電子書籍のセルフ出版をしてみた。
Kindle Direct Publishing。電子書籍リーダーの〈Kindle〉で読める本である。
きっかけは、数年前から時々、Kindle Direct Publishingの宣伝メールがAmazonから送信されてきたことだった。
年に数回ぐらいだが、こんな機能が新しくなったとか、こんなシステムになったとか、Amazonのアカウントを持っている人に送信しているに違いないと思った。
(電子書籍のセルフ出版ね。やってみようかナ)
Kindleセルフ出版の宣伝メールを見るたび、何となく、そう思った。
費用は無料。原稿枚数は自由だし、好きなように作ることができる電子書籍。
そこで、昨年の秋ごろ、出版社に提出した電子書籍用作品を除外した原稿フォルダを見てみた。出版社に提出したのは400字詰め40~50枚ぐらいの短編が多いが、もっと短い掌編がかなりあるので、その中から好きな作品を3本選んだ。6枚が2本と、20枚が1本で、合計32枚。
(前書き、書きたいナ)
そう思い、400字詰めで10行足らず、書いた。
(こういう、あっさりした前書きが、私は好きなのよね)
紙の本であれ電子書籍であれ、グダグダ書いてある前書きって、嫌い。短くてあっさりした前書きのほうがいい。
(自分の好きなように作るセルフ出版だもンね)
念のため、編集者の意見を聞きたいと思い、久しぶりに親しい知人のKさんに電話した。
編集者から電話がかかってくるのは好きだが、こちらからかけるのは苦手で、用事でかける時が10年に数回程度。だいたい編集者は外出していたり、打ち合わせ中だったり、まだ出社していなかったりするからということもある。携帯電話にかけるほどの重要な用事も滅多にない。
コロナ騒動の時期だからか、電話をしたら、Kさんがすぐに出た。メールのやり取りは時々しているが、電話は久しぶりだった。
「あのね、Kindleセルフ出版することに決めたの。市場がプロもアマも書く、セルフ出版。知人の作家も出してるみたい」
「ああ、いいですね」
「それでね」
と、私は掌編3本の説明から始めた。1本目と2本目は、昔、ハーレクインの恋愛小説のアンソロジーに掲載の、400字詰め6枚ずつ。3本目は雑誌掲載の20枚。1本目と2本目はベッドシーンがなくて、3本目は少しあること。
「順番は、これでいいかしら」
「それでいいです。3本目にベッドシーンのある作品がいいですよ」
「合計32枚で、ちょっと少ないけど、枚数は自由だから、いいのでしょう?」
「いいと思いますよ」
「それからね、前書き、書いたの。今、読むから、直すところあったら直して欲しいんです」
「はい。いいですよ」
私は200字ぐらいの前書きの文章を読み上げた。
Kさんが、数箇所、指摘してくれた。
そのあと、コロナの話などの雑談をした。
翌日、Kさんからメールが来た。Kさん作成の前書きの案が、例文のように書かれていて、参考にと書いてあった。
その例文を読んで、
(さーすが! 編集者って、やっぱり読者を意識して書くのが上手ね)
つくづく、Kさんを尊敬した。
その後、3本の原稿の加筆修正を始めた。
(短いのばかりだから、すぐ、できちゃうもンね)
そう楽観していた。けれど――。
〈Kindle原稿〉というファイル名のショートカットをデスクトップに貼り付けたので、パソコンの電源を入れるたび、真っ先に眼につく。
いつもはパソコンをつけたらネットのニュース速報を読み、メール・チェックをし、気になっていたことの情報を延々と読む習慣だった。
