安藤先生の月刊ブログ 「きらめき」

何気ない毎日に"きらめき"を感じていますか?

壁をつくらない

2011年02月02日 | 月刊ブログ
 この数日、日本海側では大雪で道路が寸断されたり、家屋の倒壊や雪による被害が出ています。温暖な九州長崎でも、昨日は積雪になり、「この冬は何回も雪が積もるねえ」とそんな会話がなされています。
 そして、今一番の話題は、アジアカップで見事に優勝したザックジャパンでしょう。にわかサッカーファンの私も、勝ち進んでいくごとの選手の活躍には目を見張り、チームを支える監督の一挙手一投足を好感を持って見ていました。こんなに強くて団結力のあるチームに育て上げた監督の表情に興味を覚えました。

 先日は、長崎デュアルシステム専門学校の卒業論文発表会でした。私もその日は佐世保からバスに乗って、1年生や2年生のみんなと久しぶりに会えることを楽しみに出席しました。
 1年生は実習用のスーツを着ていると、入学当時からは想像できないくらい動作も表情も洗練された様子で、驚いてしまいました。2年生は、さすがに落ち着いていて、発表前の緊張感で表情が引き締まって見えました。
 授業総時間の4割が実習という、学びながら働くデュアルシステム・・・で、実習を通して学んだこと、感じたことを発表してくれました。それはすべて実体験からのもので、聞き手の私たちにそのときの様子をくっきりとイメージさせるくらいに、伝えたいことが語られていました。
 年間を通して、週のうち二日間、企業で実習をするということは、つらいことや苦しいこともたくさんあっただろうと思います。学生でありながら、一サービスマンとしてお客様と接していくことは学ぶことも多くあるのと同時に、身の丈以上のことを要求されることもあります。それが、結果的に個々人の予想以上の成長につながっていったのではないかと思います。
 失敗をしたことも今となっては、笑って話せる思い出です。しかしそのときはなんと詫びたらいいのか胃が痛くなるような思いをしたに違いありません。
 
 実習を通して学んだことに、職場でも、お客様との間でも、そこに壁をつくってはいけないということを言っていました。はじめから自分に壁を作っていると、どんな人とも心が通じることはありません。そんなことを、気づいてくれたのです。
  
 先週、私は、学生時代の部活動の同期の新年会に行ってきました。集まった人の中には卒業以来の人もいて、本当に楽しみにして会場に行ったのですが、いざ会ってみると、まるで昨日も会っていたような、そんな家族のような感覚でした。ちょっとはそれなりに年をとっていましたが、数十年前と変わりなく無防備に会話が弾んでいきました。
 入学当初や入部したてのころは、それぞれに警戒心や好奇心などがあり、また、間には高い壁がきっとあったはずですが、一日の大半を一緒に生活をしていくごとにいつの間にかその壁は低くなり、時間が壁を取り払ってくれました。そして一度なくなった壁は何年たってもフラットのままなのです。
 
 
 日本語が話せないイタリアからのザッケローニ監督は、選手との間に決して壁を作らなかったそうです。言葉がうまく通じなくても、選手を信頼し、その関係はフラットだったと、現に信頼されていた選手たちが口々に述べていました。
 優勝の瞬間、監督の下に走りこむ選手の姿は、そのことをはっきりと物語っていました。

 
 人間関係を円滑に保つことは、少しだけコツがありそうです。
 まずは、壁をつくらないこと。具体的には、自分自身をオープンにすることでしょうか。
 専門用語で言えば、自己開示。このことが、相手の心をも開いていくことになるのではないかと、ザックジャパンの選手たちと、発表を終えた学生たちの生き生きとした姿を思い出して、そう感じました。

photo by mizutani

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