ぷ~さん日記

最近おなかがぷ~、仕事もぷ~さんの日記 

退院

2010年09月27日 | 家族のこと
先週水曜に母が退院しました。
今回は約60日間の入院。
今までで一番長かったかな?

年齢や今までの重なるガンの手術で、これが最後か、と子供たちが千葉や広島から家族を連れて「お見舞い」に来ていました。
長男などは、連休を利用して見舞いに着たら、退院

皆が口に出さなくても思ったことは、棺に入って退院か、と一様に覚悟していましたが、無事治癒しての退院に、これまた一様に驚きもし、喜んでいました。

私の時は、孫たちは同じように心配もし、愛してくれるかなぁ

ま、さておき、私も退院に併せて急遽休みを取り、帰宅しました。
母にはご馳走を、と思いましたがあれこれ食べられない、との話に暗澹とした思いでなおも詳しくたずねますと、病理的生理的な食事制限はなく、この半年の2回のガン切除手術でやせたため入れ歯が合わなくなったためとか。

情け無いやら、嬉しいやら、の複雑な思いですが、やはり体力が落ちていますので、歯科医には連れて行けず、月明けには連れて行くよう家内へ話しました。

ま、それでもここ数年の経験で「きざみ食」を知りましたので、少しは母の好物を準備。
長男を交え夕餉の一時を持ち、母も可愛い孫(31歳)との夕食にとても喜んではくれました。


ここで思ったこと。
実は退院指示が出てから退院まで6日間延長しました。

だって翌日に検査、翌々日に検査、と各科の検査が続くのだから、そのまま入院して検査していただくよう病院側へお願いもし、また、そのような横の連絡も無いのか又は考慮していただけないのかと、半ばなじる思いで訴え、退院を延長していただいたのですが、それでも、水曜に退院して金曜にもまたまた検査と、退院当日に看護師長からの話。担当医師は横目で見たきり、無視。
その次の検査は10月6日。

もう、唖然とするばかりです。

ご自分たちはそんなに頻繁に且つ突然に休めるのかしら。
医師が大変な多忙であり患者を多数抱えていることは十分承知していますし、地方都市のがんセンターは多数のベッド空き待ちがいることも承知しています。
でもねぇ、高々検査といっても、付き添う家族にとっても、また本人の気遣いも大変な負担です。
だから入院中に諸検査を、とお願いしてもこの体たらく。

なんだかなぁ。
頼らざるを得ないのだから、仕方ない、と諦めもし、我慢しますが、これじゃあ検査を受けるだけでまたまた健康を害してしまいそう。

ま、愚痴です。

山中ファクタ

2010年09月20日 | ぷ~さん日記
先日見たNHKでのiPS細胞のことでは、中途で「キメラ生物」に触れられていましたが、段々と不安な気持ちにさせられました。

詳しくは、京都大学の山中教授のHPをご覧戴くとして、私なりの勝手な理解では、
皮膚や髪の毛の一部でもいいが、「山中ファクタ」なるものを培養に加えると、遺伝子にかかっていたブロックを外し、始原細胞化するというもの。
それは、自分に欠落した器官や組織などを再生できるということ。一部ガンなどの不治の病に悩んでいる方々や目や耳だけでなく、体の一部を失くした方々へは大変な朗報です。
そしてそれは、異種動物=例えば馬や豚と人間の遺伝子を組み合わせることが可能となり、異種組み合わせ生物=キメラを生み出すことが出来る、だけでなく、基になる人間の卵子や精子を作ることが出来ることを意味するのですね。
ということは、生体の「子宮」と代替できるもので産業的に作れば、完全なコピー人間を生み出すことも可能になるわけです。
もちろん、実験段階ですので、そもそもブロックをかけて無限に再生できない理由がどこかにあるはずですから、簡単にはコピーを出来ることは無いでしょうが、経験値を無視すれば全く同一の「自分」を、しかも本人が知らないまま作ることが出来るわけです。

