豊島(てしま)

2014年08月18日 | 日記

お盆帰省中の次女が豊島美術館へ行きたいとのこと。
建築学部在学中で特異な建造物には興味を示すようだ。

ババと三人、7時40分発の豊島直行の高速艇に乗った。
満席のため船尾の屋外テラスに座ったが、水飛沫を受けた眼鏡で塩が精製できた。

女木男木を過ぎて、やがて見えてきたのは豊島の不法産廃投棄地。
ひとつの悪徳業者と県の怠慢から起きた事件は、未だに多額の税金を使って処分中である。
30数年間、環境被害、行政、裁判などなど、戦い続けた島民には敬意を表したいと思う。

家浦港に着き、近くのレンタルサイクル屋に入った。
40台ほどある自転車は全て電動付き。
足裏が痛く歩行には難があるが、太腿はいたって健在である。
電動付きは軟弱者扱いされているようで気乗りしなかったが選択肢はなかった。

自転車に跨りちょいとペダルを踏み込むと、自転車は氷の上を滑るようにスススッーと進んだ。
更に踏み込むと再びスススッーと進み、アイススケートをしているような面白さがあった。
上り坂になっっても太腿痛なしに平地の如く走れた。
振り返るとババは遠く置き去り。
追いついてきたババに、ついついセクハラめいた言葉が口に出る。
「めかたを減らせ!」

今月始め、一緒に行った健康診断において、ババは糖尿の気があると診断された。
一般的に食い過ぎ飲み過ぎの人がなりやすい病気なのであるが
ババは自信満々に反論する。
「糖尿病は太っている人ばかりがなるのではない。痩せている人だってなる病気だ。」
確かに例外があることは認めるが、
「私はその例外の範疇にある」、と主張する姿勢が可愛くない。

島内隅々見て回ったが一番印象が強かったのは豊島美術館。
遠くから見ると白い宇宙船のようだった。
暑い中、20分ほど並んで中に入った。
入る直前までは絵画や彫刻が展示してあると思っていたが、いい意味で既成概念を壊してくれた。
心を空っぽにして水玉が滑るのを一日中眺めていたいと思った。
朝昼夜でそれぞれ違った光のグラデーションを描くのだろうと思う。

若い世代の人がたくさん居て活気あるし、
棚田があり、牛の放牧があり、海では魚釣りができるし、本当に癒される島だった。
機会があれば再訪したいが、豊島横尾館だけはゴメンしたい。












島キッチン。接客は若い人で厨房内はご年配。
出たきた洋風ぽい魚料理を見て、島のばあば連も時代の流れに乗り送れまいと頑張っているのだなと思いつつ、美味しく頂いた。





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