てなことで例によって今回も4月26日(火)六本木ヒルズで行われた『追憶の森』プレミアに庵のお仲間と参戦して参りました♪
今回は早めについてゆたちんさんに拾ってもらい、会場近くで未入手だった謙さん記事掲載雑誌ananやBARFOUT!を入手したりしながら劇場ロビーでチケットを取って下さったハルカさんを待つ。関係者らしき人がたくさん!と思ったら、隣の会場では世界知的所有権の日レオナルド・ディカプリオ主演の『レナヴェント』上映会が行われていた模様。奇しくも謙さんとレオの作品が隣のシアターで同時上映・・・
『インセプション』以来の謙さんの盟友(とファンは思っている)レオと隣り合わせで上映とはなんだか感慨深い。
ただ、ハリウッド映画でも『硫黄島からの手紙』が異例で行ったように、三日後の初日舞台挨拶もあるかと期待していたのですが残念ながらなかったですね。でも『追憶の森』プレミア、作品そのものも上映前のトークも内容が濃くて、楽しくて未だに余韻が残っているくらいなので満足しています。
バジェットが小さいのか、公式さんがお知らせくださる掲載雑誌などはポツポツ見かけて購入したけれど、あまり大々的にパブリシティはやっていなかったような・・・(←特にテレビ)・・・派手な映画や豪華キャスト勢ぞろいの映画だったりすると座席確保の競争率が高くなりそうなのでプレミアはゲスト謙さんだけってのはたっぷり話してもらえそうで楽しみにしてました。
ただ蓋を開けてみると、仕事で来れなかった共演のマシュー・マコノヒーからのビデオメッセージが超長くて、まるで謙さん、マシュー主演二人のトークショー見に来たくらいの満足感。あえて、インタビュアーと謙さんの二人きりとかだと終始フォーマルで固いやりとりになった気がするので、よかった。マシューありがとう!
会場はスクリーンの前に、お立ち台とよく取材などの背景にあるロゴ入りの屏風。この通路の狭さでは客席から登場は無理だろうと思ってたら、観客入口から登場され壇上へ向かわれる謙さん。司会者の話では、少しでも観客に近いところから登場したいという謙さんのご意向によって実現したとのこと。通路沿いの方握手してもらってる方いたなぁ。チケット押さえる時あの辺りも空いてたのに、と悔しがる座席おさえてくれたハルカさん。
今後座席指定できる場合は通路周辺を手分けして確保する算段をする我々庵メンツであった。
幸いこの濃かったプレミア動画(maidigiさん ありがとう!いつまで残ってるかわからないので)を見つけたので文字起こししながらレポってみたいと思います。
MC「アメリカから帰国されて初めての公の場となります、渡辺謙さんです!」
謙さん「こんばんは」
MC「それでは謙さんからお久しぶりに会う日本のファンの方々に向けてまずご挨拶いただけますでしょうか」
うん、私はNYミュージカル拝見して以来1か月ぶりですけどねw
謙さん「えぇ~・・・いい季節ですね」謙さんはファンの間では有名な筋金入りの雨男。かなりの確率で謙さんの初日舞台挨拶やプレミアなど公式イベントでは雨や台風など悪天候の日が多く「本日はお足下お悪い中、お越し下さりありがとうございます」という枕詞で始まる挨拶が、今回は珍しく快晴だったので、冒頭の言葉に違和感感じちゃうくらいでした 爆
謙さん「そういう時に結構シリアスな映画ではありますけれども、ちょうど初夏 今ぐらいの季節にちょっとひんやりだけど気持ちのいい風が吹いて ちょっと立ち止まってその風の匂いを嗅いでみよう 音を聞いてみよう そんな映画かもしれません。今日この作品をお届けできることを本当に嬉しく思っています」
『追憶の森』ポスターも予告編でも感じますが確かに新緑の映像はまさにこの季節にピッタリ。そういえば私ここ最近『エベレスト 神々の山嶺』『レヴェナント~蘇りし者』『追憶の森』って山や森の(しかも男の)映画ばっかり見てるな。
そしてちなみにGWちょっと山に行く機会もあって、ちょっと『追憶の森』や謙さんの仰る「気持ちのいい風が吹いて立ち止まって風の匂いを嗅いでみる」感覚ってなんだかわかる気がする。
