小学生のときは、学校で方言を話すと
「方言札」というのを首からぶらさげられたそうだ。
宮古島の方言は集落によって発音、
アクセントが違い単語そのものが違うこともある。
大げさな話、道路を挟んだ東の集落と西の集落では
方言が異なることもある。
その昔、一揆を恐れた支配者側が集落の交流を
妨げたからともいわれている。
セリで困ったのが魚の名前で、たとえば
アオブダイという魚がいる。
アオブダイが正式名称であるが、アオブダイでは通じない。
グドンバツ、アオバツ、ゲンノーバツ、
ゲンノーイラブチャ。
一つの魚にこれだけの名前があっては、セリで、
なんの魚が1キロ800円なのかわからない。
セリが行えないので糸満方言で統一することになった。
沖縄の魚図鑑の中には方言名の書かれているものも
あるが、そこには池間方言、久松方言、糸満方言と
書かれてある。
潜り漁で乗っていた船には、別々の集落の人が乗っている。
そのときは一応、方言の中でも標準語ぽいものがあって、
意思疎通をはかっていた。その方言も今や市内では
話す人もなく、方言を知らない人の方が多い。
宮古の事を「ミャーク」美しい「アパラギ」
よく使われる方言なら島の子供たちも
知っているが「アパラギ」も逆は?つまり不細工は?「ンズギ」という。
おそらく知らない人の方が多い。
土を「ンタ」芋を「ンー」大根を「ウプニ」ニンジンを「ツダイ」
身近な身の回りにあるものを方言で解釈できなくなっている。
方言を残そうと運動もあるが、次の世代で絶滅するだろう。