も一つ、番組では触れていませんでいたが、拒絶反応の無い臓器移植用人間を何体も作ることが出来るわけですから、こりゃあもう、その別体の「人格」や「人生」を無視すれば、何から何まで部品取り可能なスペア人間を無限に作ることが出来る、ことになりますね。
これって、以前流行ったSFホラー映画の世界、そのままです。

二つの恐怖。
実は「自分」は別に「本人」がいて、この「私」は部品取り用のスペアであった。
そして、同じ「部品取り用」が大勢いるのだが、それぞれが別の人生を歩んでいて、それぞれが「本人」と信じていること。
人格を持たないよう絶妙の配分で、人間や各種動物(哺乳類以外でもいいのかなぁ?)とのキメラを作り、それを産業用やその他に私では考えつかないような使い方をしていたりして。
例えば、水中呼吸が出来、冬眠が出来、持久力が大変強く、しかも「自我」が無い。つまり、長期宇宙計画などの実験用や産業の下支えをするような「使い捨て人間」を大量に作ることが出来る。
そして、それは、モルモットやマウスのように実験用として、実は既に活動している、としたら?

う~ん。
私のように科学的薬学的知識がなくても、簡単に思いつくことが出来るのが怖い。
開発した、京都大学の山中教授には申し訳無いのですが、「再生医療」を目指したとは言っていても、その将来は決して明るいだけ、とは思えないのです。
番組中で触れていたように、もう世界中の大学や医療研究機関で実際に使われ始めている、ということはまさしくパンドラの箱を開けてしまったのかもしれません。

でも、こうやって考え、悩んだり歓喜したりしている事(=人生と思っていること)はプログラムされてみている「夢」だとすると、もう、星新一の世界です。

クレーマー

2010年09月16日 | ホテル旅館
先日のエントリの中で「悪貨は良貨を駆逐する」と書きましたが、低価格層は性質が悪く、一定の額以上で宿泊する層は性質が良い、との意味で私は使っています。

「悪貨」→利益につながらない
「良貨」→利益に大変貢献してくれる

ここでいう「利益」は金銭的価値ばかりでなく、自分をモチベートしてくれる、という意味もあります、当然。

このホテル旅館業だけではありませんが、自分に都合の良い顧客だけを相手に商売できる、なんてあるはずもありません。
当然、嫌な客や都合の悪い客をも取り込んでいくわけですから、その対応や対策をしっかり押さえておかなければならないのは、これはもう、一定の社会人経験を積めば誰でも判りますね。

どうしても合わない嫌な上司や同僚、使えない部下や、性が合わないけど多少の売上げには貢献している顧客e.t.c。
それらをすべて排除できる、なんてあるはずもなく、またそれを望むことは稚拙な考えであり児戯に等しいと思います、

じゃ、「性質が悪い」って私にとってどんな意味でしょう、なんて疑問に思いました。

先日はバイキングでの食事マナーについて書きました。
そりゃぁもう、ひどいもんです。
他にも、お着きになった際やお帰りの際の挨拶にも、ほぼ全く返ってきません。それどころか、無視。
挨拶したりお声を掛けた自分の顔がこわばることもしばしばです。
ご自分の気に入らないことや、ご予約時やご到着時の説明をほとんど聞かずに期待と違った場合には「キレる」ことが多く、対応している間にもどんどん激昂するケースがほとんど。
しかも、その「キレる」時は、聞こえよがしに他のお客様が傍にいる時。

ちなみに、中間管理職(部門支配人)になると一番多く教育しなければならないのが「クレーム対応」です。
これが難しい。
どうして?
クレームそのものは一応類型化して分類は出来ます。
だから、それぞれに応じて一応の定型化した対応フォームを作ればそれでよし、
なんて訳には行きません。クレーム発生時の状況や人的(立場を含めた)関係、その方の性質や対応する人間の経験、果ては人生観まで関わってきますから、その対応は一つとして同じ事なんて有り得ないのです。