それらをすませてから、デスクトップに貼り付けた〈Kindle原稿〉ファイルのショートカットをクリック。
ファイルが開くと、真っ先に、〈まえがき〉の文字が目に入り、わずか10行余りを読んでしまう。それから作品の加筆を始める。
毎日のように、そうしているうちに、前書きの文章ではなく、前書き自体が気に入らなくなってきた。
(そうだわ! 後書きにしようっと)
3本の掌編の最後のページに、〈あとがき〉と題して、少し書き直した。
(やっぱり後書きのほうがいいわ。これでバッチリだわ)
そう思っていたころ、Kさんからメール。半年ごとに送信される〈電子書籍売上報告〉と〈支払い通知書〉の添付ファイルである。
メールには、
――Amazon Kindleパブリッシング、順調に進められていることを期待しています。――
と書いてある。
(うふ、期待している、だなんて)
うれしさと、Kさんのやさしさに包まれたものの、
(電話して相談した時から、もう何か月も経ってる。まだ終わらないのかと思われてるかも)
それで、返信メールで説明することにした。
前書きをやめて、後書きに変更したことと、その理由である。
すると、Kさんから返信メール。
――確かに「はじめに」はもどかしいと感じることもありますね。「あとがき」への変更は良いと思います。下記はあとがきの変更案です。――
と書かれていて、Kさん作成の後書きの例文。それもまた、読者を意識した文章で、つくづく感心した。
私の知る限り、編集者は文章を書くことが好きな人が多いが、私のセルフ出版に協力してくれるKさんのやさしさが伝わってきた。
その後、3本の原稿の加筆修正をようやく終えたら、
(最初で最後の、たった1冊のセルフ出版だから、掌編はやめて、短編にしようかナ)
(今まで出版社に提出した短編と違う傾向の作品にしようっと)
そう思いつき、電子書籍未収録作品の中から3本の短編を選ぶことにした。
それからが延々と大変なことに。官能雑誌以外の掲載雑誌の中から選んだ1本の作品の加筆を始めるが、半分ぐらいか、終わった時か、読み返すたび、
(これ、や~めた)
と、他の短編を探したり、新たに加筆を始めたり、その繰り返しの日々になった。1章だけ加筆を終えたところで、この作品や~めた、となることも少なくなかった。
そんなことを延々と繰り返して毎日が過ぎていく。
パソコンに向かって、デスクトップの〈Kindle原稿〉ファイルのショートカットをチラッと眼にしても、
(今日は、気分じゃないわ)
(加筆って精神的にシンドイ作業なのよね)
(締切があるわけじゃないし)
そう自分に言い訳して、ネットで情報を読んだり、パソコンを閉じてリビングでビデオの映画を見たりする日が多くなった。
以前、友人に、Kindleセルフ出版するから昔の作品の加筆をしている話をしたら、
「脳の活性化になるね」
と、言われた。その言葉には励まされたし、脳にイン・プットされた。
だから、(今日は、気分じゃないわ)と言い訳しながらも、
(健康のために脳の活性化は大事だわ。どんな病気も脳が起こすらしいし、記憶力も落ちたくないし)
チラッと、そう思ったりする。
私にとって、〈秘中の秘〉と言いたくなるような作品もあり、最終的に3本の短編は選ぶことができたが、加筆修正がなかなか終わらないのである。読み返して1箇所も加筆する箇所がなくなったらアップしようと決めていた。
そうしているうちに暑い夏が過ぎて9月5日となり、Kさんからメール。半年ごとに送信される〈電子書籍売上報告〉と〈支払い通知書〉の添付ファイルである。
(Kindleセルフ出版のこと、一言も書いてない!)
