【007カジノ・ロワイヤル】イアン・フレミング
ドタバタギャグ映画「カジノロワイヤル」(1967年)。
観たのはいいが、チンプンカンプン。
ストーリーを追えないばかりか、登場人物も把握出来ず。。。
途切れ途切れの映像だけが記憶に残った謎の映画。
新ボンドバージョンの「カジノ・ロワイヤル」(2006年)
を観るにつけ、ちゃんとした話だったんだ~。
ストーリー存在してたんだ~。
じゃ、一体あれは何だったんだ?
更に謎が深まる67年版映画。
今回原作読んで、両方の映画がよく解るように。
ボンドとヴェスパーの関係も、
感情のひだが丁寧に、いくぶんゆったり描かれてて、なるほどね。
ボンドが善悪、仕事に対して疑問を感じたり。
けっこう悩み事が多いボンド。
しかも、ボンドってグレイがかった青い目してたんや。
と、初めて知る。
“「許してくれなきゃ困るが、わたしは飲んだり食ったりすることに、
ばからしいくらい喜びを感じるんだ」”とのこと。
許したげるがな。
新ボンドバージョンでは、拷問シーンにビビりましたけど。
実は原作に忠実。
シリーズの魅力の一つだったらしい。。。
で、改めて1967年版映画を鑑賞。
いかに脱線しているかが解り、前回よりも楽しめたのが驚き。
3人がかりで脚本、5人がかりで監督。
この悪夢を、若干の余裕を持ってクリア。
やっとこ、内容を人に説明出来る状態にまで進歩。
(そんな機会は、ほぼ無いと思うが。)
試験に出たら、70点ぐらいは採れそうだぜぃ。
(そんな機会は、どこにも無いと思うが。)
ギャグまで解説出来そうな予感。
(そんな機会は探しても無いと思うが。)
まぁ、一言で説明すると。
大量のボンド(と名乗るスパイ)を送り込み、
敵をかく乱しよう作戦。
ボンドの甥っ子(ウッディ・アレン)や、
娘のマタ・ボンド(そう、母はマタハリ)が出てきたり。
サービス満点。
投げやりな展開。
これ以上は無理って諦めたな、と確信できる編集。
なんせ、いきなり合流してる人とかおるし。
もちろん、なんの説明もないのさ。
ウルスラ・アンドレスがショーガール風衣装で会社にいるシーン。
“「会社でそんな格好を?」
「外で着たら目立つもの。」”
いやぁ、ごもっとも。
ウッディ・アレンが処刑されそうなシーン。
“「実は妊娠してるんだ。」”
なーいっス。(無いとナイスかけてるんだけど、気づいてくれた?)
デイビッド・ニーブンがさらりとギャグをかわす姿が嬉しい。
ピーター・セラーズの真面目顔でのテンション低めの演技が楽しい。
イギリス人のコメディセンスに敬服。
必要以上におどけないのが、すんばらしい。
これみよがしに大挙して登場する美女軍団も。
バート・バカラックの音楽も。
豪華出演陣+カメオ出演も。
実は何から何まで一流。
よくもここまでハジけたもんだ。
無茶苦茶ぶりが楽しい一作。
しかも何度観ても、覚えられないから、
何度でも楽しめるぞ、この映画。
(たぶん、ほめ言葉)