ミハ缶ブログ

ヘタレ大学院生が綴る日常と非日常。
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祝! 「はやぶさ」カプセル内に微粒子を確認!

2010年11月19日 | 2010年以前の記事
 ここ最近、忍者ブログの操作性に不満を感じていたり。記事を書いていても、行頭一文字明けを無視されたり、ニコ動やようつべの動画を貼りづらかったり、たまにフリーズしたり……。gooブログに戻ろうかしらんとも思ったけれど、あっちはあっちで、予約更新できないしなぁ…… orz

 まあ、それはともかく。本題です。
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 一時期と比べると、あまり大きなニュースになっていませんが、
祝! 微粒子確認!
 いやぁ、素晴らしいですね。予想以上の成果です。

 正直、私は、サンプル入手できなかったと考えていました。……というか、サンプル入手できていないという前提で、「素晴らしい!」と評価していたのですが、このたび、サンプル入手できていたという事で、一体何と表現して良いやら。
 今後、より細かい分析が行われるのでしょうが、ひとまずは、フルサクセス(500点)、おめでとうございます。
 一部報道では、「事業仕分け対策じゃないか」とか言われていましたが、そんな事のために、適当な事を発表したら、学術的な評価がガタ落ちするので、あり得ないと思います。
 っつーか、質問もしないで、そんなアホな記事書くなよ……。




 あと、やっぱり、「はやぶさ」を単なる探査衛星だと誤解しているメディアが多すぎますね。……まあ、JAXAが「探査機はやぶさ」と言っちゃってるので、仕方がないんですけど。

 一般に「はやぶさ」って言いますけど、これは、打ち上げ後につけられた愛称で、本来の名前は「ミューゼスC」なんです。で、この「ミューゼス」というのは、科学実験探査衛星シリーズを指していて、「C」というのは、そのシリーズの3機目である事を表しています。じゃあ、「A」と「B」はあったのかというと、

ミューゼスA「ひてん」
目的:
>(1)軌道の精密標定・制御・高効率データ伝送技術の習得
>(2)月スイングバイ実験
>(3)地球によるエアロブレーキ実験
>(4)月周回軌道への衛星投入
>(5)地球・月空間の宇宙塵の計測(ミュンヘン工科大学との共同研究
ソース

ミューゼスB「はるか」
目的:
>地上における電波望遠鏡と共同して軌道上で電波観測を行う(VSOP:VLBI Space Observatory Program)。また、大型アンテナの展開技術や衛星と地上局の原子時計の比較のための安定度の高いデータ送信技術、精密な姿勢制御など、各種の工学的実証も行う。※VLBI:Very Long Baseline Interferometer
ソース

 要は、実験機と探査機とを別々に打ち上げる予算が無いので、まとめてしまえって事ですな。
 で、はやぶさ(ミューゼスC)の目的は、というと、

ミューゼスC「はやぶさ」
目的:
>1.工学技術実証(将来の本格的なサンプルリターン探査に必須で鍵となる技術を実証)
>2.サンプルリターン技術の確立
>3.4つの重要技術の実証(イオンエンジンを主推進機関として用い、惑星間を航行すること/光学情報を用いた自律的な航法と誘導で、接近・着陸すること/微小重力下の天体表面の標本を採取すること)
ソース

 ……なんか、よく判らないですね。
 そんな訳で、ミッションシナリオを見てみましょう。
 「はやぶさ」の場合、ミッションの達成度を評価する点数表を、事前に、公開しています。

>ミッション達成度
>【達成!】電気推進エンジン 稼働開始(3台同時運転は世界初) 50点
>【達成!】電気推進エンジン ある期間(1000時間)稼働 100点
>【達成!】地球スウィングバイ成功(電気推進によるスウィングバイは世界初) 150点
>【達成!】(自律航法に成功して)イトカワとランデブー成功 200点
>【達成!】イトカワの科学観測成功 250点
>【達成!】イトカワにタッチダウンしてサンプル採取 275点
>【達成!】カプセルが地球に帰還、大気圏に再突入して回収 400点
>【達成!】イトカワのサンプル入手 500点
ソース

 「イトカワのサンプル入手」の段階まで行くと500点になる事が、お分かりになるかと思います。これは、点数のインフレという訳ではなく、本来ならば、5機(100点×5)の打ち上げる所を、わずか1機でこなしてしまったという事だと解釈できます。それだけ難易度が高い事を、一気にやってしまったという事なんですね。

 細かい点数も、見ていきましょう。
 「はやぶさ」のミニマムサクセス(欠点ライン)は、確か、電気推進エンジンの稼働だったはず(ソース不明)で、そもそも、「イトカワの科学観測成功」の段階で、既に、半分程度の点数に達しています。つまり、帰って来れていなくても、まあ、そこそこの成功だったんですよね。
 で、点数を足し引きして、配点表を作ってみると、

電気推進エンジン(実験)…150点
自律航法(実験)…50点
イトカワの科学的観測(探査)…50点
サンプル採取・帰還(実験)…150点
サンプル入手(探査)…100点(※フルサクセスボーナス含む)
総計…500点


 ……こんな感じですかね? 多分。
 実験(技術実証試験)が、350点満点。探査が、150点満点。……あら、実験が探査を大幅に上回ってしまいました。

 この配点表は、私が勝手に分析したものですが、あながち間違っていないと思います。つまり、「はやぶさ」の「ミューゼスC」という命名からして、「実験」が「探査」を上回るのは、当然なんです。
 そういった前提で考えると、「はやぶさ」の功績としては、まず、「イオンエンジンによる惑星間往復飛行」を第1に挙げるべきで、サンプル入手は、その次ぐらいでしょう。それなのに、「サンプル入手」に注目するマスコミは、一体何なの?
 今回、比較的報道されていませんが、帰還時の騒ぎ方を考えると、「お前ら、どーせ『サンプル入手できませんでした』ってニュースが欲しかったんだろ?」と、勘ぐりたくなります。
 それを考えると、(イデオロギー的に認めたくありませんが)「赤旗」の記事は、良かったですね。帰還時には、否定的・悲観的な記事で、サンプル入手成功を大々的に報道。「サンプル入手こそが目的」だと認識していると、明らかに解りますし、首尾一貫しています。流石、共産党。……でも、「はやぶさ」の最大の成果は、「惑星間往復飛行達成」だという認識にまで至っていないのが、残念です。有人往復より難しいんだけどなぁ……、これ。



関連:
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http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=14639172

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 野々村さんが、「はやぶさ」を擬人化されていました。GJ!

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