(まだ終わらないのかって、きっと呆れちゃってるのかも)
そこで、きりのない加筆は終了し、すぐアップすることに決めた。Kさんへの返信メールで、セルフ出版したと書きたいからだった。
まさに意気昂然とは、このこと。(今日は、気分じゃないわ)などという日があったなんて嘘のように、〈Kindle Direct Publishing〉のページを開き、説明文やら契約文やら作成者情報やら作品情報やら何ページも続くのだが、一心不乱に読んだり入力したり。ページが終わるたび、確定申告のWEB作成ページの〈次へ〉のように、〈保存して続行〉のボタンを何度もクリックを繰り返し、ようやく作品のアップに続く。
本の表紙はテンプレートがあると思い込んでいたら、ないのだった! 何て不親切! しかもアップする画像サイズが指定されている。1000px×625px以上で最大寸法は10,000px×10,000px。
私のパソコンには、マイ・ピクチャーにも〈ホームページビルダー〉の素材フォルダにも、そのサイズの画像がない。そこで、〈ホームページビルダー〉ソフトで、260ピクセルのサイズ画像を8個つなぎ合わせて作り、フレームで囲んだ。
表紙のアップの次に、原稿のアップ。
〈保存して次に続行〉のボタンをクリックして、ロイヤリティと価格設定の画面。本の価格もロイヤリティも自分で決めて入力する。
最後に〈出版する〉のボタンをクリック。
それらをチェックされる時間を待った後、〈Kindle Direct Publishing〉からのメッセージが表示された。
浮き浮きしながら、早速、Kさんへの返信メール。
Kindleセルフ出版、ついに完成しました!
長い道のりでした! 掌編を短編に変更し、何度も選び直したせいです。
加筆修正は、キリがないので、終了にしました。
今日、Kindleセルフ出版のページを開いて、何と2時間近くかかって、ようやく出版しました。
表紙はテンプレートがあると思い込んでいたら、ないのです! 私のパソコンの中から送るので、しかもサイズ指定もあって作成したり、時間がかかりました。他にも読んだり入力したりのページが、ど~っさりと!
〇〇さんがいろいろアドバイスして下さったお陰です。ありがとうございました!
Kindleパブリッシングの最終ページ、添付送信します。
表紙と本のタイトル、ちょっぴり心配です。これでいいでしょうか?
では、メール楽しみにしています!
ホッと安堵したのも束の間、表紙画像をあらためて見てみたら、
(あ! 表紙に本のタイトルと著者名が、ない! ない!)
そのことに気づき、また慌ててKさんに〈追伸〉メール。
表紙にタイトルと著者名を付けるのを忘れてしまいました!
〈出版準備中〉と表示されていて、編集は無効です! (T_T)
時刻は午後4時半過ぎで、朝からずっと操作し続けていたパソコンを、疲れたので終了。
翌日からが、また大変なことに。
表紙も原稿も、アップする前に、インストールした〈Kindle Previewer 3〉で確認することを説明文で読んでいたが、急いでいたので省略してしまったのだ。この日初めて、〈Kindle Previewer 3〉を初期設定。
ホームページビルダーの中の〈ウェブアートデザイナー〉で、タイトルと著者名を貼り付けたり、表紙を見たKさんからのメールのアドバイスどおり、サブタイトルを入れたりした。
その日は表紙画像に振り回された。ホームページビルダーの「ウェブアートデザイナー」で作成した「object1.mif」画像がKindle編集画面から開けないので、「ペイント」に移して〈jpeg〉に変換して保存したら、〈参照〉の一覧に表示されてダウンロードできたものの、「object1.mif」のほうが画像は鮮明だった。
スクショ画像をKさんに添付メールすると、
――これはホームページビルダーじゃないと開けないファイルですね。インターネット上で表示される画像ファイルは主に「jpeg」か「png」形式です。ホームページビルダーから「jpeg」か「png」を書き出せるようなので下記のURLを参考にホームページビルダーから直接書き出してください。
