goo blog サービス終了のお知らせ 

9条の会を応援する有志のブログ

日本の良識を代表する9名の方が呼びかけた「9条の会」が全国で
数千の会に広がっています。私たちもその一員になります。

自由党 憲法改正要綱 (1946年1月21日発表)

2006年04月15日 17時36分11秒 | 天皇制
引き続き日本国憲法制定期の、天皇制に関する各党の憲法案の記述です。
本日は自由党(まだ自民党はできていません)の分ですが、明治憲法と大差ありません。
このころの自由党は、自由民権期の自由党とは思想的には全く別物です。

***********************
一、天皇
 一、統治権の主体は日本国家なり
 二、天皇は統治権の総攬者なり
 三、天皇は万世一系なり
 四、天皇は法律上及政治上の責任なし

二、所謂大権事項
左(下)の各項その他天皇の名に於てする国務は総て国務大臣の輔弼による
 一、法律の裁可及公布
 二、議会の召集、開会、閉会、停会及衆議院の解散
 三、官吏の任免
 四、外交
 五、栄典の授与
 六、恩赦
 (註)現行憲法(明治憲法)に於る緊急命令、執行命令、
    独立命令制定の大権官制大権、統帥大権、編制大権、
    戒厳大権、非常大権は之を廃止す
***********************

という訳で、明治憲法では国務大臣の輔弼付きですが国の主権のほぼ全てを天皇が握っていたのです。
逆に国務大臣(たとえば東条英機)は、天皇を輔弼するとさえ言えば独裁権力を手に入れることもできたのです。
これを踏襲するというのが大政翼賛会の流れをくむ自由党の案です。

社会党 憲法改正要綱 (1946年2月24日発表)

2006年04月14日 17時47分04秒 | 天皇制
今日は引き続きまして、天皇制のスタンスにおける社会党(当時)の憲法案の一部を紹介します。
他の党の案は引き続き紹介してゆきます。

*******************
主権と統治権
一、主権
 主権は国家(天皇を含む国民協同体)に在り
二、統治権
 統治権は之を分割し、主要部を議会に、一部を天皇に帰属(天皇大権大幅制限)せしめ、天皇制を存置す

天皇統治権の内容
一、内閣総理大臣は両院議長の推薦に基き、天皇之を任命す、但し、天皇之を拒否するを得ず
二、条約締結は議会の権能に属し天皇之に署名す但し天皇之を拒否するを得ず
三、議会に於て議決せる法律の公布には天皇之に署名するの形式を経ることとす
四、内閣の申出に基き天皇は恩赦を為すの権を有す
五、天皇は国民に栄典授与の権を有す
六、天皇は外国に対し儀礼的に国家を代表するの権を有す
七、天皇は政治上の責任なし尚皇位の継承は議会の承認を得るを要す、摂政を置くには議会の議決による
*******************
出典は国会図書館Web書庫

天皇制問題

2006年04月11日 01時09分27秒 | 天皇制
先日の読者コメントで天皇制問題についての日本の政党のスタンスを問うものがありました。
そこで国立国会図書館のWeb書庫から原典を捜してみました。
各党の憲法案(1945年~46年)の案で前文をもっているのは日本共産党のものだけでしたし、条文もほぼ日本国憲法と同じ程度の充実したものでした。(全100条)
クリック

前文の一部を転記します(改行は引用者)。
 条文の一部および他の政党の案は次回から紹介します。
****************************
日本人民共和国憲法(草案) 日本共産党1946年6月29日発表
【前文】
(前略) ここにわれらは、人民の間から選ばれた代表を通じて人民のための政治が行はれるところの人民共和政体の採択を宣言し、この憲法を決定するものである。
天皇制はそれがどんな形をとらうとも、人民の民主主義体制とは絶対に相容れない。
天皇制の廃止、寄生地主的土地所有制の廃絶と財閥的独占資本の解体、基本的人権の確立、人民の政治的自由の保障、人民の経済的福祉の擁護――これらに基調をおく本憲法こそ、日本人民の民主主義的発展と幸福の真の保障となるものである。
(中略)
それは人民の民主的祖国としての日本の独立を完成させ、われらの国は国際社会に名誉ある当然の位置を占めるだらう。
日本人民はこの憲法に導かれつつ、政治的恐怖と経済的窮乏と文化的貧困からの完全な解放をめざし、全世界の民主主義的な平和愛好国家との恒久の親睦をかため、世界の平和、人類の無限の向上のために、高邁な正義と人道を守りぬくことを誓ふものである。 (後略)
****************************
この後段は現行「日本国憲法」の文言にも通じるものではないでしょうか?

また植木枝盛ら先人の智慧(クリック)にも通じることは間違いありません。
東洋大日本国・国憲按