現在の職場は敷地こそ3000坪と結構広いのですが部屋数が10数室と少ないため、総勢30名弱で切り盛りしています。
チェックアウトは11時ですが、まぁ、ほとんどの方は11時を過ぎるまでのんびりしていただいています。
チェックインは公称はありますが、何とか1時間前にはお部屋にはいれるよう仕上げています。
それなので、通常のホテル旅館より設営やメンテナンス、清掃の方の比重を多くしています。
さて、「経費節減」とか「経営再建」とか言いますと、人にもよるとは思いますが大方の責任者は人件費に目を向けます。
一般的に、ですが、この業界は原材料費で約20~24%、人件費で30%といわれるくらい、原価管理と人件費管理が運営や資金繰りの要となります。
それくらい全費用の中で目立つのが人件費で、たとえば一般社員一人を減ずる(クビにする)だけで平均的に年間500万円くらいの削減となります。
ちなみに電気代や水道代をその額だけ節減しようと思ったら劇的な発想の変換が必要ですし、現実的ではないでしょう。
結局目をつけやすいのが人件費。
特に、ホテル旅館はある意味「施設産業」ですから、そちらの保全や投資を怠るとてきめんに売上に反映されます。
ここで大間違い。
同じように、経済三原則は「人」「物」「金」といいますが、この業界では「施設」「人材」「資金繰り」が三原則(ぷ~理論)です。
で、一番着手しやすく目に見えて効果がある人件費削減=単価の引き下げよりも人数減に目が行き、結局「効率化」の名目の基に人員削減したくなります。
勿論、余剰人員や無計画な採用によるだぶつきは許されません。
そこで、減員する基準ですが、簡単に言えば、ピーク時に何らかのアクシデントでスタッフが休んだりして足りなくなっても、不思議なことに、これが何とかなるんですね。その場は。
そうすると、ややもすればそれが「基準」となってしまいます。
しかし、基準配置人員はピークの60%から70%を見て配置していますし、その理由として求めるサービスの質とボリュームに起因しています。
で、欠員が出ますと、これがそれぞれのスタッフが緊急避難的に頑張るんですね。お互い様ですから。
でもそれは施設の勝手な理由。
お客様には細かなところで不足が生じます。「クレーム」にならない程度ですが。
そこで問題点。
その「細かな不満足」、がボディブローのように集客や売上に響いてきます。
ま、料金と提供できるサービスの兼ね合いですけどね。
それにしてもお客様はより高いより良いサービスの提供を求めてきます。お支払いになる料金はすっかり忘れて。
達せず満足できないレベルが高じれば他館へ流れます。
これが悩ましい。
何で今日こんなことを?
実は今日大幅な欠員が出たんです。
健康の問題、家庭の問題。
で、私がずいぶん久しぶりに現場を担当することになりました。
ここでもう一つの問題。
なんだ、不足したなんていっても出来るじゃない。
なんて考える経営者が必ずいます。
そりゃあそうですよね。
出来ちゃうんだから。
でも、それは本来やらなければならない業務を放り出して初めて可能な世界。
つまり、支配人業務を放棄しなければならないんです。
これは一般スタッフについてもいえます。
適正配置を行い、売上や利益を考慮して業務を考え配置しているわけですから本来余剰人員はいません。
なのに、短絡的にやれば出来る、ではそれらの仕事=お客様のご満足をないがしろにしなければなりません。
だから、人員配置は大事なのです。この業界では「生命線」といっても良いでしょう。
ふ~。長くなった
。