https://support.justsystems.com/faq/1032/app/servlet/qadoc?QID=047769
ペイントで保存すると品質が悪くなるのは当然のことなので、より良い品質でアップするために、ホームページビルダーから行ってください。――
と、アドバイスしてくれたので、ジャストシステムのサイトの説明どおりに操作して、ようやく改善&終了。
さらに翌日は、原稿保存に振り回された。
〈Kindle Previewer 3〉で確認して、編集画面で更新を繰り返す。

何度もやり直し、更新のたびに、〈Kindle Direct Publishing〉から、〈Kindle ストアで販売が開始されました〉のメールが送信されるのだが、原稿のKindle対応の保存が、〈Word〉ソフトと〈一太郎〉ソフトでは違って表示され、何度もトライしてみたりした。わからないことがあると、〈KDP カスタマー サポート〉に問い合わせメールを送信。スクショを送って欲しいと言われて、スクショ画像を添付したり。その問い合わせメールは、回答の返信メールを当日か翌日に見ることになり、一時期、連日のように交わしていた。希望どおり改善されると、
――安心しました――などと、ちょっとフレンドリーなメール文になっていたり、アップする時の保存ファイルに関するKindle Direct Publishingの説明ページのことを、――わかりにくくて申し訳ありません――と、謝罪の文章があったりする。
Kindle Direct Publishingの説明ページで、システム変更の説明があったりするのを見るたび、Kindle Direct Publishingが、まだ発展途上にも感じられる。今まではこうだったが、今後はこうなるという説明が少なくないからだった。
表紙はもっとセンスのいい画像に更新する予定。セルフ出版というより、ホームページの作成を始めた時と似ている。ホームページ作成のころは、素材集からいろいろ選んだりするのも楽しくて、夕食後から深夜までパソコンに向かっていた日もよくあったが、現在は、神経&体力&気力の消耗のために無理となった。諸行無常。歳月の流れを、つくづく感じてしまう。
表紙だけでなく、原稿も更新できるのが良いところ。原稿も再度、加筆して、更新する予定。友人から言われた〈脳の活性化〉の日々が、まだ続きそうである。

★タイトル『愛の奔流』 ―秘めた愛と想いに揺れて―
★短編3本の内容
『別離の夜』敬愛していた男性との永遠の別れ。
『再会の約束』シングルOLと、既婚男性との最後の夜。
『愛欲の湖』10代の恋と20代の恋と30代以降の恋。
Kindle Direct Publishing。電子書籍リーダーの〈Kindle〉で読める本である。
きっかけは、数年前から時々、Kindle Direct Publishingの宣伝メールがAmazonから送信されてきたことだった。
年に数回ぐらいだが、こんな機能が新しくなったとか、こんなシステムになったとか、Amazonのアカウントを持っている人に送信しているに違いないと思った。
(電子書籍のセルフ出版ね。やってみようかナ)
Kindleセルフ出版の宣伝メールを見るたび、何となく、そう思った。
費用は無料。原稿枚数は自由だし、好きなように作ることができる電子書籍。
そこで、昨年の秋ごろ、出版社に提出した電子書籍用作品を除外した原稿フォルダを見てみた。出版社に提出したのは400字詰め40~50枚ぐらいの短編が多いが、もっと短い掌編がかなりあるので、その中から好きな作品を3本選んだ。6枚が2本と、20枚が1本で、合計32枚。
(前書き、書きたいナ)
そう思い、400字詰めで10行足らず、書いた。
(こういう、あっさりした前書きが、私は好きなのよね)
紙の本であれ電子書籍であれ、グダグダ書いてある前書きって、嫌い。短くてあっさりした前書きのほうがいい。
(自分の好きなように作るセルフ出版だもンね)
念のため、編集者の意見を聞きたいと思い、久しぶりに親しい知人のKさんに電話した。
