ローカル新聞の一面に、ジュゴン「生息の証拠」伊良部島海域で確認、
海藻藻場のフンからDNA検出の見出し。伊良部島佐和田で確認されたジュゴンの
ものと思われる食み跡が発見された。
絶滅が危惧されているジュゴンのDNAが伊良部島の佐和田の藻場で採取された
フンから検出されたそうだ。
ジュゴンは海牛類に分類される哺乳類で、ゾウの祖先から別れて誕生した動物だという。
動物園でおなじみのマナティーはジュゴンの親類である。
体長は2〜3m 体重は200キロ〜500キロとかなり大型であるが臆病なやさしい性格
だといわれている。世界でも限られた浅い海に生息していて沖縄が北限である。
海岸近くのアマモを食べていて海藻の根元を掘り起こして特有のハミ後を残す。
今回発見されたのもこの特有のハミ後である。沖縄では古くからザンノイユと呼ばれ、
その干し肉は琉球王朝時代に中国や徳川幕府に送られる高貴薬であった。
産前産後の妊婦の栄養補給に効果があるとされ、その需要は大きく生産が
間に合わないという記録が残っている。
現在は絶滅が心配されるほどの資源状況であるが、琉球王朝時代には、
八重山の新城島が網でジュゴンを捕獲し、王府に税として納める状況が
見られた。
昭和の時代まで、宮古島の与那覇湾には生息していたそうだ。
オバァは当時のクジラ工場でジュゴンが解体されているのを
よく見たという。古い文献には不老長寿の薬と書かれているものもある。