火を付けたトーチ演舞禁止に、名古屋市教委 中2やけどの7月事故受け
名古屋市の市立中学のほとんどが野外活動で取り入れている、火を付けた棒を使う演舞「トーチトワリング」(トーチ)について、本年度は実施しないよう、同市教委が13日付で、全小中高校に通知したことが分かった。先月、学校で演舞の練習をしていた中学2年男子生徒がやけどを負ったことを受けたもの。市教委は「安全確保が第一」としている。
市教委によると、事故は先月26日、同市守山区の守山東中学校の運動場で発生。トーチ棒の火が男子生徒の袖に燃え移り、手首の内側からひじにかけて約20センチのやけどを負った。近くにいた教員が手で火を消そうとしたが消えず、別の教員がバケツで水をかけて消し止めたという。
トーチは、小学5年と中学2年が学校ごとに行う野外学習の際に、希望者が披露。棒の先端に巻いたタオルに灯油を染み込ませて火を付け、棒を振り回すなどする。昨年度は市内110の中学校のうち109校で実施され、小学校でも261校中32校で行われた。本年度も同程度の数の学校で予定されており、既に半分は実施済み。市教委によると、昨年度も小5児童がやけどを負ったという。
トーチは連帯感をはぐくむことなどを目的に、少なくとも約20年前から取り組んでいる。安全対策などについて市教委が定めたマニュアルがあり、教員の初任者研修でも指導法を学ぶという。
学校事故に詳しい名古屋大の内田良准教授によると、トーチは愛知県内の小中学校で広く行われているが、「火を付けた棒を振り回す行為を学校教育で行うのは危険」と指摘。他の自治体にも注意を促している。
(https://www.chunichi.co.jp/s/article/2019081790090932.html)
愛知県外の人からしてみれば、「は?」というニュースでしょうね。
そもそもなぜそんなことをやっているの?と。
この話は、メリットとリスクの問題だと思います。
例えば自動車。どんなに注意喚起しても、交通事故もあおり運転も飲酒運転もなくなりません。
しかしながら、「事故やあおり運転や飲酒運転は危険だから、自動車を禁止にしましょう」とはなりません。
運転を免許制にするとか、危険運転をしたときに厳罰が与えられるとか、様々な予防策がはり巡らされており
それでも無くならないのは承知の上で、我々の社会は利便性すなわちメリットを選択しているわけです。
「保護者は何も言わないのか」と疑問に感じる方もいるかもしれませんが
多分、何も言わないでしょう。
20年前からやっていると言うことですからね、伝統というマジックワードがリスクへの意識を逸らしてしまっていたのでしょう。
冷静に、メリットとリスクを検討してみましょう。
メリット
・連帯感が育まれる。
・演舞した側は達成感があり、大きな思い出となる。
・演舞を見た側も、迫力があり、大きな思い出となる。
リスク
・危ない。
・ヤケドは命に関わりうるし、跡が残る場合もある。
こうなってくると、果たして「炎である必然性はあるのか?」ですよね。
LEDやサイリューム等でも十分実施可能な気がしてきました。
一番気になるのはここです。
「本年度は実施しないよう、同市教委が13日付で、全小中高校に通知したことが分かった。先月、学校で演舞の練習をしていた中学2年男子生徒がやけどを負ったことを受けたもの。市教委は「安全確保が第一」としている。」
つまり
事故が起きちゃったからとりあえず中止。安全対策等を再検討してから再開する、ってことでしょうか。
そうならば論点が違うと思います。
「どうしたら安全に再開できるのか?」ではなくて
「そもそもこんなリスクを背負ってまでやるべき教育活動なのか?」
「このリスクに見合う教育的メリットが期待できるのか?」
そこじゃないでしょうか。
また、「本年度はやめる」ってのもおかしな話だと思います。
2学期の本番に向けて、夏休み中に一生懸命練習した子もいるはずです。
ですから、今年度は注意喚起を徹底した上でやらせる。
そして来年度以降について中止、の方が妥当ではないでしょうか。
炎天下の部活動制限もそうなんですけど
なぜ事故が起こってから「教訓を活かして」って話になるのでしょうかね。