MC「どうもありがとうございます さて今日なんですけれども平日にも関わらず本当に多くのお客様にご来場いただきまして」
ホント今年は神がかり的なスケジュールであまり無理せず駆けつけることが叶いました。プレミア日程組んで下さった方に感謝。
登壇するやいなや、「まぶしくて全然何も見えないんだよねぇ」とのたまう謙さん。本格的な話が始まるまでフラッシュ撮影攻めにあわれてましたw
MC「そうなんですよ。すみません。謙さんの立っていらっしゃるところ、たぶんスポットライトで見えないと思いますがとにかくたくさんのお客様が来場されております。本日は日本公開のお祝いにプロデューサーにお越し頂いております。ケンカオさんとサッチワタナベさんです。ありがとうございます!」俳優の浅野忠信さん(そういえば謙さんがやるはずだった遠藤周作作品『沈黙』のロドリゴ役謙さんが降板された後引き継がれるのが浅野さんでしたよね・・・そのつながりかしら?)も後でVIP席にお見えで、挨拶してらした方がいらしたのでこの方がケンカオさんかなぁ?という方はおられました。
謙さん「なんか僕の名前を分けて足したようなお名前ですね」確かに。
MC「それでは早速ですが謙さんがオファーを受けられたときのお気持ちをお伺いできますか」
謙さん「ガスからオファーを受けたというよりは まずこの脚本があって、こういう映画をこの役でやりませんかという別のプロデューサーからオファーを受けたのが東日本大震災の後だったんですね。この映画ご覧いただけるとわかるんですけれどもある死生観、死を前にしてとか、どうやって生きるのかとか非常にシリアスな題材をテーマにしておりますのでその時の僕の心境としてはちょっとそれを背負いきれる自分の心の余裕がないという思いがありましてちょっと今回はパスさせてほしい、ペンディングにしておいてほしいということで一回留め置いてもらったんですね。
そして一昨年にもう一回ガスバンサントがこの映画をやりたいという風に手をあげていただいたんです。そこで彼の今までの作品もそうですけれども非常にシリアスで苦しい題材でありながらもガスのある種メルヘンのような非常にロマンチックでセンチメンタルな映画にしてくれるだろう、この作品を。という直観がありましたので是非参加させてほしい、と言っているうちにアーサーという白人のアメリカ人の役もマシューが受けてくれるということになったので、これは諸手を挙げてやりましょう、という話にトントンといったんですね。」
MC「そうなんですね?私たちにしたらガスバンサント監督の作品に渡辺謙さんが出るってすごくうれしかったりするじゃないですか 実際現場はどうだったんですか?ご一緒してみて」
謙さん「そうなんですよね。やはり映画がすごく好きな皆さんもそうですし、僕ら映画関係者もそうだったんですけど え ガスの映画やるんだ?!っていうと皆さん非常に大きな期待を持たれますし、すごく楽しみにされてると思うんですね。
やっぱり今までやった作品の中でもとても繊細で本当にこう ボソボソと喋るような人なのかなと思って会いに行ったら ところがどっこい、ものすごくザックリした方で、映画を作る職人!みたいな感じがあったんですね。
ロケーションが始まったときに森の中で撮影をするんですけれども彼が手描きで書いたロケーションマップみたいなものがあるんですよ。ちょっと小高い丘 橋 とか 川 とか描いてあってそこに番号が振ってあるんですよ さーて今日はどこから撮ろうかなーとか言ってサイコロを転がすんですよ。はぁ~?!そんなザックリでいいのかよ?!と思ったら半分冗談みたいな感じだったんですけどこういう作品を撮るときにガスの世界観なのかもしれないですけど自分でないものに身を委ねるというか そういう感覚がもしかしたら彼の創作現場にはあるのかもしれない、とそんな風に思いましたね。」お恥ずかしながら私ガス作品は『グッドウィルハンティング』しか拝見してませんでした。これからガスの他作品も見てみます!
MC「へぇ~意外ですねぇ!