編集者から電話がかかってくるのは好きだが、こちらからかけるのは苦手で、用事でかける時が10年に数回程度。だいたい編集者は外出していたり、打ち合わせ中だったり、まだ出社していなかったりするからということもある。携帯電話にかけるほどの重要な用事も滅多にない。
コロナ騒動の時期だからか、電話をしたら、Kさんがすぐに出た。メールのやり取りは時々しているが、電話は久しぶりだった。
「あのね、Kindleセルフ出版することに決めたの。市場がプロもアマも書く、セルフ出版。知人の作家も出してるみたい」
「ああ、いいですね」
「それでね」
と、私は掌編3本の説明から始めた。1本目と2本目は、昔、ハーレクインの恋愛小説のアンソロジーに掲載の、400字詰め6枚ずつ。3本目は雑誌掲載の20枚。1本目と2本目はベッドシーンがなくて、3本目は少しあること。
「順番は、これでいいかしら」
「それでいいです。3本目にベッドシーンのある作品がいいですよ」
「合計32枚で、ちょっと少ないけど、枚数は自由だから、いいのでしょう?」
「いいと思いますよ」
「それからね、前書き、書いたの。今、読むから、直すところあったら直して欲しいんです」
「はい。いいですよ」
私は200字ぐらいの前書きの文章を読み上げた。
Kさんが、数箇所、指摘してくれた。
そのあと、コロナの話などの雑談をした。
翌日、Kさんからメールが来た。Kさん作成の前書きの案が、例文のように書かれていて、参考にと書いてあった。
その例文を読んで、
(さーすが! 編集者って、やっぱり読者を意識して書くのが上手ね)
つくづく、Kさんを尊敬した。
その後、3本の原稿の加筆修正を始めた。
(短いのばかりだから、すぐ、できちゃうもンね)
そう楽観していた。けれど――。
〈Kindle原稿〉というファイル名のショートカットをデスクトップに貼り付けたので、パソコンの電源を入れるたび、真っ先に眼につく。
いつもはパソコンをつけたらネットのニュース速報を読み、メール・チェックをし、気になっていたことの情報を延々と読む習慣だった。
それらをすませてから、デスクトップに貼り付けた〈Kindle原稿〉ファイルのショートカットをクリック。
ファイルが開くと、真っ先に、〈まえがき〉の文字が目に入り、わずか10行余りを読んでしまう。それから作品の加筆を始める。
毎日のように、そうしているうちに、前書きの文章ではなく、前書き自体が気に入らなくなってきた。
(そうだわ! 後書きにしようっと)
3本の掌編の最後のページに、〈あとがき〉と題して、少し書き直した。
(やっぱり後書きのほうがいいわ。これでバッチリだわ)
そう思っていたころ、Kさんからメール。半年ごとに送信される〈電子書籍売上報告〉と〈支払い通知書〉の添付ファイルである。
メールには、
――Amazon Kindleパブリッシング、順調に進められていることを期待しています。――
と書いてある。
(うふ、期待している、だなんて)
うれしさと、Kさんのやさしさに包まれたものの、
(電話して相談した時から、もう何か月も経ってる。まだ終わらないのかと思われてるかも)
それで、返信メールで説明することにした。
前書きをやめて、後書きに変更したことと、その理由である。
すると、Kさんから返信メール。
――確かに「はじめに」はもどかしいと感じることもありますね。「あとがき」への変更は良いと思います。下記はあとがきの変更案です。――
と書かれていて、Kさん作成の後書きの例文。それもまた、読者を意識した文章で、つくづく感心した。
私の知る限り、編集者は文章を書くことが好きな人が多いが、私のセルフ出版に協力してくれるKさんのやさしさが伝わってきた。
その後、3本の原稿の加筆修正をようやく終えたら、
(最初で最後の、たった1冊のセルフ出版だから、掌編はやめて、短編にしようかナ)
(今まで出版社に提出した短編と違う傾向の作品にしようっと)
そう思いつき、電子書籍未収録作品の中から3本の短編を選ぶことにした。
それからが延々と大変なことに。官能雑誌以外の掲載雑誌の中から選んだ1本の作品の加筆を始めるが、半分ぐらいか、終わった時か、読み返すたび、