現実には、定型化しなければ話になりませんから、実際に発生するその「落差」は対応者が一人で抱え込んで心の負担=強いストレスになる、クッション材になる(ように仕向ける)訳です。

ここでトレーナーは心に「とげ」が生まれる。嫌なもんです。


話は戻って、先程の「性質の悪い客」について、簡単に言えば、文句が多く、それを他のお客様へ伝播させ良質なお客様やリピータに対し施設への悪感情を芽生えさせる。終いには離れさせていく。
にも関わらず、そんなに嫌なら二度と来なければよいのに、繰り返し来る。
一生懸命対応したから気分がいい、なんて理由で。

問題は都合のいいお客様=良貨を駆逐しながらそのような来て欲しく無い客=悪貨がじわじわと増え続けることです。

で、対策はどうしましょ。

色々有ります。一応。

でも、私が考える対策は一つ。
フィルターをかけること。
来ないように。
なおかつ売上や利益は落としたくない。

宿泊単価を上げることです。
プランや販売価格、といった意味です。
そして受け入れ時には最上の接遇をすることでそのような客層を居心地悪くさせる。
もちろん、そこに悪意があってはダメです。だって、「良い」客層までブロックすることにもなりかねません。

もう前々職になりますが、ホテルグループに居たとき、今はもう退職したあるグループ内ホテルの若いレストランマネージャーの持論。
「このホテルの前には毎日数十万人が通ります。もっと多いかもしれません。しかし、そのすべての方を取り込むことはスペース的にも、絶対無理です。だから、自分のカラーを理解する方々だけに来ていただければそれでいいのです。その方々に絶対の満足を得ていただけるように自分は努力しています。」

う~ん。と唸りました。ある意味、正論ですし、私にとっては目からうろこの気持ちでした。

とにかく、これだけで、売価や附帯サービスに惹かれてくる客のほとんどをブロックできます。但し、ここにも大きな障壁が。

売価決定者=経営トップやオーナーの深い洞察と理解と信頼がなければなりません。
これが最大の「敵」かな?

執行責任者などの上昇志向を持つ人間や、オーナーなどにはそのような決意と柔軟な理解力が乏しいことも多いですからね。

ここまで書いてきてふと思ったこと。
自分はこの会社=ホテル旅館にとって「悪貨」なのか、「良貨」なのかどちらなんだろう。
今まで生意気なこと言ってきましたが、実際はどうだったのだろう。


ところで、今日のタイトルとどう関係が有る?

有りません。

書き置きしている時に適当にタイトルを付けちゃったから。
スチャラカなんです、私。

草津温泉

2010年09月15日 | 季節
昨日は久しぶりのフル休日。
連日の寝不足と疲れきった体。
空は快晴。
思い切ってゴロゴロの一日と定め、溜まっていた洗濯物をやっつけました。

が、あまりの良い天気とさわやかな気温に、出かけたくなり、以前から気になっていました新築旅館を見に行く気になりました。

群馬県は草津温泉です。

約60室規模で全客室には露天風呂付で、館内にはそれなりに長時間滞在を促すような施設のキャッチフレーズ。
料金もそこそこ。
4月まで私が支配人を拝命していた旅館とコンセプトは似ています。

この施設は偶然にも、今春に北関東の老舗温泉地での新規旅館計画のために私が提案したコンセプトにかなり似ていたこともあり、随分気になっていたのです。

まぁ、この業界人であったら「今」の時流でこれなら売れるんだろうな、と誰もが思うような内容ですから、自慢にはなりません。
それに、私の提案では、もっと「売り」があります。
だから、ちょっと気になる程度なのかな。
それでもこのようなご時世と、草津温泉という割と地価が高い場所への進出ですから、どのような場所とどのような施設や外観、排他的な当地でのどのような露出かな、などと楽しみでした。

も一つ。
草津は私が20才のスキーの時と26才の職場旅行の時に行ったきりですからどのように変貌しているのか、衰退しているのか隆盛しているのか気になったこと。
最後に行ってからでも30年以上経過しています。

一言。
遠いなぁ。こんなに遠かったかなぁ。
関越の主要高速ICからはいずれも1時間半。それもノンストップで。
真田幸村で有名な上田や、軽井沢からなら1時間位?

