安藤先生の月刊ブログ 「きらめき」

何気ない毎日に"きらめき"を感じていますか?

未来へ

2015年12月15日 | 月刊ブログ

 慌ただしい時間を過ごしていると、季節が移っていることにも気が付かずに過ごしてしまいます。いつの間にか街中はクリスマスのイルミネーションで輝き、年の瀬が近いことを実感します。

 学校の受付カウンターにも頂き物のシクラメンが豪華に咲き誇っています。

 

 公務員科の学生たちは、やっと最終の発表が出て、ほっとしたり、喜んだり、中には進路を考えなおしたりして、表情も様々です。

 4月からひた走りに過ごしてきたこの半年は、目まぐるしいほどにいろんな体験をしてきました。専門学校での初めての学びや怒涛のように押し寄せる勉強や課題は、振り返る間もなく過ぎていきました。10月には二次試験や三次試験のための移動や準備がまた始まり、11月に後期の授業が始まると同時にやっと一息つけたようです。

 11月の学生たちはなんだか気が抜けたようにぼんやりとしたり、集中力がなくなったりしていました。燃え尽き症候群という言葉で表すのでしょうか。

 しかし、いつまでもこのままではいられません。時間は流れている、自分だけ立ち止まってはいけません。前を向いて次へ進もうよと、学生たちに話をしました。

 

 毎週末にうちに来ている年老いた母とお茶を飲みながら、幼いときのクリスマスの話になりました。

 そのころ職業婦人の先駆けだった母は、女性ばかりの職場でいろんな珍しいものを買って来ていました。その年のクリスマスには、今のちょうどタブレット型の大きさのチョコレートを買って来てくれました。チョコレートの表面にはツリーやサンタの顔が浮き彫りになっています。その分厚いほろ苦いチョコレートは、私のクリスマスの始まりになりました。その年には、私と弟にクリスマスプレゼントも用意してくれていて、朝目覚めると、枕元の大きなリボンのついたプレゼントに大喜びしたことが思い出されます。

 最近は、こちらが用意する立場になり、年末の仕事の一つになりました。ささやかでもみんなのことを思ってプレゼントを考えるのはとても楽しい時間です。今度は、私が母にも何か暖かいものをプレゼントしようと思います。

 

 先日、外部の公務員受験指導の担当の方とお話をする機会がありました。いろんな学校を訪問して講演をすると、その聞く姿勢が様々だそうです。しかし、公務員試験に内定率100%の学校の学生は、目の色が違うとおっしゃいます。背筋を伸ばしてしっかり目を見据え目を輝かせて聞くそうです。

 公務員試験に合格するだけでなく、その先、社会人になってからのことを考えて指導をされているということでした。そうです。合格の先にある社会人としての考え方、行動を身に付けてもらうことも私たちの使命だということを気づかされました。

 就職試験に合格することは、一つの過程にすぎません。大事なのは社会人になった時にどのような仕事ができるかだということです。

 学校では、今は就職してからのビジネスマナーや、文書、パソコン、コミュニケーション、ペン字などを行っています。しかし、ただ知識を学ぶだけではなく、周りの人を気遣う心配りや、人を不快にさせない応対などがとても大事なのです。

 

 読む人に感動を与えてくれた『置かれたところで咲きなさい』の著者渡辺和子さんは、次に『面倒だからしよう』という本を出されました。その本の一節に、「『あたりまえのこと』、時には『つまらないこと』を、心を込めて実行することこそが、人を美しくするのです。」と書かれています。その美しさは、私たちが面倒なことを嫌い、すぐに簡単な方向に行こうとする自分との戦いを恐れず、努力し続けてゆく中で育っていく“心の輝き”といっていいでしょう、と。

 また、「与えられる一つのいのちも、ものも両手でいただく。」と述べられています。片手で扱ってしまえば、大切な価値を見落としてしまう。あたりまえのことも辛いこともていねいにうけとめよう。

 こんなことを学生たちにわかってもらえたらと思います。年を重ねた今だからわかることですが、若い人たちにも少しでもこのことを考えてくれたらと思うのです。

 今ここにいることに感謝を忘れず、丁寧に日々を送ることが、未来への扉を開く力になるはずだから。

 

Photo by mizutani


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