(これ、や~めた)
と、他の短編を探したり、新たに加筆を始めたり、その繰り返しの日々になった。1章だけ加筆を終えたところで、この作品や~めた、となることも少なくなかった。
そんなことを延々と繰り返して毎日が過ぎていく。
パソコンに向かって、デスクトップの〈Kindle原稿〉ファイルのショートカットをチラッと眼にしても、
(今日は、気分じゃないわ)
(加筆って精神的にシンドイ作業なのよね)
(締切があるわけじゃないし)
そう自分に言い訳して、ネットで情報を読んだり、パソコンを閉じてリビングでビデオの映画を見たりする日が多くなった。
以前、友人に、Kindleセルフ出版するから昔の作品の加筆をしている話をしたら、
「脳の活性化になるね」
と、言われた。その言葉には励まされたし、脳にイン・プットされた。
だから、(今日は、気分じゃないわ)と言い訳しながらも、
(健康のために脳の活性化は大事だわ。どんな病気も脳が起こすらしいし、記憶力も落ちたくないし)
チラッと、そう思ったりする。
私にとって、〈秘中の秘〉と言いたくなるような作品もあり、最終的に3本の短編は選ぶことができたが、加筆修正がなかなか終わらないのである。読み返して1箇所も加筆する箇所がなくなったらアップしようと決めていた。
そうしているうちに暑い夏が過ぎて9月5日となり、Kさんからメール。半年ごとに送信される〈電子書籍売上報告〉と〈支払い通知書〉の添付ファイルである。
(Kindleセルフ出版のこと、一言も書いてない!)
(まだ終わらないのかって、きっと呆れちゃってるのかも)
そこで、きりのない加筆は終了し、すぐアップすることに決めた。Kさんへの返信メールで、セルフ出版したと書きたいからだった。
まさに意気昂然とは、このこと。(今日は、気分じゃないわ)などという日があったなんて嘘のように、〈Kindle Direct Publishing〉のページを開き、説明文やら契約文やら作成者情報やら作品情報やら何ページも続くのだが、一心不乱に読んだり入力したり。ページが終わるたび、確定申告のWEB作成ページの〈次へ〉のように、〈保存して続行〉のボタンを何度もクリックを繰り返し、ようやく作品のアップに続く。
本の表紙はテンプレートがあると思い込んでいたら、ないのだった! 何て不親切! しかもアップする画像サイズが指定されている。1000px×625px以上で最大寸法は10,000px×10,000px。
私のパソコンには、マイ・ピクチャーにも〈ホームページビルダー〉の素材フォルダにも、そのサイズの画像がない。そこで、〈ホームページビルダー〉ソフトで、260ピクセルのサイズ画像を8個つなぎ合わせて作り、フレームで囲んだ。
表紙のアップの次に、原稿のアップ。
〈保存して次に続行〉のボタンをクリックして、ロイヤリティと価格設定の画面。本の価格もロイヤリティも自分で決めて入力する。
最後に〈出版する〉のボタンをクリック。
それらをチェックされる時間を待った後、〈Kindle Direct Publishing〉からのメッセージが表示された。

浮き浮きしながら、早速、Kさんへの返信メール。
Kindleセルフ出版、ついに完成しました!
長い道のりでした! 掌編を短編に変更し、何度も選び直したせいです。
加筆修正は、キリがないので、終了にしました。
今日、Kindleセルフ出版のページを開いて、何と2時間近くかかって、ようやく出版しました。
表紙はテンプレートがあると思い込んでいたら、ないのです! 私のパソコンの中から送るので、しかもサイズ指定もあって作成したり、時間がかかりました。他にも読んだり入力したりのページが、ど~っさりと!
〇〇さんがいろいろアドバイスして下さったお陰です。ありがとうございました!
Kindleパブリッシングの最終ページ、添付送信します。
表紙と本のタイトル、ちょっぴり心配です。これでいいでしょうか?
では、メール楽しみにしています!
ホッと安堵したのも束の間、表紙画像をあらためて見てみたら、
(あ! 表紙に本のタイトルと著者名が、ない! ない!)