私は関越道を通って行きましたから、沼田ICより八ツ場ダム建設予定地を抜け、さしたる景観の無い単調な道です。

「日本ロマンチック街道」なんて、名付けセンスの無い道。しかも、何にも無い。古城や古い町並みもなく、何でこんな名前を付けたんだろう。


温泉街の中心、「湯畑「はこんなに小さかったっけなぁ?
外国語を話す日本人老人会風であふれていました。
小ぶりの高そうな旅館はそれなりにお客様は入っていたようですが、中規模以上のホテル旅館は、なんだかなぁ、休んでいるのかつぶれたのか。
温泉街の飲食店はそれなりに賑わってはいましたが、9月の平日ですから結構頑張っているのかも。

思い出のリゾートホテルは、これはまあ昨年倒産し民事再生中ですから、数十年ぶりに出会った初恋の人のよう。
見なければ良かった。

で、目的の旅館。
あえて調べずに行きましたから当然ですが、それでもどこのお店や観光案内に尋ねても分からない風で調べられません。
施設名すらきちんと覚えないまま来たのですから仕方が無いとしても、案内看板や、目印が無い!!!
うろうろしているうちに、遅く出たものですから夕方に。

結局、あきらめ、せっかく来た天下の名湯ですから日帰り温泉へ。

大滝の湯。
接遇はとんでもなくダメだし、施設保全もうまくない。露天風呂は純粋な掛け流しをやり続けているから、青子が繁殖して岩肌はコケだらけ、おいおい湯抜き掃除くらいやれよ。
けど、いい湯でした。総合的にはこんなもんかな。800円は仕方ないか。
同じ硫黄泉なのに、那須や蔵王、自宅近くの月岡温泉や咲花温泉とは匂いこそ似ていますが、湯当たりや肌触りが全く違います。私好みです。
大露天風呂の「西の河原」も行けばよかったかな?

秋風が通って、青空とあいまってか、大変気持ちの良い温泉でした。おかげで湯上り処のデッキチェアでは丸裸のまま15分くらい爆睡。


結局今日書きたかったことは何も出来ず、何時間もかけて往復した日帰り温泉の感想だけ。それもありきたり。

行きの道路では、路面が「サウンドロード」とかでメロディータイヤ音が。
~草津よいとぉこぉ、一度ぉはぁおいでぇ、どっこいしょ、どっこいしょ~
無邪気に笑っちゃいました。


こんな一日もいいなぁ。

胃カメラ

2010年09月13日 | ぷ~さん日記
胃カメラ、って知ってますよね?
私は、30才台中頃より「十二指腸潰瘍」と長いお付き合いで、腰を突き抜けるような激しい痛みや、吐血のたびに胃カメラを飲んでいました。

当時はタバコ位の太さだったかな。
それでも、以前より細くなって使いやすくなった、と当時お付き合いが有った大学医学部を教授から独立しました先生に言われましたが、それでも口の中を麻痺させる薬を含んでから飲み込むのは、結構嫌なものでした。

あ、病状は現在は「潰瘍痕」になっており、前職の解体と全員解雇後は、安定しており、痛みすら全くありません。
また、3年前の検診時に胃がんを疑われた際には、精密な検査でもきれいなものでした。
→、この件はいずれまた。結構笑える事情で胃がんを疑われました。


