名無しの教師の日誌

ある公立中学校教師の教育私論と日記です。

再開に向けて動き出した学校

2020-03-28 21:14:41 | 日記(学校)
ついに再開に向けて動き出しましたね。

こんなにも、特に若者に対して、不要不急の外出を要請しているのに、学校を再開させるのは果たして妥当なのか、強く疑問を感じます

休校を継続するかどうかの決定権は、あくまで学校の設置者です。

設置者とは、〇〇市立であれば、〇〇市の教育委員会です。

しかし、先日出された文科省のガイドラインは、「こういうことに十分気をつけて、学校を再開させなさい」という趣旨のものでした。
(明確にそう書かれたわけではありませんが、そう解釈できるものだと私は思います。)

それを無視できない教育委員会の立場としては、再開させざるを得なかったのでしょう。

ですが、現場の私としては、不安ばかりです。

教師という立場からは、本当に子どもたちを守れるのか、心配です。

親の立場からは、本当に学校に行かせて大丈夫なのか、という声も多く聞きます。

ちなみに我が校では、「予定通り、〇月×日に新学期を始めます」というメール配信をした直後に

「文科省のガイドラインを見たが、マスクを調達できない。どうすれば良いか」

という電話の相談が来た始末です。



やはり、私はあの文科省のガイドラインが問題だったと思います。

まず、あそこまでやらないといけない状況なら、原則再開は無理があったと思います。
詳しい私の意見は、過去記事をご覧ください。

また、タイミングが悪すぎです。

再開の方向性を示すなら、もっと沈静化してからにするべきだったのではないでしょうか。



あるSNSで

「こんな状況下で子どもを学校に行かせるなんて不安すぎる。休校中に家族旅行に出かけた家庭もあると聞いた。保護者判断で休ませようかなと思っている」

という子持ちの方の書き込みを見ました。

これについて少し説明をします。

学校には、「出席しなければならない日」があります。

要は、授業がある日です。

「出席しなければならない日数」から「実際に出席した日数」を引いた数が、欠席数になります。

風邪を引いて休んだ、みたいな場合は、欠席になります。

一方で、インフルエンザなどの感染症にかかった場合や、忌引きの場合、そもそもその日は「出席しなければならない日」ではなくなります。

さて、新型コロナウイルスに関連して、首相要請で3月は休校になりました。

これについて、3月分の休校になった日は、全員一律に「出席しなければならない日」ではなくなりました。

ですから欠席になりません。

ところが、休校が解除されてから、保護者判断で学校を欠席させた場合、「欠席」としてカウントされます。
(2020年3月28日現在。これ以降、文科省や教育委員会が特例を発表すれば、話は変わります。)

細かくは地域差がありますが、欠席が多いと進学に影響してしまいます。

また、新学期のはじめは、クラス替えがあり、学級役員選出など、コミュニティの立ち上げの時期です。

そのときに学校にいないというのは、コミュニティへの所属への出遅れを意味します。

「だから自主的な判断で子どもを休ませない方が良い」

と言うつもりはありません。

私だって、何度も書いていますが、こんなタイミングで休校を解除するのは間違っていると思っています。

保護者判断で欠席させる場合は、そのようなデメリットを踏まえて行ってくださいということです。



これに関連して、保護者の皆様にお願いです。

休校を解除するか、継続するかどうかについての決定権は、学校現場の教師にありません。

ですから、「なんでこんなタイミングで休校を解除するんだ!?」と思ったとしても、その主張を学校にぶつけるのはご遠慮ください

繰り返しになりますが、休校にするかどうかの決定権は、設置者(市教委等)にあります。

何かをもの申すならそちらです。

また、教育委員会も、文科省のガイドラインを無視できない、苦しい立場にあります。

もしクレームの電話を入れるのなら、そこを踏まえて行っていただきたいとお見ます。



4月から学校を再開するのが妥当かどうかについて、皆さんの意見をお寄せください。

ご意見はこちらまで。


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