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後藤さん拘束「12月3日に確認」 岸田外相明かす
2015.2.3 15:56更新 産経新聞
http://www.sankei.com/politics/news/150203/plt1502030038-n1.html
参院予算委で答弁する岸田外相=2日午前
岸田文雄外相は3日の参院予算委員会で、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」に殺害されたとみられる後藤健二さん(47)が拘束されたのを、昨年12月3日に確認していたことを明らかにした。
岸田氏は「犯行グループからのメールについて(後藤さんの家族から)連絡を受け、何者かに拘束されたことを認知した」と述べた。
岸田氏によると、昨年11月1日に後藤さんの家族から後藤さんが行方不明になったとの連絡があった。これを受け、在ヨルダン日本大使館に現地対策本部を設置し、今年1月20日にイスラム国からとみられる殺害予告の映像が公開された後には十数人が増員され、最大三十数人の態勢で対応したという。
当方注:
このような重大事案を隠して、「総選挙」を選択した安倍首相は、「確信犯」に等しい。
しかも、「火に油」のような発言をして、後藤さん等の「危機」を招いた責任は、大きいと言えよう。
否、この事案を「読んで」、後藤さん等の「殺害」報道を利用して、自衛隊の「救出」活動や、集団的自衛権問題に利用する意図があったのでは?と疑問に思う人も多かろう。
しおらしく、哀悼の意を表しているそぶりを見せているが、本音が暴露されたと見るべきではなかろうか?
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亡国の大政翼賛報道…安倍政権批判は「テロと同じ」の暴論も
2015年2月3日 日刊ゲンダイ
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/156931
過激派組織「イスラム国」による日本人殺害事件で、改めてハッキリしたことがある。この国の大新聞テレビが、そろって安倍政権を支える「大政翼賛会」と化している実態だ。
「アベ。勝てもしない戦いに参加するというお前の無謀な決断のせい」――。後藤健二さんを殺害した「イスラム国」側が名指しで指摘した通り、今回の事件は、安倍首相が「イスラム国対策にカネを出す」と宣言した「カイロ演説」が引き金だ。にもかかわらず、大新聞テレビで、安倍演説を批判する論調は皆無だ。
人命優先の極秘交渉中なら「自粛ムード」も理解できるが、事態は最悪の結末を迎えたのだ。報道機関なら、安倍首相演説はもちろん、機能不全だった外務省、日本版NSC(国家安全保障局)の問題を徹底追及するべきだろう。
ところが、今の大新聞テレビの報道姿勢は全く違う。政権批判は「的外れ」「テロと同じ」という論調だから理解不能だ。
象徴的だったのが、後藤さん殺害発覚直後のフジテレビ「新報道2001」(1日放送)だ。平井文夫・解説副委員長らが出演した番組では、安倍首相が事件を招いた――との批判が出ていることに触れ、「日本側に何かあったからというのはテロリストの要求に屈している」「(批判するのは)イスラム国の人と同じ」などと「安倍擁護」の発言ばかりだったからだ。
コメンテーターで出演していた宮家邦彦・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹は2日の産経新聞でも、<事件と(安倍の)演説は関係がない。(略)日本は内輪もめなどをしている段階ではない>と主張。
読売新聞も1月23日付の紙面で<安倍首相の中東歴訪がテロリストを刺激し、今回の事件を招いたかのような、的外れの政権批判が野党の一部から出ている>と書いていた。
産経、読売は「安倍親衛隊」だから仕方ないとしても、他のメディアの論調も似たり寄ったり。
官邸前で安倍首相の「カイロ演説」を非難するデモも起きているのに何も報じない。それでいて、後藤さんの過去のリポート映像を使って“お涙ちょうだい”報道を繰り返し、国民の反イスラム国感情を煽り続けているのだ。
戦前戦中ソックリの構図
戦前、戦中の日本では、侵略戦争に反対する言論や報道を「売国奴」「非国民」呼ばわりし、多くの文化人や活動家が官憲の拷問で虐殺された。
