うんたま森のキジムナー

4月

4月になると、島を出て行く人、そして来る
人が増える。来る人、出る人、見送る人、
それぞれ複雑な気持ちだろう。初めて、機上から
見た宮古島は「こんな小さな島のどこに
飛行機が着陸できるのか」と不安になった。
飛行機から出て到着ロビーまでの、あのなんとも
言えない「ムン」とした湿度の高さは、今でも
覚えている。たしか4月で不快指数が高いわりには
沖縄から300キロ離れたこの島に来たことに
ワクワクしていた。

あれから長い月日が過ぎた。数え切れないほどの
出会いと別れを繰り返して今も毎日、元気で海へ
といつものように出て行っている。
「遊びに来る分には新鮮ですけど、毎日だと
あきるでしょ」と聞かれたことがある。
正直なところ、この島に来た最初の頃は、毎日、
同じ景色で伊良部島と宮古島の往復、忙しい時期などは
うんざりした時期もあった。それが、長くいれば
長く同じ景色を見続けているほど、毎日、同じ
景色には見えてこなくなる。
毎日、一緒に海に出ていた人が病に倒れ入院したとき、
いつも毎日見る通いなれた海を見せてあげたかった。
毎日、海に潜っていた奴が事故で海に出れなくなった。
車椅子に乗っている姿を見かけるが、もう一度、
毎日出ていた海に連れていってやりたい。
月日を重ねることに、毎日見える同じ景色が
いとおしく、又、新鮮に感じるものだ。

島を出て行く人は、毎日見慣れたこの島を飛行機の
窓からどんな気持ちで見ているのだろう。新しく
この島にやってくる人は機上から見えるこの島が、
どんなふうに見えているのだろう。
そろそろイペーの花が咲く頃だ。

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「宮古島」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事