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一条きらら 近況

【 近況&身辺雑記 】

『カフェ ラ ヴォア(Cafe la Voie)』

2025年06月29日 | 最近のできごと
 喫茶店『カフェ ラ ヴォア(Cafe la Voie)』は新宿西口の『かどやホテル』1Fにある。ちょっとクラシックな雰囲気の店で、落ち着いて話ができる。そんな喫茶店が、最近は少なくなった。昔は街を歩けば、あちらにも喫茶店、こちらにも喫茶店というくらい店の看板が多かった。
 新宿の喫茶店で時々利用していたのは『ルノワール』。店が満席の時に探して入ったのが、『カフェ ラ ヴォア(Cafe la Voie)』だった。時々、ランチの後に友人と一緒に入って、お喋りする。
 よく注文するのは、モカコーヒーかオリジナルブレンド・ハーブティとイチゴ・タルトケーキ。その日はオリジナルブレンド・ハーブティの中から、『ゆずジンジャーハニーハーブティー』を選んだ。柚子(ゆず)、ジンジャー、ハチミツ、ハーブのすべてが好きだが、そんなにいろいろ入っていて、どんな味なのかしらと思った。
 柚子の味が、やや薄味に感じられたのは、柚子味が好きだからかもしれない。調味料のポン酢は、長年、柚子味。最近は『ミツカン かおりの蔵 丸搾りゆず』を冷蔵庫に常備していて、毎日のように何かにかけて食べている。 
 昔、柚子の木が実家にあって、毎年、冬至の日は浴槽に柚子をたくさん入れて、『柚子湯』(ゆずゆ)に入ったことを思い出す。柚子の皮をすり下ろして薬味にした料理も、よく食べた。包丁でむいてもらった柚子の果肉も食べてみたりしたが、とても酸っぱくて少ししか食べられなかった。
 イチゴ・タルトケーキは、ちょうど良い甘さで美味しかった。イチゴを眼にすると、
(お父さんが作ってくれたイチゴ)
 そう呟く時が、よくある。私が小学生のころ、庭の隅の花壇の一画に、父がイチゴを栽培したのだ。イチゴの実が生(な)るまで知らなくて、どんな花が咲くのかと思っていた。ある日、見たら、赤いイチゴの実がたくさん生っていて、
「わあっ、イチゴ!」
 眼を輝かせた私に、 
「食べてごらん」
 と、父が数個、摘んでくれた。
「うん!」
 サイズは、やや小さめだったが、とても甘くて、酸味もあって、最高に美味しかった。わーい、わーい、イチゴ、イチゴ、イチゴちゃんだー、などと、はしゃぎながら、洗ってないイチゴを食べたのは、その時が最初で最後。
「お父さん、イチゴ作った、イチゴ作れるんだね、すごいねー、すごいねー」
 兄より姉より私が一番、花壇のイチゴを美味しいと何度も言って食べることを、父はとても喜んだ。私は父を喜ばせることが好きだった。
 父は植物がすべて好きで、多くの樹木の他に、門の傍の花壇にも、ずいぶんいろいろな花を咲かせたり水やりなどの手入れや草むしりなど、よくしていた。イチゴを種からか苗からか育てた栽培の様子は、最初から見ていないから知らなかった。母の日記には、父がナントカ種苗店へ出かけたとか、何々の種や苗を買って来たとか、よく書いてある。男性が花を好きというのは珍しいかもしれないが、菖蒲祭りとかツツジ祭りとかも父は親しい人たちを誘って、よく出かけていた。
 実家には柿の木も何本かあって、父がよく、もいでくれた。梅の木も何本かあった。梅の実を取るのは父だが、祖母や母が毎年、梅酒を作ったり、梅干しを作ったりしていた。
 祖父はお酒が強かったが、父は晩酌に日本酒1合の徳利1本だけ。たまに2本目。胃が弱いらしく、父は飲食物にやや神経質だった。毎朝、食事前に緑茶を飲みながら、梅干しを1個食べる習慣があった。
 もうすぐ父の命日。
     
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