そのことに気づき、また慌ててKさんに〈追伸〉メール。
表紙にタイトルと著者名を付けるのを忘れてしまいました!
〈出版準備中〉と表示されていて、編集は無効です! (T_T)
時刻は午後4時半過ぎで、朝からずっと操作し続けていたパソコンを、疲れたので終了。
翌日からが、また大変なことに。
表紙も原稿も、アップする前に、インストールした〈Kindle Previewer 3〉で確認することを説明文で読んでいたが、急いでいたので省略してしまったのだ。この日初めて、〈Kindle Previewer 3〉を初期設定。
ホームページビルダーの中の〈ウェブアートデザイナー〉で、タイトルと著者名を貼り付けたり、表紙を見たKさんからのメールのアドバイスどおり、サブタイトルを入れたりした。
その日は表紙画像に振り回された。ホームページビルダーの「ウェブアートデザイナー」で作成した「object1.mif」画像がKindle編集画面から開けないので、「ペイント」に移して〈jpeg〉に変換して保存したら、〈参照〉の一覧に表示されてダウンロードできたものの、「object1.mif」のほうが画像は鮮明だった。
スクショ画像をKさんに添付メールすると、
――これはホームページビルダーじゃないと開けないファイルですね。インターネット上で表示される画像ファイルは主に「jpeg」か「png」形式です。ホームページビルダーから「jpeg」か「png」を書き出せるようなので下記のURLを参考にホームページビルダーから直接書き出してください。
https://support.justsystems.com/faq/1032/app/servlet/qadoc?QID=047769
ペイントで保存すると品質が悪くなるのは当然のことなので、より良い品質でアップするために、ホームページビルダーから行ってください。――
と、アドバイスしてくれたので、ジャストシステムのサイトの説明どおりに操作して、ようやく改善&終了。
さらに翌日は、原稿保存に振り回された。
〈Kindle Previewer 3〉で確認して、編集画面で更新を繰り返す。

何度もやり直し、更新のたびに、〈Kindle Direct Publishing〉から、〈Kindle ストアで販売が開始されました〉のメールが送信されるのだが、原稿のKindle対応の保存が、〈Word〉ソフトと〈一太郎〉ソフトでは違って表示され、何度もトライしてみたりした。わからないことがあると、〈KDP カスタマー サポート〉に問い合わせメールを送信。スクショを送って欲しいと言われて、スクショ画像を添付したり。その問い合わせメールは、回答の返信メールを当日か翌日に見ることになり、一時期、連日のように交わしていた。希望どおり改善されると、
――安心しました――などと、ちょっとフレンドリーなメール文になっていたり、アップする時の保存ファイルに関するKindle Direct Publishingの説明ページのことを、――わかりにくくて申し訳ありません――と、謝罪の文章があったりする。
Kindle Direct Publishingの説明ページで、システム変更の説明があったりするのを見るたび、Kindle Direct Publishingが、まだ発展途上にも感じられる。今まではこうだったが、今後はこうなるという説明が少なくないからだった。
表紙はもっとセンスのいい画像に更新する予定。セルフ出版というより、ホームページの作成を始めた時と似ている。ホームページ作成のころは、素材集からいろいろ選んだりするのも楽しくて、夕食後から深夜までパソコンに向かっていた日もよくあったが、現在は、神経&体力&気力の消耗のために無理となった。諸行無常。歳月の流れを、つくづく感じてしまう。
表紙だけでなく、原稿も更新できるのが良いところ。原稿も再度、加筆して、更新する予定。友人から言われた〈脳の活性化〉の日々が、まだ続きそうである。

★タイトル『愛の奔流』 ―秘めた愛と想いに揺れて―
★短編3本の内容
『別離の夜』敬愛していた男性との永遠の別れ。
『再会の約束』シングルOLと、既婚男性との最後の夜。
『愛欲の湖』10代の恋と20代の恋と30代以降の恋。