大人であれば、想像できそうなものですが。
名古屋市の市立中学のほとんどが野外活動で取り入れている、火を付けた棒を使う演舞「トーチトワリング」(トーチ)について、本年度は実施しないよう、同市教委が13日付で、全小中高校に通知したことが分かった。先月、学校で演舞の練習をしていた中学2年男子生徒がやけどを負ったことを受けたもの。市教委は「安全確保が第一」としている。
市教委によると、事故は先月26日、同市守山区の守山東中学校の運動場で発生。トーチ棒の火が男子生徒の袖に燃え移り、手首の内側からひじにかけて約20センチのやけどを負った。近くにいた教員が手で火を消そうとしたが消えず、別の教員がバケツで水をかけて消し止めたという。
トーチは、小学5年と中学2年が学校ごとに行う野外学習の際に、希望者が披露。棒の先端に巻いたタオルに灯油を染み込ませて火を付け、棒を振り回すなどする。昨年度は市内110の中学校のうち109校で実施され、小学校でも261校中32校で行われた。本年度も同程度の数の学校で予定されており、既に半分は実施済み。市教委によると、昨年度も小5児童がやけどを負ったという。
トーチは連帯感をはぐくむことなどを目的に、少なくとも約20年前から取り組んでいる。安全対策などについて市教委が定めたマニュアルがあり、教員の初任者研修でも指導法を学ぶという。
学校事故に詳しい名古屋大の内田良准教授によると、トーチは愛知県内の小中学校で広く行われているが、「火を付けた棒を振り回す行為を学校教育で行うのは危険」と指摘。他の自治体にも注意を促している。
(https://www.chunichi.co.jp/s/article/2019081790090932.html)
愛知県外の人からしてみれば、「は?」というニュースでしょうね。
そもそもなぜそんなことをやっているの?と。
この話は、メリットとリスクの問題だと思います。
例えば自動車。どんなに注意喚起しても、交通事故もあおり運転も飲酒運転もなくなりません。
しかしながら、「事故やあおり運転や飲酒運転は危険だから、自動車を禁止にしましょう」とはなりません。
運転を免許制にするとか、危険運転をしたときに厳罰が与えられるとか、様々な予防策がはり巡らされており
それでも無くならないのは承知の上で、我々の社会は利便性すなわちメリットを選択しているわけです。
「保護者は何も言わないのか」と疑問に感じる方もいるかもしれませんが
多分、何も言わないでしょう。
20年前からやっていると言うことですからね、伝統というマジックワードがリスクへの意識を逸らしてしまっていたのでしょう。
冷静に、メリットとリスクを検討してみましょう。
メリット
・連帯感が育まれる。
・演舞した側は達成感があり、大きな思い出となる。
・演舞を見た側も、迫力があり、大きな思い出となる。
リスク
・危ない。
・ヤケドは命に関わりうるし、跡が残る場合もある。
こうなってくると、果たして「炎である必然性はあるのか?」ですよね。
LEDやサイリューム等でも十分実施可能な気がしてきました。
一番気になるのはここです。
「本年度は実施しないよう、同市教委が13日付で、全小中高校に通知したことが分かった。先月、学校で演舞の練習をしていた中学2年男子生徒がやけどを負ったことを受けたもの。市教委は「安全確保が第一」としている。」
つまり
事故が起きちゃったからとりあえず中止。安全対策等を再検討してから再開する、ってことでしょうか。
そうならば論点が違うと思います。
「どうしたら安全に再開できるのか?」ではなくて
「そもそもこんなリスクを背負ってまでやるべき教育活動なのか?」
「このリスクに見合う教育的メリットが期待できるのか?」
そこじゃないでしょうか。
また、「本年度はやめる」ってのもおかしな話だと思います。
2学期の本番に向けて、夏休み中に一生懸命練習した子もいるはずです。
ですから、今年度は注意喚起を徹底した上でやらせる。
そして来年度以降について中止、の方が妥当ではないでしょうか。
炎天下の部活動制限もそうなんですけど
なぜ事故が起こってから「教訓を活かして」って話になるのでしょうかね。
大人であれば、想像できそうなものですが。