暖かくなってきて、毎日歩く散歩道にも賑やかに花が咲き始めた。
ブーゲンビレアやハイビスカスは暖かくなって元気を取り戻し
葉っぱも青々としている。セイロンベンケイやランタナ、
ダミアナなどはカラフルで目立つが
シャリンバイはあまり気づく人がいないようだ。
街路樹に植えられているシャリンバイが満開に咲いている。
シャリンバイはバラ科の常緑低木、日本の四国から九州、沖縄、韓国、台湾
までの暖地の海岸近くに自生する。
和名のシャリンバイは輪生する葉の配列が車輪のようで、
花が薄ピンクの梅の花に似ていることが名前の由来。
シャリンバイの仲間の中でも、少し高くなることからタチシャリンバイとも
呼ばれる。
沖縄では方言で「テカチ」奄美では「テーチ木」と呼ぶそうだ。
海岸近くに生育し、乾燥や風に強く刈り込みに耐えて病害虫の問題も
ないことから公園や街路樹に利用される。
東京都心の銀座の歩道にも植えられているそうだ。
鹿児島県奄美大島の大島紬では、シャリンバイの木から葉を取り除いて
細かく切り、10時間以上煮出した液を染料として用いる。
そのタンニンを含む煎汁を染液として絹糸に染着させた後、
鉄分を含む泥田の泥水に浸漬して手間暇かけて染めるそうだ。
道路脇に植えられたシャリンバイは排気ガスや泥水をはねられても
薄ピンクの花を咲かせている。しばらくは満開に咲いている。