ちらっと聞いたんですけれども青木ヶ原の樹海が舞台となっているということで、その中の看板の文字というのも謙さんがいろいろアドバイスされたと伺いましたが」
謙さん「美術が一生懸命頑張って、例えば青木ヶ原に迷い込んだ人が捨てて行ったお菓子の空き袋とかジュースの缶とかそういうものが散乱してたりするんですけれども、まぁ日本で一杯買っていったんでしょう。マーケットで。小道具にこんなの使う、って見たら中にちょっとハングルが入ってたりとか。笑 彼らにとってはわかんないんですよ。どれが日本語で、どれがハングルって。英語、ローマ字で書いてあれば別なんですけどそういうのを「これこれ、これはちょっと違うわ」とか言いながら。」
のど飴の袋落ちてたシーンで「このシーンかぁ」と思いながら見ちゃいました。ハングルと日本語混同、”外国人あるある”だけど謙さんみたいな訂正係がいて下さってありがたい。
謙さん「「思い直した方がいい」とか、そういう立て看板がたくさんあるんですけど、ちょっとだけ「てにをは」が間違ってたりとか字があまり上手く書けてないなとかみたいなのがあったので、「じゃ俺書くわ」って言って」謙さんエグゼクティブプロデューサーとかのみならず美術まで・・・笑 後ろのスクリーンに件の謙さん直筆からの木彫り神社の鳥居の額が映る。
謙さん「あ、これですね。刹海神社というのが本当なんですよね、海。これは本物を使えないので、じゃぁ海を川にしようっていって僕がこれを筆ペンで書いて、それを美術がちゃんと木で彫って作ってくれたんですよね。あと立て看板とかも結構字体を変えながら美術と一緒にあーだのこーだの言いながら書かせて頂きました。」
謙さんが書いた字を木で彫った人、たぶん日本語知らない人が謙さんの書いた字を彫ったんだろうな、という感じの出来上がりでしたが(笑)当然本編では「謙さんが書いたんだぁ」って見ちゃいました。字体変えるというのも明朝体とゴシックとか同じ立て看板の中で変わってるのあったな。
映画見ていてことごとくバイリンガル表示に「これは映画であって、本当の青木ヶ原はそんなことないだろう」と思ってたら本当に世界的に有名なのか、外国語版立て看板もありそうな話でしたね。さすがに青木ヶ原はロケ地巡りに確かめに行こうとは思えないけど。
MC「これは謙さんの文字ということでいろいろお話うかがわせて頂けました。マシュー・マコノヒーさんが残念ながらお仕事の都合で来日できなかったんですが、本日はメッセージが届いております」
謙さん 笑
マシュー「いい?まわってる?」会場笑い
マシュー「こんにちは 日本の皆さん 渡辺さん マシュー・マコノヒーです。残念ながら今夜のプレミアを欠席します。ロサンゼルスで仕事があって行けないという全うな理由があるわけですが」
字幕にはI have a good reasonが訳されておらず 一部の観客と謙さん笑い
マシュー「ケンと一緒に頑張った作品を見てもらえるのは幸せです。ケンとの共演は楽しかった。念願だったからね。ケンには独特の雰囲気がある。確固たる自分自身の信条というものを持っていて自分自身をよくわかっている。だから君からは威厳を感じるんだろう。王様のようだよ。」
字幕では『王様と私』に掛けてか「王様のよう」という言葉が入りましたが Kingという言葉はマシューは使っていなかったはず・・・
a very regal man you are 君は実に堂々とした男だ の意訳だと思います。
マシュー「しかも非常に面白い あんなにユーモアがあって愉快な人とは知らなかった 撮影の合間の笑い話で気持ちが和んだよ」
MC「今、マシュー・マコノヒーさんから謙さんが面白いという話がありましたが、何か面白いことがあったんですか」
謙さん「マシューと僕は結構似てるタイプの俳優のような気がしたんです。すごい準備はするんですけどいざカメラの前に立ったときには準備してきたカードをいちいち出すんではなくて、今そこで感じられるもの、そこで生まれてくるもの、そういうものに対して的確に拾ってまた返していく そこで生まれてくるもの、作っていくものを信じていくというタイプなので本当にやりやすかったですし、すごいお互いプロの仕事をしてるな という感覚ではありました。