片棒を担いだのが、大本営発表をタレ流し続けた当時の新聞だ。
時の政府や旧日本軍に迎合した大阪朝日新聞は開戦直前にこう書いていた。
<こういう未曽有の大事変下においては国内の相克こそ最も恐るべきものであります。全国民の一致団結の力が強ければ、何物も恐れることはありません>
今回の日本人殺害事件で、大新聞テレビが「政権批判で内輪もめしている場合じゃない」「日本人は団結すべき」と報じている姿とソックリだ。
元共同通信社記者の浅野健一氏はこう言う。
「戦時の政権批判は特高警察に捕まる、という“縛り”があったが、今は規制も何もない。それなのに自粛し、政権寄りの報道をしている分、タチが悪い。
有事の時こそ、そのメディアの本性が現れる。まさに今の日本のジャーナリズムは危機的状況にあります」
日本人殺害事件を招いた安倍首相と大新聞テレビは“共犯”と言われても仕方ない。
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南シナ海の自衛隊の警戒監視は検討課題
2月3日 22時34分 NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150203/k10015192681000.html
中谷防衛大臣は閣議のあと記者団に対し、南シナ海で海洋進出を活発化させる中国と東南アジアの国々との緊張が高まっていることについて、日本の安全保障に影響を及ぼす可能性もあるとして、南シナ海での自衛隊による警戒監視活動を今後の検討課題としていく考えを示しました。
中国による海洋進出の活発化によって、フィリピンやベトナムなどとの間で南シナ海の島々の領有権を巡って緊張が高まっていることについて、アメリカ海軍の第7艦隊の司令官は通信社のインタビューで、「将来的に自衛隊が南シナ海で活動することは理にかなっている」と述べ、南シナ海での自衛隊の活動に期待感を示しました。
これについて、中谷防衛大臣は閣議のあと記者団に対し、「現在、南シナ海で継続的な警戒監視活動は行っていないが、状況によっては日本の安全保障に影響が拡大することもあり、どう対応していくべきかは今後の課題だ」と述べ、南シナ海での自衛隊による警戒監視活動を今後の検討課題としていく考えを示しました。
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特集ワイド:今さらですが 「内部留保」って何? 活用しろとは言うけれど…法人減税でまた増加
毎日新聞 2015年02月03日 東京夕刊
http://mainichi.jp/shimen/news/20150203dde012010011000c.html
内部留保(利益剰余金)の推移 拡大写真
内部留保の生じる仕組み 拡大写真
最近「大企業が内部留保をため込んでいる」と聞く。麻生太郎財務相は先月、内部留保を増やすことについて「守銭奴みたいなものだ」と痛烈に批判した。「内部留保をもっと活用すれば、景気は回復する」という意見はもっとものような気もするが……。今さらですが、内部留保とは一体何?【江畑佳明】
◇「タンス預金」ではない
Q 「内部留保」といわれてもすぐにピンときません。
東京大名誉教授(会計学)の醍醐(だいご)聡さん おおまかにいうと、「企業がため込んだ利益」のことです。
例えば企業が1年間で出した「利益」は、法人税がかけられたり株主への配当金などが差し引かれたりして、減ってゆきます。その残った最終利益分が毎年積み上がり、蓄積された利益を「内部留保」と呼びます。企業の財産状況を示す貸借対照表(バランスシート)では、純資産の内訳に「利益剰余金」として計上されています。
財務省の「法人企業統計調査」によると、2013年度は内部留保が過去最高の328兆円(金融、保険業を除く)に達しました=グラフ参照。1999年度から2倍強の増加です。麻生さんの発言は、このストック分を何とか活用できないかというものです。
早稲田大ファイナンス総合研究所顧問の野口悠紀雄さん(日本経済論) 誤解している政治家もいるので強調しておきたいのですが、企業は内部留保を「タンス預金」として死蔵しているわけではありません。現預金のほか、すでに国債などの有価証券の購入に充てられている部分もあり、また工場や機械などに投資されている部分もあります。すぐに動かせるわけではありません。「使われずに余っているのだから何らかの用途に活用すべきだ」という意見は全く誤っています。
