うんたま森のキジムナー

サシバ

寒露の時期になると、渡り鳥のサシバが
やってくる。食料が乏しかった時代は
貴重なタンパク元で、宮古料理の
ひとつであった。
保護鳥に指定されてからも、本土で暮らす
家族へ故郷の味を届ける人が絶えず
送られた方も「そろそろ宮古島にも秋が
来たんだ」と懐かしい気持ちになったと言う。

乱獲が元で一時期、渡ってくるサシバの数が減少した
と言われているが、数年前から数は増えてきたそうだ。
今年は一日に三千羽を越えるサシバが確認されている。
自然保護を訴える人たちは、地道な啓蒙活動が身を
結んだと胸をなでおろしている。

元密猟者の側から言わせてもらうなら、多額の罰金と
引き換えても採算がとれた時代は終わり、需要がなく
なったのが大きな原因と言えるだろう。
やぶ蚊に刺されて、息を潜めるように林の中を駆けずり
回るのも大変な仕事なのだ。一羽四千円で取引された
時が絶頂期で一晩に百羽捕る名人芸を見せる人もいた。
食料事情が豊かになり、美味しいものが安く食べられる
時代にわざわざサシバを食べる人もいないだろう。
オバァの時代には空が真っ黒になるほどのサシバが
飛んできたと言うが、又そう言う時代が来て
ほしいものだ。

伊良部島からの帰り、空を見上げると雲の隙間から
千羽を越すとも見えるサシバが見えた。サシバは
この地で一日羽根を休めた後、又長い距離を遠くは
東南アジアまで飛んでいく。サシバを見ると「秋だなぁ」
と感じるが、息を潜めて林を駆け抜けた
思い出も同時に思い浮かんでくる。

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