【チベット】というと、
日本では、神秘的かつ秘境、というイメージがあるかもしれない。
確かに、
イメージ通りの荒野や、ゴリゴリの遊牧民達が残っているのも
目に出来るし、ラサ旧市街のバルコル周辺や、シガツェや
東チベットのデルゲやラルンガルに行けば、
おー、チベットだ、と感じる事もあるだろう。
絶景と素朴な暮らしを期待するなら、
インドのチベット圏のスピティやラダックでも感動を得られると思う。
だが、チベットの中心地ラサは、
今や、近代化が進んでいる。
これだけは、はっきりと言っておきたいのだけど、
僕は、日本人のチベットに対するイメージや憧れを壊したいわけではない。
純粋にチベット仏教を学んでる僧侶や、その真摯な姿勢や宗教に基づいた生活、
古い伝統を守ろうとする人々がいるのも事実。
しかし、チベットは大きな変化のまっただ中にあり、
古い伝統文化と現代文明が混じり合った状態なのだ。
僕は、その混沌とした時間と、そこに住む人々や若者の感性に興味があるのだ。
ラサの裏道にあった、ミュージック・バー。
ボブ・マーレーの壁画に、ヒップホップのポスターとな。
若者は欧米の音楽も聞き、
欧米文化に憧れも持っている若者も多い。
ナイキショップ。
ここら辺のエリアは新興開発エリアなので、
真新しく綺麗なお店が建ち並ぶ。
賃料がものすごく高いらしいので、
オーナーは全て中国人(漢民族)との事だ。
ラサ空港のバーガーキング。
ラサ市内には、ケンタッキーフライドチキンもある。
「ラサ、ケンタッキーあるで」と日本人の友達に言うと驚かれるが、
実際に行ってみると、当たり前のように馴染んでるのを目に出来る。
バルコル周辺で出会う、伝統的なチベット人達との温度差はすごい
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チベットの民族衣装や僧侶、伝統的な生活を守る人々や遊牧民達は、
間違いなく写真映えする。
フォトジェニックだ。
だが、一方、今を生きる現代的なチベットの若者達の顔や感性、
ファッションや音楽性を切り取った写真を僕は見てみたい。
チベット人自らや中国人の映画監督など
ごく一部、それらを発信しようとしている人々はいるが、
それはまだごく一部にすぎないと思う。
今、大きな波が来ているのだ。
それらを自ら現地で体験し、写し撮ってみたいとは前から思っているが、
実は、渡航中はめっちゃ忙しくできていない。
ラサは許可上、日本人は基本は最大6日間という短期でしか滞在出来ない。
本職である仕入れに、ほとんどの時間を費やし、
朝から骨董屋や行商に会いに動き回り、
昼飯もそこそこに、
出会った中国人バイヤーや知人の同業達と情報交換のためお茶をして、
空いた時間に行った事がない寺院を訪ね、
その合間に若者文化を探るのである。
思うに、こりゃ無理だ。
仕事である仕入れをしないと渡航費もまかなえないし、
そもそも、生活ができない。
今の自分がもどかしい
仕入れを一旦、置いておいて、
取材をメインにした旅をしたら
新しい発見があると思っているので、
そういった旅をしてみたいものだ。
誰か、このチャレンジに協力してもらえないだろうか?
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旅する行商 喜八のインスタグラム
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