で、いろんな話はしたんですけど結構ナイターが多かったんですね。樹海の夜というシーンが。現場までが2キロとか3キロとか徒歩で歩かなければならなかった。山を分け入っていかなければならなかったので。映画の後半ずぶ濡れで、二人とも濡れっぱなしでいなければならなかったので 夜中の三時とか四時とかに撮影が終ると、「ハイ今日は全部終わりー」って懐中電灯二つ渡されてその三キロくらいの道のりを二人でとぼとぼ歩いて帰るんですけどずぶ濡れなんで靴の中まで水が入ってるんですね。二人とも疲れ果ててるんで黙々とただ山道を懐中電灯照らして歩いてると靴の中に水が入って「くちゃっ くちゃっ くちゃっ」という音だけがするんですよ。あまりにもその音が「俺たち一体何やってんだろうね」って急に二人立ち止まって笑い始めたという思い出がありますね。」
MC「ありがとうございます。マシュー・マコノヒーさんがいろいろと本日語って下さっておりましてまだまだメッセージがありますので続いてまたVTRに・・・」
謙さん「笑 ノリノリですね、マシュー」
マシュー「(最初のシーン&日本での撮影について)大半はアメリカだったが一部は日本で撮った 撮影前にケンと会うことは意図的に避けていたんだよ アーサーとタクミとして会いたかったからね だから僕が最初にケンにあったのはあの岩に座っていた場面だ アーサーがタクミに出会い手を貸すことになる
最初のテイクは使われなかった なぜだか覚えているよね みんなに話したら?」
この手のネタ振りたくさんしてくれてありがとう、マシュー!笑
マシュー「あの交差点のことは「渋谷」だけで通じるかな ロケ地の一つが渋谷だったんだ ものすごい数の人がいてにぎやかだった これは日本の特徴かな にぎやかな場所にはいろいろ行ったけど大勢の人でごった返す大都市の真ん中に自転車の音しか聞こえない場所がある なぜか街の騒音が耳に入らないんだ 不思議だよね
渋谷で撮影したけど気づかれなかったよ ケンが交差点を歩けば事情は違ったね
僕に気付いて振り返ったのは300人中1人程度だ だから自由に動けた もし君が渋谷の交差点を歩いていたら300人中299人が気づいただろう ケン!と歓声が上がったりしてね 役名はタクミだし現場は混乱したはずだ 実際は僕一人で撮影したんだが それがよかったね」
このあたりの300人中1人とか、300人中299人とか大げさな感じも会場で笑い取ってましたw
MC「最初のテイクが使われなかったというのは?」
謙さん「ガスと最初に打ち合わせをしたときにリハーサルをやりたいかと聞かれたんですね。どうもこの映画は丁寧に丁寧にリハーサルを重ねて撮る映画じゃないような気がしたんです。マシューとも打ち合わせをしたりリハーサルをしたりしないで、本当にあそこで出会いたいって言ったら、じゃぁそうしようということになって 衣装のフィッティングとかメイクテストとかカメラテストとか一切あわないようにスケジュール組んで頂いて、僕らも極力無理して会うようなことはしないようにして初日の現場で本当にアクションと言われてから僕が来て
向こうは僕を初めて目にしたわけですよ。」
この手の話を聞くたびに脳裏に浮かぶのは『独眼竜政宗』での勝新太郎@秀吉と謙さん@政宗のリアル対面秘話ですな。劇中の関係性を大切にしてできるだけ初対面の感覚を映像でもリアリティを持たせる的な。
謙さん「なぜそれが使われなかったかというと やっぱり僕らは野生動物みたいなところがあってちょっとエモーショナルになりすぎたんですね。ハイ」
上映後庵仲間で「完成シーンあれでも結構エモーショナルだったよね?」という意見が。
そしてあんな言い方されると是非ともカットされた1テイク目を是非とも特典DVDに入れてほしいよね、という話に。
MC「まだマシューさん 喋りつづけております」
謙さん「お~ぉ」笑
MC「次は日本の滞在についてお話をされているということで見てみたいと思います。」
マシュー「日本には妻も同伴したんだが ケンは豪華な夕食をごちそうしてくれた いまだにお腹いっぱいだよ」会場笑い
マシュー「君の好きなレストランで大勢と楽しく食事したね お互いの家族も同席しておいしい料理を堪能した感動的なもてなしだったよ いかにも君らしい心遣いだ
僕が君の誕生日を忘れても 君は僕のを忘れない 君が贈ってくれたプレゼントは最高に上品で優雅だった 礼状を送ったけど受け取ってくれたかな 日本でも君の真心を感じたよ
君の母国を訪れた僕たちを文化や食事で迎えてくれた おかげで日本での撮影が気持ちよく始められたよ ありがとう」
MC「ちなみに謙さんは何をプレゼントされたんでしょうか」
謙さん「インセンス、"お香"ですね 割とモダンな感じのインセンスなんですけど、はい。」
MC「どんな香りのものを?」松栄堂ではないかしら?