で、今日なぜこんなことを書くかといいますと、胃カメラには別の使い方があることを知ったから。

昨夜家内から電話が。

母の術後回復は遅れながらも、それなりに回復が進んでいるのですが、施術部の十二指腸を取って残った胃と小腸をつないだ部分がだいぶ狭くなっているとか。
そりゃあそうだと思います。
だって、あんまり食べない。
今回のガン手術では十二指腸とすい臓・胆のうを切除し、昔胃がんで2/3取って小さくなっている胃袋と、小腸を直接結んだのですし、当然細いところは摂食することで機能を持つことになるわけです。
にもかかわらず、あまり食べないから細いまま。

そこで、胃カメラの登場。

検査?と思いきや、違うんです。

胃カメラを通すことで腸内を拡げるんですって。

何とかはさみは使いよう、といいますが、こんな使い方があったのだな、と妙に感心した次第。

起業のもやもや

2010年09月10日 | ホテル旅館
先日「近況」の中で、あるオーナーから言われた「起業」について、どうにももやもやしているため、ちょっとまとめてみる気になりました。

(おいおい、そんな気を起こしているんじゃないだろうなぁ)

すっきりしたいんですね。

まず、「起業」といっても、会社を興すだけなら、そんなに難しくは無いでしょう。
特に、10数年前に会社法の改正から株式会社を設立することは資本金を含めて大変簡単になったようです。
本当の意味で設立を手がけたことはありませんから、すべて「~でしょう」になるのは致し方ありません。

最初に設立資金が必要です。
次に定められた取締役、5人かな?とにかく必要です。
こんな手続き上のことは行政書士や司法書士の先生と相談すればすぐに整います。
もっとケチるなら、登記にかかる官庁へ幾度も幾度も足を運ぶだけでいいですし、金融機関へ足繁く通って教えてもらうことも、有り、です。


問題は、「何」を目的にするか。

私が起業する場合は、「旅館・ホテルの運営」「飲食店の運営」「日帰り温泉の運営」「その他一切にかかる業務」かな?
ま、設立にかかる目的ですから、もう少し膨らましてもいいのかもしれませんが、初めの一歩ですから、こんなもんです。

資金を持っているわけではありませんから、そのほとんどを金融機関からの借り入れで賄わなければなりません。

とすると、金融機関借り入れに際しての詳細で緻密な設立趣旨と運営計画、経営計画書が必要になります。
初年度売上げ計画、短期売上げ計画、中期売上げ計画程度は必要ですし、初期投資の内容と、返済計画は絶対条件です。
なんと言っても、昨今の状況から、審査は大変厳しくなっています。
特に実績が無い人間には、です。

もっとも、物件を持っているが、運営は種々事情でできない、との理由で運営者を求めているオーナーさんも多数居るのですから、そんな出資者または賃貸者を探し出すのも、一つの手、ですね。

同時に、物件探しが必要です。


先述しました、企画書の詳細が必要になります。

その目的やターゲット、予想される資金繰り=キャッシュフロー、レベニュ・アセット、それらで開業する地域や規模、業態などが決まります。

必然的に、毎月使える経費の枠が決まりますから、人員計画や販売計画、それに先立って開業計画に基づいた、投入資金が決まります。

物件が決まらなければ、借り入れ申し込みは出来ません。
ほとんどがその物件に第一抵当権を設定しますから、素人目にもある程度納得が行く物件でなければ、借り入れは難しいでしょうね。

事業計画に基づいて、数年後にはどうしたいのか、が明確に判る物件でないと私だって納得できません。

物件が決まったとしましょう。
そして幾度かの審査の後、借り入れ目処が立ったら、次に人員配置計画=採用のスタートです。
当然、「賃金相場」なんてのがありますが、そこは今までの経験からわかっていますし、ハローワークや人材紹介会社の募集要項を見れば、誰だってわかります。

「とにかく急ぐ」となったら、地元の人材紹介会社や派遣会社とコンタクトすることも正解です。

同時進行で、探し出した物件の、「自分流改装・改造」が必要ですので、建設関係や温泉関係各社の選定と申し込み、契約・打合せを行います。
これが時間がかかる。
「夢」や「希望」と現実に用意できる資金に、大概は大きな「差」が有ります。だから、「落し所」を決めます。

