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WBC物語 第九話

2006-11-21 23:17:45 | WBC
ワールド・ベースボール・クラシック・ストーリー

第九話 屈辱の敗退


日本 vs. 韓国
日本時間3月16日(木) 12:00/エンゼル・スタジアム




熱烈な韓国ファンが大挙してエンゼルスタジアムに集まる


2次リーグの対韓国戦ではアナハイムのエンゼル・スタジアムに約3万9000人の観客が訪れた。見渡す限り韓国の国旗ばかりで、日の丸はチラホラ。日本人は1000人程度で9割以上が韓国の応援団だった。



もちろん日本ファンも駆けつけた


試合前に真剣な表情のイチロー


先発の渡辺はほぼ完ぺきな投球だった。変化球を低めに集めて、6回を1安打、無失点。

大事な一戦のマウンドに上がるのは、渡辺-里崎の日本一バッテリー。



韓国の先発はパク・チャンホ 出塁は許すも5回を無失点に抑える。


2回には岩村のピッチャー内野安打をきっかけに1死二塁。小笠原がショートフライ後、里崎のライト前ヒットで二走の岩村がホームに突っ込むもタッチアウト。試合序盤に先制点のチャンスを潰す。


里崎 2死二塁。初球、外角のストレートに逆らわず右方向に打ち返すライト前ヒット。二走の岩村がホームに突っ込むも、ライトのイ・ジンヨンの強肩の前にホームでタッチアウト。

7回 日本、好投した渡辺から2番手の杉内にスイッチ

8回1死、キム・ミンジェの打ち上げたライトファウルフライ。フェンス際、イチローはフェンスとの距離を測りながら、落下地点に入る。「捕った」かに見えた打球は観客に阻まれわずかに届かなかった。



捕球妨害?直後、イチローは言葉にならない怒号を挙げる。フェンス際に陣取った韓国人ファンは、それを挑発ととり、イチローに向かって激しいブーイングを浴びせ返した。



イチローは、「何をやったか覚えていない」と言うが、捕球できた可能性があったかと問われ、「ありました」。結果的にあの打者が四球を選び、先制点。イチローはゲームの流れが韓国に傾きつつあることをあのプレーで悟り、悔しさを爆発させたのかもしれない。

結局キム・ミンジェ フルカウントからの6球目、ストレートが低めに外れて四球。



1死一塁。イ・ビョンギュがセンター前ヒット。一走のキム・ミンジェが一気に三塁を狙う。センターの金城がサードへ好返球。ただサードの今江が走者にタッチに行くときにグラブからボールを落としてセーフ。その間に打ったイ・ビョンギュも二塁へ。


三塁・今江がボールをこぼしセーフの判定
 
日本、このピンチに杉内から三振の取れる藤川に投手交代。

 1死二、三塁。イ・ジョンボムの打球は左中間を抜けるタイムリー二塁打。2人がかえって韓国が2点を先制。


決勝の2点タイムリーを打たれた藤川

9回 日本は4番手に大塚をマウンドに送る。
大塚が気合の投球で3者凡退。9回の攻撃につなげた。

9回裏、西岡 1ストライク2ボールからの4球目、真ん中のストレートを打って、レフトスタンドへ飛び込むソロ本塁打! 日本、1点差に迫る。




2点リードされた9回には西岡のソロ本塁打で1点差に詰め寄り、1死一塁とチャンスをつくったが、最後はあと1本がでなかった。

多村 2死一塁。2ストライク1ボールからの4球目、ストレートに空振り三振。


最終バッターとなった多村は三振後しばらく座り込んだ
三振に倒れた多村が打席でへたり込む。逆転を信じて疑わなかった総立ちの日本代表ベンチも凍りついた。同じ相手、それも隣国のライバル相手に連敗。声を失ったナインは誰もがうつむき、和田一は人目をはばからず涙した。




日本を破り準決勝進出を決めて喜ぶ韓国チーム




2-1で敗れ落胆する日本チーム


ベンチでボールを握り締めたままグラウンドを見つめる上原


国旗を掲げてグラウンドを回る韓国チーム

勝利に歓喜した韓国は、ビクトリーランを終えると、マウンド上で誇らしげに韓国旗をかざした。その旗を韓国人メジャーリーガーのソ・ジェウンがマウンドに立てると、韓国代表は満面の笑顔を浮かべながらフィールドを去っていく。エンゼル・スタジアムには、再び大きな歓声が沸き起こっていた。





太極旗立てた徐在応「日本の立場まで考える必要ない」
「日本選手の立場まで考える必要はないと思います。もし、日本選手のことを思って行動していたとしたら、わざとそうやったように見えたかもしれませんね。うちらが勝ったからうちらのお祝いをしたまでで、日本選手たちのことまで考えていられません」



ゲームセット終了直後。多村が空振り三振に倒れると、マウンド上では、韓国チームが歓喜の輪を作る。イチローはそのとき、グラウンドから顔をそらし、ダッグアウトの壁に向かって、叫んだ。



イチローの咆哮「FUCK!(クソッタレ!)」
こみ上げる感情を抑えきれなかったイチローは韓国ナインがビクトリーランを始めた瞬間、グラウンドに背を向けた。「F××K!」。放送禁止用語はベンチにむなしく響いた。

それでも、ダッグアウトから韓国チームのビクトリーラン、翻る太極旗を目に焼き付けた。「不愉快」と思いながらも……。


沈んだ表情の王監督、手前は先発した渡辺俊

イチローは敗戦後、韓国チームのビクトリーランを最後までダッグアウトで見届けていた。クラブハウスから険しい表情で出てくると、コメントを待つ記者団に囲まれ
「僕の野球人生の中で、もっとも屈辱的な日です」



