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沖縄に住む残留孤児・残留邦人3人にインタビューしてきました。

2016年02月10日 11時58分52秒 | 取材の周辺


 1月末から2月初めまで沖縄に行き、3人の残留孤児・残留邦人のお話を伺ってきました。「証言(2)」のNo.3さん,No.4さん,No.5さんです。沖縄は桜祭り開催中という事で期待していましたが、コヒカンザクラは紅梅に似た花で華やかさはなく、本部八重山岳桜祭りも今帰仁城桜祭りも名護公園桜祭りも寂しく感じました。満開のソメイヨシノが散りゆく景色を桜の美しさと、無意識に思い込んでいた自分の桜感を認識したのでした。

 No.5さんの疑問に十分にこたえる事ができず、現職の自立指導員に応援を仰ぎました。彼は中国にいる時に、日本人にだけ特別に支給されるべき品を役人がピンハネし自分の手元には何一つ来なかったという経験を持っていました(今までのインタビューで、彼だけでなくけっこう貰ってない人はいたようです)。そんなことも伏線になってか、国民年金が満額支給されるために国が肩代わりして保険庁に支払った支払い決定書に書かれている金額を自分は受け取っていないと主張し、役所がピンハネしたと勘違いしていたのです。また、支援金の額についても、川崎に住む知人と比較し不満を述べていました。生活保護の地域格差基準に準じるため、支援金に差が出る事などの制度そのものの仕組みを理解できていない為に生じた誤解と思われます。

 40代、50代で日本に帰国し、20年、30年と住んでいても、言葉の問題もあり、書類だけ送られてきても、年金の仕組みや地域格差などの制度を理解していないと、このような誤解が生まれてしまうのかも知れません。

 このことから、80年代の帰国者ラッシュの頃の事を思い出しました。中国では都市部と農村部では大きな経済格差があり、中国での農村戸籍を嫌う人が多く、帰国者は出身地の故郷(農村部)に帰るよりも都市部への定住を希望する人が多く、社会問題化していました。もちろんそれ以外の理由、例えば、いったん故郷に定住しても仕事がなくて、やむなく都市部に引っ越す人もおりました。今回の事で、当時の騒動は、生活保護の支払い基準の地域格差が拍車をかけた大きな要因だったかも知れないとあらためて思いました。