内装や新規設備、販促・宣材、事務機や食器などの消耗品、特に配管関係や防災・厨房設備関係は、中古物件では大変不備が多く、だから前オーナーが手放すケースがほとんどです。
これらのチェックと、「どこまで」「いくらまで」補修するか、補充・新規購入するかの落し所が大変気苦労な作業です。

これまた同時進行で、所轄官庁やNTT・NHK、その他インフラ関係への申し込みと契約が行われます。
温泉を使うなら、地元組合への申し込みと了承も必要です。加盟、もかな?無くってもいいけど。
そうそう、地デジ化に伴って、対応テレビの購入が必須になります。なんといっても、中古物件ではアナログテレビがほぼ全部ですから。
テレビの無い旅館ホテルは考えられないなぁ。


とにかく、一つ一つの作業シートを作り、「落ち」が絶対無いようにしなければなりません。
ま、もぐり、での経営もあるとは思いますが。

そこでようやく開業時期が決まります。もちろん、計画上の開業時期は決まっていますが、現実にはそのようなスケジュールで進んではくれませんし、許認可が大幅に遅れることも多いです。
コンパニオンや芸妓を入れるような施設を考えた場合、所轄への風営許可申請が必要になりますが、これまた難しい。
作業や書類は簡単なんですが、地域での実績が無い人間が申請しても、所轄では暴力団関係とのつながりや前科前歴を調べなければなりませんし、その他諸々で、半年以上はかかります。へたすりゃ、出ない。
大変だったなぁ、あの頃は。

開業時期が決まりますと、いよいよ本番です。

工事や納入納品の立会いはもとより、順調には進んでくれない人員採用にあせりますし、売上=現金収入が無い時期の採用ですから、その費用には慎重にならざるを得ません。
そして人事教育。
これはお手の物でしょう、って?
とんでもない。
今まで開業で順調だったことは一度もありません。
まして少ない資金で開業するのですから、どんなに早くても開業3週間前かな、採用は。
調理部門のメニュー決定も結構時間がかかります。
接遇のマニュアル化は、これはお手の物ですが、実施には、「エイや!」の割りきりが必要です。
とにかく、走りながら考え、訂正を行ったことが全てでした。
雇われ人の頃は、一ヶ月前以前に採用して、社員教育していましたが、実際に自分が資金を出すことを考えますと、そんな悠長なことは出来ないのが現実です。

宣伝販売関係では、どうなんでしょう、規模にもよりますが、私程度が用意できる資金では専任を置く事は出来ないでしょうから、もっぱらWeb販売かな?

だとするとホームページ作りも大変重要なファクタです。
これも、長年やっていましたから、概算費用ややるべきことは判っています。

事前予約販売期間は最低3ヶ月は欲しいですね。

自分の中での幾度ものシミュレート、採用後の短期間での幾度ものシミュレートから、計画の欠落や瑕疵が見えてきます。
そこで補正作業。
再度のシミュレート。これの繰り返し。

この間の精神的な健康を守ることも、実は重要な作業です。

前職でのオーナーはこの点で精神に故障を起こしていましたから、私みたいな者や有意な方から見捨てられる。
だから事業に行き詰る。
ご本人はそれに気付いていない、という悲しい現実を見ていました。


で、オープン。

めでたくないんです。これが。

必ず機器や設備の故障が出てくる。
オペレーションの不備が露呈する。
事故だって起こる可能性も大きい。
その対応に追われて、短期的には大きな赤字になる事も予想される。
ここで耐えられるかどうかが、存続の要です。

で、肝心なことは、今まで開業起業できない人はこのあたりで頓挫するのですね。
実は、そのようなリスクや危険を背負っても「起こす!」という強い決意と思い切りが必要なんです。
当然、家族への説得と理解、無視が必要です。
出来るかな?



