名無しの教師の日誌

ある公立中学校教師の教育私論と日記です。

別室登校や保健室登校について

2019-06-30 23:51:40 | 教育に関する私論
不登校生徒や、不登校傾向生徒が増えています。

それはなぜか、どうするべきなのか……

それについては、今回は、述べるのはやめておきます。

事実として、増えているのです。



さて、不登校生徒や、不登校傾向生徒の親から、しばしば

「別室登校や、保健室登校を認めてもらえないか」

という申し出を受けます。

これについての個人的な考えを書きます。



まず、別室登校や、保健室登校に関する、統一ルールはありません。

良くも悪くも、現場裁量です。

もっとぶっちゃけた言い方をすれば、校長が「やる」って言えばやることになるし、「やらない」って言えばやらないことになります。

さて、私個人の考えとしては、「別室登校や保健室登校は、あまりやりたくない」です。

その理由を今から書きます。



そもそも、学校の先生にはあまり余裕がありません

新米教師から老練教師まで、1人の教師が35人~40人の生徒を監督しなければなりません。

監督、と言っても、見ているだけではいけません。

言い方悪いですが、子どもたちをある程度制御下に置かないといけないのです。

給食の時に秩序を持って会食することや、いじめをさせないことも、ある意味、制御なのです。

そして、最近では、発達障害の生徒や、日本語が十分に通じない生徒、様々な配慮が必要な生徒、アレルギーやエピペン持ちの生徒も多く、一昔前では認知すらされていなかったようなことに気を配らなければいけません

(日本語が通じないというのは、具体的には、外国籍生徒です。)

そのような状況下で、別室登校を認めると言うことは、貴重な先生1人分の戦力を、たった1人の生徒のために割いてしまうということなのです。

「副担任がいるじゃないか」と言われるかも知れませんが、副担任は貴重な予備戦力です。一日限りの別室対応ならともかく、ずっと続く別室登校の生徒にあてがうとなると、なかなかに苦しいものです。



保健室登校についても、同様の理由で、私は消極的です。

保健室は、本来、傷病者や体調不良者の対応をするところです。

そして、養護教諭は、多くの学校で1人です。

(大規模校や、財政に余裕がある自治体なら、複数配置ですが。)



いじめの見過ごしなど、教師側の落ち度が大きい場合ならば、教師が必死になって別室対応や保健室対応をするべきかも知れません。

しかし、そうでも無い場合は、「1人のために、全体に対する指導のクオリティを下げて良いのか?」という話になってきます。

現に、なし崩し的に別室登校を認めることになってしまった先生が、その子の対応に追われていじめを見過ごしてしまった、なんてケースも私は見ています。



別室登校を認めてあげることで、不登校生徒や不登校傾向生徒が救われるなら、やってあげたいです。

しかし、通常の学級経営を完璧にこなした上で、別室登校の対応もできるほど、私の手は長くありません。

両方完璧にできるほどスーパーな先生は、そう多くないと私は思います。

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