「僕の野球人生でもっとも屈辱的な日ですね。ビクトリーラン?不愉快でした。(気持ちの整理に)時間がかかるかもしれない…」

格下と見られた韓国に、なぜ勝てないのか。
王貞治監督は、「相手の執念が上回った」と言ったが、イチローにはその差を言葉にできない。
韓国にあって、日本にないものは?――イチローはそう問われたが、「何でしょうねえ」と言ったきり、しばらく視線をさまよわせる。そこで、15秒の間。やがて出てきた言葉は、「それがあると思えない」だった。

 しかし、わずかではあるが、王JAPANにはまだ希望は残っている。明日、米国が2失点以上(8回2/3)を喫して敗れれば、日本が準決勝に駒を進める。そうなれば、三度、日本は韓国と対戦することになる。


準決勝進出は厳しい状況に「あした、吉報を待ちたい」と王監督。

明日のアメリカvs.メキシコ。王JAPANの最後の運が試される。


韓国6連勝 ビールかけも

【韓国2-1日本】1次リーグから破竹の6連勝で準決勝進出。韓国ナインはグラウンドで喜びを爆発させた。韓国人ファンで埋まったスタンドの大声援に応えてウイニングラン。第1戦に先発した徐在応(ソ・ジェウン)は太極旗2本をマウンドの土に立てかけた。米国を破り、そして宿敵・日本を再び沈めた。ロッカールームではビールをかけ合い、歓喜に酔いしれた。8回に殊勲打を放った李鍾範(イ・ジョンボム)は98年から中日に4年間在籍。「失うものは何もないと思って、思い切り振った」。出場機会に恵まれず01年の開幕後2カ月で退団。韓国球界へ戻った35歳の主将は「(苦しかった)日本での思い出もよぎった」と目頭を熱くした。

≪大統領も祝電≫韓国メディアは「完ぺきな勝利」「韓国野球の新たな歴史」と喜びを伝え、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領も選手に祝電を打ち健闘を称えた。同大統領は金寅植監督に電話をかけ「韓日戦の勝利と準決勝進出おめでとう。残りの試合も最善を尽くしてほしい」と伝えた。韓国では平日の午後の試合中継にもかかわらず、街頭テレビに人だかりができるほどの熱狂ぶり。また、代表ナインの兵役免除に関し、与党ウリ党と尹光雄(ユン・グァンウン)国防長官が国会内で協議会を開き「兵役特例を検討する」と発表した。


韓国に連敗 イチロー「最大の屈辱」

 2月21日。代表合宿初日に「向こう30年、日本に勝てないと思わせるぐらいやっつけたい」と発言。韓国国内で物議を醸したが、アジア野球をリードしている自負があったからこそだった。イチローはそう信じていた。そして王ジャパンを引っ張ってきた。それが東京に続きアナハイムでも韓国に敗れた。スタンドには「30年もいらないじゃないか。10日あれば十分」のプラカードも掲げられていた。日本野球の“アジアNo・1”のプライドはズタズタにされた。「韓国と比較して日本に足りないもの」の質問には10秒以上たって「それがあるとは思えない」と話すのがやっとだった。

2次リーグ1勝2敗で、自力による準決勝進出は消滅した。16日の米国―メキシコ戦の結果にかすかな望みを懸けて、日本代表は失意のまま準決勝の舞台となるサンディエゴに向かう。

「僕たちにできることはない。野球人生でプラスになるかは今は分からない…」とイチロー。JAPANを背負い、世界一奪取を掲げて戦ってきた。王ジャパン、そして日本球界が受けたダメージは計り知れない。

≪藤川 直球勝負も…≫藤川が1球に泣いた。0―0の8回1死二、三塁。李鍾範(イ・ジョンボム)にオール直球勝負を挑んだが、4球目は内角に構える里崎のミットより真ん中へ。左中間突破の2点二塁打となった。「厳しい場面は僕の仕事だけど、いい結果を出せなかった。国を代表して来たのに申し訳なかった」と米国戦のサヨナラ劇に続く痛打を悔しがった。それでも王監督は「あそこは藤川しかいなかった。しようがない」とかばっていた。


上原あきらめない!準決勝に照準

望みがある限りあきらめない。上原はあくまで18日の準決勝でマウンドへ上がるつもりだ。
12日は米国相手に5回1失点。75球を投げたためWBC規定で中4日が必要となる。次回の登板機会は中5日となる準決勝。「僕は中5日で18日に投げるつもり。このままじゃ、日本へ帰れませんよ」。歴史的な“ミスジャッジ”で敗れた米国へリベンジを誓っていたが、相手が韓国でも構わない。調整はきっちり準決勝に合わせている。

米国がメキシコに敗れるという吉報を待つチームは16日正午、アナハイムをバスで出発してサンディエゴへ移動。自由練習となっており、それぞれがさまざまな思いを胸に抱いて米国戦を見守る。もし2次リーグ敗退が決まれば17日に帰国の途へ就くが、誰もが「日本へ帰るのはまだ早い」と思っている。



韓国 0 0 0 0 0 0 0 2 0 =2
日本 0 0 0 0 0 0 0 0 1 =1

勝:キム・ビョンヒョン  負:杉内  S:オ・スンファン
韓国: パク・チャンホ、ジョン・ビョンドゥ、キム・ビョンヒョン、ク・デソン、オ・スンファン

日本: 渡辺、杉内、藤川、大塚

本塁打: 西岡2号(日本)



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2 コメント

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こんにちは (abiva)
2006-12-03 23:44:48
はじめまして、
続き楽しみにしています!!
ありがとうございます (菊ちゃん)
2006-12-07 05:49:37
WBCシリーズは製作するのに時間がかかるので勢いがないと更新できません。
楽しみにしていただいて光栄です。
気まぐれ更新ですが、よろしくお願いします。

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