長いなぁ。
続きは後日にしよう。

近況

2010年09月09日 | ぷ~さん日記
再来月には4人目の孫が生まれる予定

上の孫は来年小学生、ランドセルはどうするのかなぁ
母方のじいじばあばが用意するのが普通らしいけど
入学式には、じいじばあばも行きたいなぁ

二番目の孫は順調に成長中
娘の幼少時にそっくりでなんだか泣けてくる

三番目の孫も、ま、順調
なかなか会えないのがとても辛い

母は今年二回目のガン手術を一ヶ月前に実施
6年前の胃がん、昨年4月の子宮頸がん、
今年4月の大腸がん、今回の??乳頭がんですい臓の一部や胆のうと十二指腸・大腸の一部を切除、
全部転移無しの独立的発症
回復は少し遅れ気味ではあるが、
自立歩行も出来るようになり、ようやく普通食になったとか
83才でよく体力があるもんだ

家内には頭が下がります

7月の親戚結婚式に久しぶりに家族全員集合
その翌日にはわがファミリ全員で水族館へ。
めっちゃ楽しかったなぁ

長男はお見合い後、たった一ヶ月で交際解消していた
ハードルを上げ過ぎじゃないかい?

次男夫婦は、少し中だるみと見た
嫁さんに甘えてるんじゃないか?
あんなにいいお嬢さんはそう居ないぞ

娘夫婦は婿殿の来年のアメリカ留学に向けて着々準備中
「だんなさまの人生にどこまでもついて行くよ」だなんて、
泣かせやがる


旅館再生の夢を捨て切れなかった私の現況は
ロシナンテすら失ったドンキホーテのよう

かなりめげているか、といえばそうではなく、
すべてが今は判然としていない目標に向けての必然が現状であるかのような気がし始めている

もやっとした「夢」はあるのだが、
あまりに遠いような気がして、「夢」は「夢」で終わりそう

春先に関東北部の老舗温泉地で新型旅館の新規立ち上げと高級ペンションへの業態変更の相談を受けて、私なりに現地調査し、企画書(但し無料の範囲で)を渡すが、今後は交通費などの実費を請求する、と言ったとたんにナシのつぶて
その時に言われた言葉が妙に気にかかる
「そこまでの知識と経験と実績がありながら、どうして(ぷ~さんは)自分で起業しないのですか?」


今までサラリーマンとして30数年間過ごし、
複数のオーナーの下で仕事していて、
考えたことも無かったから。

品性

2010年09月07日 | ホテル旅館
品性、ってなんでしょう。

よく、あの人は「品」がある、とか、
「下品なことはおやめなさい」とか、
「品が無いなぁ」とか言いますよね?
今は言わないか。

諸説あるのだとは思いますが、私の理解する「品性」とは人間らしい行いや、他人に対する思いやり、だと思うのです。
もっと言えば、人間と「野生」を分けるものだとも思っています。

ここしばらくの「お笑い」を見ても、他人に対する「突っ込み」は、その方の劣るところや変わったところを面白おかしくあげつらっていますが、あれは「品が無い」と思っています。

電車や新幹線の中で化粧する。
お店で「パウダールーム」があるにもかかわらず客席で化粧する、
自分の趣味や好みに合わないからといって、他の方に聞こえよがしにそのお料理や店内装飾、その他を大きな声であげつらう。

街頭でもどこでも、さかりがついた犬猫のようにじゃれあう若いカップルだけじゃない、中年カップル。
仲がいいこと、と性欲に突き動かされていることとは違いますよね。


「品の無いこと」を思いつくまま書いて見ました。


中年から老年になりかかる(?)最近の私は「品性」をとても意識し、感じるようになりました。


もう一つ、この旅館業にどっぷりとはまってからその関連性に気付いたこと。
晩生なんです、私は。

例えば「悪貨は良貨を駆逐する」。
低料金層はリピータにならない。
低料金層ほどクレームを付け、悪質化している。



現職は倒産旅館再生中ということから、請け負った社長は資金繰りの安定と売上げ確保のため、ひたすら稼動を求めています。
つまり、簡単な方法としては値段を下げてとにかく入れ込む、という方法です。色々な附帯サービスをつける。などなど。

