名無しの教師の日誌

ある公立中学校教師の教育私論と日記です。

塾をのぞき見して

2018-05-22 23:07:00 | 日記(学校)
退勤後、交差点で信号待ちをしていたら、たまたまそこは学習塾の前であった。

広告効果を兼ねているのだろうか、教室のカーテンはあけてあり、中が外から見えるようになっていた。

スクリーンには満州国がどうのこうのと提示されており、ああ、中間テスト対策講座か、と思う一方で

設備がうらやましく思えた。



まともな教師なら、授業準備を行なう。

授業には、まずめあてがあり、そのめあてを達成するための手立てとして何かの学習活動が行なわれるわけだ。

そして、その学習活動の補助として、板書による文字情報の提示があるのだが

そんなもの、行き当たりばったりでできるわけがない。

普通、ノートか何かに、めあてをふまえ、「こんな板書をしよう」というものを用意しておく。



各教室に、プロジェクターとスクリーンまたは大型モニターが常設されれば

その板書計画をPCでより丁寧に作るだけで、スムーズな文字情報の提示ができる。

教師の目的は、板書ではない。

そして、生徒の目的は、板書を見てノートをとることではない。

教師が板書に対してエネルギーを割かずにすむのであれば、それにこしたことはないと思う。




もう平成も終わろうとしている。

ICT教育だとか、プログラミング教育だとか、英語がどうのこうのとか、アクティブラーニングだとか

わけのわからないことの検討に時間と予算を割くのをやめて

いい加減黒板などと言う前時代的な設備を更新してはどうか。




卒業式前夜に黒板に書かれたメッセージなどには、不思議な魔力が宿る。

しかし、そんな郷愁を優先する余裕は、我が国にはもはや無いはずだ。


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