謙さん「結構フルーティーなものを。そんなに抹香臭くないというか 割と今っぽいというか」
MC「それは喜ばれたでしょうね」
謙さん「そうですね。お香立ても一緒に渡したので。まぁ、彼に、というより彼の奥さんに、みたいな感じで。
レストランというのは、彼はテキサスなんで やっぱり肉食わせようと思って 焼き肉屋に連れて行きました。向こうだとガァーン!とステーキ肉じゃないですか そうじゃなくて色んな部位を楽しめるそういう焼肉屋さんで。ちょうどその日も撮り終わって マシューたちはお相撲かなんか見に行ったんだよね。その帰りに、ホントこの会場の近くの焼肉屋さんで一緒に焼肉を食べた思い出がありますね」
どこだろう その焼肉屋さんて・・・縁の地巡りに加えたい・・・謙さんと(&マシュー夫妻と)同じ肉!っつって。
MC「ありがとうございます。さらにまだメッセージがあるということでございます」笑
謙さん(笑って)「よく喋んなぁ。ありがとう!」
MC「たぶん謙さんのことが大好きなんだなぁということがよくわかります。それについて色々お話して下さっています。」
私もMCさんに同意。謙さんと撮影を通して親密になられたのがよく伝わる超ロングインタビュー映像でしたね。
マシュー「僕はつぶやいているだけで本格的な歌はケンに任せた ブロードウェイの舞台を練習中だったから『追憶の森』でも美声を披露してくれたよね いまいましいほど歌が上手なんだよ みんなは聴いたことある?聴きたい?」
謙さん「こいつ、皮肉屋だよね、絶対!」会場笑い この辺からビデオメッセージのはずなのにリアルタイムで衛星中継で二人のやりとり見てるみたいな気分に・・・
マシュー「ケン みんなのためにちょっと歌ってあげて」メッセージの中で会場の謙さんが歌っている想定をして耳をそばだてるジェスチャー
謙さん「いいって!(会場へ)あの、別にどうこうっていうわけじゃありませんが風邪引いてますんでやめときます」
謙さん「これでもね 劇中の歌は」(ビデオメッセージのマシューは未だ謙さんの歌に合わせてリズムをとっている風)
マシュー「お見事 すばらしい」ベリシモ!ってイタリア語で素晴らしいって言ったね。
マシュー「今度 君と共演する時はアクション映画をやるより一緒に歌って踊りたいね ミュージカルをやろう デュエットするんだよ きっと楽しい共同作業になる この映画の撮影は大変だった 山に登ったり 滑り落ちたり 僕の腹に刺さった枝を君が抜いたり 『追憶の森』の撮影は全般的にキツかった 連日肉体を酷使したね 次は舞台でミュージカルを」
マシュー謙さん好きすぎてところどころネタバレ発言連発。滑り落ちるんだ、そして枝が腹に刺さって謙さんが抜くんだーとこの時思った。
MC「マシュー・マコノヒーさんが歌のことひっぱっておられました 笑」
謙さん(脱力苦笑しながら)「いやもう、僕のことユーモアがあってと言ってたじゃないですか そのままマシューに返しますよ」会場笑い
謙さん「ジャージーな曲だったんですよ 適当な日本語訳がなかったので適当に韻を踏みながら自分で訳したんですね 意味を合わせながら。それで劇中の意味にも関わってくる詩になるのでそこにリンクするように歌ったんですけど」
確かに歌ってましたね。2、3回。日本語と英語で。あまり聴いたことのないメロディで思い出せないですがあの終盤キーワードになった日本語歌詞部分も謙さんのご尽力台詞になるのかな。
謙さん「ちょうどそのあとくらいに「この映画終わった後何すんの?」という話になって、まだ先のスケジュールだったんですけどブロードウェイで『王様と私』やるんだって言ったら「え~っ?!」って笑ってましたから「マジかよ?!」って感じだったんだと思いますよ。」
MC「歌、聞きたかったですが・・・」
謙さん「まぁ、映画の中で歌ってますんで」断固拒否される謙さん。あの時会場巻き込んで拍手しちゃえばよかったかな。←時々拍手率先する人
MC「わかりました。これ以上は・・・笑 では最後にマシュー・マコノヒーさんからメッセージが。今度はお客様宛だと思います 笑」
謙さん 一瞬、まだ喋るんかい!的な顔されましたが
マシュー「聞いたよ お孫さんが生まれるんだってね しかも双子だとか」MCさん、お客様宛の前にこってり謙さんへのメッセージからでした!爆
謙さん呆れ顔で「映画の話しようよ!」
