ蜂起

2009-08-03 01:27:14 | 一般

昨日買い物に出かけたら、妙にポーランドの国旗が目につきました。
トラムやバスなどの公共交通機関も国旗を掲げて運行しています。
高齢のおじいさまが軍服を着て、ポーランドの腕章をつけて歩いているし…、これは何か特別なことでも?と思っていたら、8月1日は Powstania Warszawskiego-ワルシャワ蜂起-の記念日でした。

第二次世界大戦時、大激戦地のひとつがワルシャワでした。
すでにポーランド侵攻から時間が経過した1944年、ナチス・ドイツ軍に対してポーランド国内軍が一斉蜂起を起こしたものです。
結局数ヶ月後に鎮圧され多くの死傷者を出すのですが、市街地に立てこもり女性や子供までも武器をもって徹底抗戦したと言われています。
旧市街から歩いて間もないところにあるクラシンスキ広場にこれを記念するモニュメントがあるんですが、実は外国人局・ビザオフィスからすぐ近くで、いつも何だろうと思いつつも素通りしていました。
意味を知ってみると、全く感覚が変わってしまいます。
いつも観光地としてにぎわっている旧市街も、その足元にあの「地下水道」があり、その地下水道に潜みながら人々が苦悩したのです。
このワルシャワ蜂起記念碑のそばにも慰霊の灯火が置かれていますが(写真ではよくわかりませんが、赤いものがろうそくを入れた飾りビンです)、旧市街を囲む外壁のそばに立つ少年兵士の像にも、いつも花が捧げられています。

ワルシャワを壊滅状態に追いやったドイツ軍、そしてすぐそこのヴィスワ川対岸にいながらポーランドを援護しなかったソ連軍。
大国の思惑に翻弄されたポーランドの歴史にはいつも暗い悲しみの影が落ちています。
この日ワルシャワの街中に突然サイレン音が響き渡り、一体何かと思って思わずベランダに出てしまいましたが、それは蜂起が始まった時刻である午後5時を知らせるものでした。

イギリスのポーランド事情

2009-07-07 04:02:23 | 一般
一年ダラダラと自己流で勉強していますが、やる気がいまいちなのもあって未だにポーランド語では会話さえ難しい状態です。
英語の時に成功した方法のひとつ、テレビドラマを飽きるほど観まくって言葉を覚える方法をやってみようとしているんですが、悲しいかな、ポーランドには夢中になれるほどおもしろいドラマがない!のです。

そんな中最近見つけたドラマが Londyńczycy というもの。
タイトルはロンドンに住む人々を指す言葉で、ポーランドからイギリスに出稼ぎに出た若者たちの苦悩を描いたちょっとシビアな物語。
5年前にポーランドがEUに加盟して以来、多くの人々がイギリスを中心に働きに国外脱出しました。
ポーランドでは仕事が少ない上に賃金水準が非常に低いのが現状で、外国で仕事を見つけられればポーランドでの賃金の10倍、それ以上の収入になるからです。
ポーランド人がイギリス方面に働きに出れば、そこを埋めるのにさらに東のロシア・ウクライナあたりからポーランドに出稼ぎに来る、そんな西へ西への大移動が起こっているわけです。

ドラマの中で、ポーランド人が仕事を探していろいろな人に話しかけるわけですが、話かけられる側も多くがすでにそこで働いているポーランド人、という感じ。
イギリスでちょっとアングロサクソン系とは顔立ちが違う白人を見かけたら、ポーランド語が通じる可能性大。(美人を見たらポーランド人、ともいう)
それくらい大きなコミュニティになっています。
今もイギリス・アイルランドに住んで仕事を続けているポーランド人の知り合いがいますが、みんな本音では帰国したいと言います。
賃金もいいし、生活もまずまず。貯金も少しできる。
でも仕事があって普通に暮らしていければ、ポーランドに帰りたい。
実際は、ポーランドでは働いても生活費を払ったらあとには何も残らないくらいの賃金です。生活費を払えないこともよくあること。
大学・大学院を卒業したら、そのまま無職の若者が多い現実です。
だから、天気最悪、パンがまずい、文化が違う、とブツブツ言いながらも外国に残っている。
しょっちゅうポーランドに帰ってきてますが。

でも必要以上に暗くならずに生活を楽しんでいるポーランド人はたくましいです。
そんなちょっとせつないドラマでも観ながら、ポーランド語の勉強を続けていきます。