木のぼり男爵の生涯と意見

いい加減な映画鑑賞術と行き当たりばったりな読書によって導かれる雑多な世界。

007カジノ・ロワイヤル

2012-11-24 17:45:37 | 日記


【007カジノ・ロワイヤル】イアン・フレミング

ドタバタギャグ映画「カジノロワイヤル」(1967年)。
観たのはいいが、チンプンカンプン。
ストーリーを追えないばかりか、登場人物も把握出来ず。。。
途切れ途切れの映像だけが記憶に残った謎の映画。

新ボンドバージョンの「カジノ・ロワイヤル」(2006年)
を観るにつけ、ちゃんとした話だったんだ~。
ストーリー存在してたんだ~。

じゃ、一体あれは何だったんだ?
更に謎が深まる67年版映画。

今回原作読んで、両方の映画がよく解るように。

ボンドとヴェスパーの関係も、
感情のひだが丁寧に、いくぶんゆったり描かれてて、なるほどね。
ボンドが善悪、仕事に対して疑問を感じたり。
けっこう悩み事が多いボンド。

しかも、ボンドってグレイがかった青い目してたんや。
と、初めて知る。

“「許してくれなきゃ困るが、わたしは飲んだり食ったりすることに、
ばからしいくらい喜びを感じるんだ」”とのこと。
許したげるがな。

新ボンドバージョンでは、拷問シーンにビビりましたけど。
実は原作に忠実。
シリーズの魅力の一つだったらしい。。。

で、改めて1967年版映画を鑑賞。
いかに脱線しているかが解り、前回よりも楽しめたのが驚き。

3人がかりで脚本、5人がかりで監督。
この悪夢を、若干の余裕を持ってクリア。
やっとこ、内容を人に説明出来る状態にまで進歩。
(そんな機会は、ほぼ無いと思うが。)
試験に出たら、70点ぐらいは採れそうだぜぃ。
(そんな機会は、どこにも無いと思うが。)
ギャグまで解説出来そうな予感。
(そんな機会は探しても無いと思うが。)

まぁ、一言で説明すると。
大量のボンド(と名乗るスパイ)を送り込み、
敵をかく乱しよう作戦。
ボンドの甥っ子(ウッディ・アレン)や、
娘のマタ・ボンド(そう、母はマタハリ)が出てきたり。
サービス満点。

投げやりな展開。
これ以上は無理って諦めたな、と確信できる編集。
なんせ、いきなり合流してる人とかおるし。
もちろん、なんの説明もないのさ。

ウルスラ・アンドレスがショーガール風衣装で会社にいるシーン。
“「会社でそんな格好を?」
「外で着たら目立つもの。」”
いやぁ、ごもっとも。

ウッディ・アレンが処刑されそうなシーン。
“「実は妊娠してるんだ。」”
なーいっス。(無いとナイスかけてるんだけど、気づいてくれた?)

デイビッド・ニーブンがさらりとギャグをかわす姿が嬉しい。
ピーター・セラーズの真面目顔でのテンション低めの演技が楽しい。
イギリス人のコメディセンスに敬服。
必要以上におどけないのが、すんばらしい。

これみよがしに大挙して登場する美女軍団も。
バート・バカラックの音楽も。
豪華出演陣+カメオ出演も。
実は何から何まで一流。
よくもここまでハジけたもんだ。
無茶苦茶ぶりが楽しい一作。
しかも何度観ても、覚えられないから、
何度でも楽しめるぞ、この映画。
(たぶん、ほめ言葉)



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