も一つ言えば、「○○放題」をうたっています。

するとどういうことになるか。

とてもおぞましい光景を毎日見ることとなります。

例えば「バイキング」。
ご存知のように、=食べ放題、の意味に使うことがほとんどですよね。

今までも、朝夕のバイキングはいくつかのホテル旅館で経験をしましたし、中華レストランでも週末バイキングを企画して、それなりに好評を得、儲けさせていただきました。

ところが、低料金でかき集めますと、その客層はがらりと変わって、「品性」がなくなります。

マナーを知らない、なんてのは好感を持てます。

それ以前なんですね。
食べきれないほど山盛りにする、→微笑ましいです。なんといっても、調理人は限られた原価の中で好評を得ようと頑張っていますから、とても美味しそうに見えるし、品数だって50数種類以上をそろえますから、ヘンゼルとグレーテルの世界です。
ついつい、取り過ぎてしまう。
わかります。
30㎝足らずのお皿にローストビーフとお寿司と前菜と煮物と揚げ物とシチューとサラダを盛り、そこに色々なソースやドレッシングソースをかける。漬物を数種載せる。ついでにスィーツ数種まで。

ま、これもぎりぎり、許せるのではないでしょうか。
なんと言っても、そのような低料金に喰い付く層ですから、きっと普段はつましく過ごしているのでしょう。仕方無いのかな。
もっとも、見た目は残飯そのものですし、臭いだってゴミ箱の臭いです。人間の食べ物ではなくなってしまいます。
だから、大量に残す。
ま、お菓子の家に飛び込んだ幼子並だと思えば、何となく、理解は出来ます。

品性、を疑うのはその先。

料理台の側でおもむろに食べ始めます。
手づかみで味見する、なんてもう驚きません。

「席にお着き下さい。お食事やお飲物はお席でお願いします」とお願いしますと、逆切れ。

飲物台からジュースや冷水、お茶などを提供していますが、そこでも立ち飲み。


あ、何もお子様や若い方のことを言っているのではありませんよ。
そのようなことは織り込み済み。
立派な中年や老年の方まで恥ずかしげもなくやります。

もう一つ。

料金が違えば附帯するサービスは変わります。当然ですよね?
多い例では、料理が違う、部屋タイプ(又は広さ)が違う、眺望が違う、なんてとこかな。
ウェルカムドリンクやウェルカムフルーツ、浴衣、新聞サービス。
ま、運営者によって色々考えがあるでしょうが、とにかく基本は料金が変われば提供するものが変わります。

これが通じない。低料金に喰い付く人たちには。
内容や待遇が違う、といっては激昂し激しくクレームを付ける。


今年に入って現職の役員から接遇や料飲の建て直しがどうしてもうまくいかない、との強いお誘いがあって着任しましたが、その理由は判っていました。

スタッフにお客様を敬愛する心が無いのです。当然、おもてなしの心がありません。
だから接遇が悪い。

でも、しっかり入り込んで現場を見ていますと、その原因がわかりました。
お客様をバカにしているだけでなく、嫌っているのです。

この旅館へ再生のために送り込まれた社長は、「会社の維持は資金繰りに尽きる」と割り切った方です。
そのため、月々の現金資金繰り維持のために次々と低料金化していきました。もちろん、現場の判断を追認する形ではありますが。

いろいろとスタッフたちに聞きますと、加速度的に客層の変化が現れているとの事。
本日表題に「品性」が全く無いお客様がまるで悪性腫瘍のように急増し、従前のお客様が駆逐されている、そんな状況の真っ只中に私が着任したのですね。


30数年の業界歴でも、ここで初めての経験です。

今まではお客様から「元気」と「やる気」を貰っていました。

いまでは、憎しみや軽蔑さえ感じています。
私にもともと無かった品性が、絶滅しているかのようです。