安藤先生の月刊ブログ 「きらめき」

何気ない毎日に"きらめき"を感じていますか?

通じ合うもの

2008年10月03日 | 月刊ブログ
 見上げると、空の青さに透明度が増してきて、すっかり秋色になりました。
 先日当校では、長崎県の専修学校体育大会に出場するために、会場がある長崎に行きました。バレーボール、卓球、バドミントン、剣道に各学生が参加し、一生懸命競技に汗を流していました。
 私は、剣道の競技に引率をしたのですが、剣道は、経験がないとすぐには誰でもやれる競技ではないので、集まったメンバーはそれぞれ高校の時などに試合をした経験があったり、名前を知っていたりしていたようでした。
 当校から出場した女子学生も高校の時、剣道部で活躍していたようで、進んで競技に出場してくれました。
 ピンと張りつめた真剣試合が終わった後、彼女は、ほっとした表情で、「こんなに他の人と話ができるとは思いませんでした。メールのアドレスまで交換して、九州大会の練習をしよう、という話も出ているんですよ。」とうれしそうに話してくれました。
 各校から個人戦のみで出場していた選手たちは、これを機会に長崎県代表チームを作って、九州大会に出場することが決まったのでした。
 「同じスポーツをしているもの同士だから、共通の話題があるし、なんか通じるものがあるのよ」と言う私に、彼女は、「それに、剣を交えた同士だから、なおさらですね。」と付け加えました。
 初対面の人と話すとき、まず、どちらかが口火を切らないとなりません。その時、何を話したらいいのでしょう。
まずは、その場所にいることの「共通性」が一番の話題ではないでしょうか。
 彼女は、剣道の試合をするためにその場所にいて、剣道の話題から自然と会話が生まれ、自分自身の緊張を解き放つことができて、心地よい一日を過ごしたのでした。 
 その日の朝、彼女は、たった一人で剣道の競技に出場するために、他のクラスメートや友人たちと分かれて、他の会場に移動をしました。その時、誰とも一言も話せないまま、淡々と試合をして帰ってくるのかな、と思っていたようです。
 それが、帰るときは、そんな不安は嘘のように消え去り、準優勝という結果も加えて、なんとにこやかにうれしそうにしていたことか。
 
 長年剣道をなさっているというある専門学校の校長先生が、審判委員長として、各選手に暖かいそのまなざしでアドバイスを贈っていらっしゃいました。同じ剣道を行っている同士、または後輩の中に、通じ合う何かを感じていらっしゃったのではないかと思います。
 最後には、男子も交えて、こんな機会は滅多にないからと、全員で集合写真を撮って帰りました。試合の時の緊迫した雰囲気とは対照的な柔らかな空気が、秋のひんやりとした風とマッチして、心地よい時間を醸し出していました。
 窓ごしに遠く、つい先日オープンしたばかりのショッピングタウンの観覧車がゆっくりゆっくりと動いていました。

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