企業の資金調達に詳しい大和総研の研究員、太田珠美さん 内部留保が300兆円以上といっても、これは274万社の合計値です。平均だと1社あたりは1億円程度で、これは何か設備投資をすればすぐに使い切ってしまうような金額です。多額の内部留保を持つ企業もあれば、全くない企業もあり、企業ごとに財務状況は異なっているのが実情です。
◇低賃金のうえに蓄積
Q 300兆円にも膨らんだのはなぜですか。
太田さん バブル崩壊後の90年代、企業は大きな負債を抱えました。生き残るためには負債を減らして財務状況を好転させねばならず、銀行からの借り入れを控えるようになりました。内部留保を蓄えて自己資本を強化し、安定経営を目指してきたのです。結果、自己資本比率は90年度の19・1%から13年度には37・6%まで上昇しました。これは過去最大の数値です。
また株式を発行して資金調達をしたくても、株価変動のリスクが大きかったため、手を出しづらかった。そのため新規事業などを行う際の資金として、内部留保を増やしていったという事情もあります。
企業心理としては、08年のリーマン・ショックのようなことが発生し、単年度利益では対応できないような損失が発生した場合、内部留保を使って乗り切るという手は残しておきたいところです。
Q 蓄積された内部留保を賃上げに回せないかとの議論があります。
醍醐さん 賃上げと内部留保の活用は別の話と考えてください。少しややこしいので順を追って説明します。「利益」とは、「売り上げ」から原材料費や賃金を含む「費用」が引かれたものです。つまり「売り上げ」マイナス「費用」イコール「利益」です。「利益」から「賃金」が支払われるのではなく、「賃金」を支払った後に残るのが「利益」。内部留保はその「利益」が積み重なったものですから、「今ある内部留保から賃金に回せ」は会計上おかしい。
ただこれほど内部留保をため込んだ理由のひとつに従業員への賃金を低く抑えてきたことがあります。特に大企業は、企業が生み出す付加価値をどれだけ賃金に振り分けたかを示す「労働分配率」が低いのです。
労働者の犠牲の上にたまった内部留保ともいえる。企業が毎年賃金を増やせば、利益が圧縮され、将来発生する内部留保は減ります。
太田さん そうはいっても、企業側は経済状況に明るさを感じているわけではありません。基本給をいったん上げると(いわゆるベースアップすると)翌年以降は経営側の一存では下げられないので、ボーナスなどの一時金で対応したい考えはあるでしょう。
◇大企業への課税も一案
Q では内部留保を使って日本経済を活性化するにはどうすればいいのですか?
太田さん 内部留保の使い道を決めた法律はありませんので、国が無理やり吐き出させることはできません。各企業が自己判断で決めるものです。内部留保は会社の資産にあたるので、本来、出資者である株主のものです。内部留保を使って配当を増やし株主に還元することが考えられます。
野口さん 政府は来年度から法人税減税を行う予定ですが、減税すれば内部留保が減るどころか、ますます増えてしまうでしょう。というのは、図表のように、「利益」にかけられる法人税が減れば、「税引き後の利益」が増えるからです。内部留保を減らしたいのであれば、法人税を増税する必要があります。それによって得られた税収を何らかの用途に使えば、内部留保に回されるはずだった利益が結果として使われたことになります。
この20年ほどの間に、法人税は減税され続け、直近では12年度に実施されました。内部留保は増え続けています。法人税が減税されれば、また同じことを繰り返すことになります。
醍醐さん 私は大企業への「内部留保税」を提案しています。現在、資本金1億円以上の大企業(金融、保険業を除く)は206兆円もの内部留保を持っています。
例えば、これに2%の税率で課税すると4・1兆円の税収が得られ、社会保障の充実に使えます。
他方、大企業には70兆円もの現預金があります。これは大企業が資金を有効活用できていない証拠であり、納税に必要な資金に事欠かないことを意味します。
内部留保の増加は、非正規雇用拡大による賃金抑制も一因です。大企業は中小と比べて労働分配率が低く、内部留保税という形で社会的責任を求めてしかるべきです。
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