マシュー「おめでとう ケンが家族を大事にしてるのは知ってる 君の血を受け継ぐ人間が増えるのは喜ばしいことだ お子さんからお孫さんへと渡辺家の血筋が続いていく
才能も受け継がれるね おめでとう 今度はこちらで子供も交えて会おう 僕に孫はいないが 子供が3人いる 君はお孫さんも連れてきて大きなテーブルを囲もう」その楽しそうな会、実現するなら盗み見たい・・・マシューが"Watanabe blood"って言ったのがウケた。大げさなのもわざとやねw
ようやく(笑)観客の皆さんへメッセージ
マシュー「『追憶の森』は簡単に言えば愛と結婚を描いた映画です。愛からこぼれ落ちて再び愛に戻る話です。誰でも経験があるでしょう。我々は死んだ人を思い続ける 心の中で死者を生かし続けることは簡単ではないが不可能でもない。この映画を観終わった後は家族や友達などとの関係を考えさせられるでしょう。この世で共に過ごす時間は有限です。あなたと愛する人との関係を再確認して発展させるきっかけにしてほしいです。
もう余計なことは言いません。 あとはケンに任せましょう。どうか最後まで楽しんでください。」
謙さん「十分喋ったって!」
私も謙さんと同じツッコミさせて頂きます、マシュー。笑
でもこれまで『インターステラー』は見たことあったけど、くらいの存在でしたがプレミアを倍面白くしてくれたし、謙さんへの溢れる愛を目の当たりにして好きになったよー、マシュー・マコノヒー!
MC「ありがとうございました~マシュー・マコノヒーさんのウィットに富んだ、チャーミングな一面をたくさん見させて頂きました。では最後に謙に任せるとおっしゃっていましたので渡辺謙さんにご来場の皆様にメッセージをお願いしたいと思います」
謙さん「なかなか言葉にするのは難しいんですけれども、今この間からずっと九州熊本の方で大きな災害が起きてます 僕たちは東日本大震災という、その前にも神戸の震災もありましたし、世界中でいろんな難民の問題やテロの問題があって人はどこに安住の地があるんだろうか、どこで静かに穏やかに暮すことができるんだろうか、その日々はどうやって続けていけるんだろうかということをずっと悩み続けなければいけない、そういう時代に差し掛かっているような気がします。そういう中で人は生きて、いつかは死を迎えるわけですけれども、そういう中でどうやって死を受け止めるのか どうやって死というものを自分の中に、マシューも言っていましたけれども、大事な人を生かし続けることができるのか、ガスバンサントが優しく描いてくれた映画だと思います。よく「この映画を観たら元気が出ます」とか「泣けます」とかそういうキャッチコピーというか、宣伝文句もあるんですけれども、この映画は立ち止まっていただきたいっていう映画だと思います。」
最後は真面目に締めて下さった謙さん。確かに派手なアクションや、痛快娯楽作品ではないけれど、これまでいろんな経験をしてきた人、大切な誰かを失った人、もしくは思いつめたことがある人が見てもいい作品なんじゃないかと思う。
最後の方でいろいろ思い返せばそういうことかとなるキーワードやシーンもあるけれど、結末を知った上でもう一度見てみたらどう思うか知りたい気持ちでもう一度見てみたい。こういうスピリチュアル系や不思議系苦手な人はいるだろうし評価は分かれるかもしれないけれど私は好きです、『追憶の森』。
謙さんファン的にはほぼ謙さん、マシューマコノヒー、ナオミワッツの三人芝居もしくは謙さんとマシューの二人芝居くらいの濃さなので必見。普段の王様や武将役での威厳はどこへ、というどこにでもいそうな今回の役どころですが、謙さんのたき火シーンはどの作品でも印象的で好き。トレンチコート姿が『明日の記憶』の謙さんを彷彿とさせる。
ネタバレは避けますが、謙さんとマシューの某シーンに衝撃受けたんですが、庵仲間で結末からするとそういうことか、という解釈が。そうだったのか?笑
(ほとぼり冷めたらこのぼやかしてるシーンの事は作品見聞録で書きます~)
上演終了後は六本木ヒルズ地下のイタリアンで映画レビューと3月にゆたちんさんと行ったNY弾丸ツアーについて写メ見せながら報告を。
のんびりしてたら夜行バス出発ギリギリの到着で、東京駅から集合場所まで猛ダッシュする羽目に・・・結局バスには間に合いましたがドキドキしました。次謙さんにお目にかかれるとしたら『怒り』関係かしら・・・謙さんのご健康とご活躍ますます祈りつつ・・・『追憶の森』たくさんの方が見て下さるといいなぁ・・・脱稿