秋色の上高地
~カツラの甘い香りに包まれて~
今は もう秋 誰もいない森♪
夏にはあんなに早朝から賑わう小梨平のキャンプ場ですが、
この朝はし~~んとしていて、閑ずか・・・・・。
遊歩道を歩いていて目立つのが、トチノキの葉。
とにかくデカイ! 私の足のサイズより大きいよ!
小さな葉<と言ってもデカイが>5枚集まっているように見えるのは、
葉の一部で、これらすべてあわせて1枚の葉を構成している。
このような形を「掌状複葉」(しょうじょうふくよう)という。
掌(手のひら)のように見えますね!
↑これは横尾大橋の袂にある「かつら」の木。
この後にも登場する徳沢の「かつらの大木」共に黄葉真っ盛りの旬の見頃!
これは10月10日の写真。 下山時、10月12~13日の同じ木の写真も
次の記事で登場ですが、ビックリするようなことが!
とりあえず、この真っ盛りをよ~く覚えておいてください。
さて、山の紅葉時期の楽しみは目で見る紅葉の艶やかさだけではありません。
どこからかカラメルのような甘い香りが漂ってくることがありますが、
そんな時は必ず近くに「カツラ」の木があるはず。探してみてください。
私は、カツラの木の甘~~い香りが大好きである。
正確に言うと、葉っぱ。
しかも、落葉して茶色くなって、菌に因って醗酵し始めたときが一番よく香る。
香ばしいメープルシロップのような、甘いキャラメル系の香りだ。
「香出(かづ)」が転化してカツラの名前の由来になったと言われるように、
うっとりするような芳香を漂わせていて、昔はお香の材料としても
使われていたようだ。
山のカツラはもう終わりですが、公園にある桂でも薄っすらですが香りがします。
この秋、鮮やかな色彩と同時に旬の香りにも注目してみてください。
また新たな秋に気づくことでしょう。
前置きが長くなりましたが、定番の河童橋からのスタートです。
早朝のため、まだ人影もまばらです。
河童橋からの穂高の山々と梓川。
朝日に眩く白んで輝く。
振り返れば、焼岳が朝日を浴びて黄金色に輝きだした。
上空は風の強さを窺わせる雲が出ているが、この青空は幸先が良い!
朝のフレッシュな空気を胸いっぱいに吸い込んで、
気持ちのいいプロムナードを奥へと進む。
小梨平も閑ずかで、貸し切り状態。
涸沢の紅葉というお目当てがなければ、ここに佇んでいたいくらいだった。
小梨平を抜けると、横尾までずっと 甘~~い香りに包まれて歩けた!
カツラの甘い香りを聞きながら歩く。 「聞香」<ぶんこう>
お香の世界では、香りは嗅ぐのではなく 聞き分けるもの。
古の日本人の感性の豊かさを感じつつ、甘い香りに癒される。
樹林の間から見える明神岳。
青空に山裾の紅葉が映える。
少し周りこんで、こんな見え方になると明神はもうすぐだ。
ゴツゴツ岩の明神岳も迫力の山だ。
カンボクの真っ赤な実! (明神館前にて)
明神館前からは、明神岳の岩肌が迫力をもって眺められる。
明神岳と雲!
明神館をあとに 徳沢へ向かう。
上空は余程風が強く吹いているのだろう。雲が生き物のように動きが早い。
遊歩道沿いの紅葉は、まだ見頃には少し早い。
しかし、色づき始めた葉も多いので 旬の頃は楽しみだ。
中でもトチノキの葉っぱが、存在感を呈していた。
明神岳の右に前穂の一角が見え始めると徳沢も近い。
しかし、急速に上空に薄くもが広がり始めちょっと嫌な感じ。
幸い雨雲ではないので、一安心だが、稜線に出てからの強風の予感!
徳沢に到着。
正面、右奥の黄色い大木がカツラの木だ。
周囲の人間サイズから、いかに徳沢のカツラの木が大きいかがわかりますね。
青空です。 雲の動きが早い。
カツラの大木と明神岳。
次の記事で、ここから撮影したものが出てくるので
このカツラの木をよく覚えておいてね。
遠くから見ると一見、イチョウのようにも見えますが、
葉っぱは、丸みを帯びたハート型で、黄色です!
横尾に到着。
徳沢のものよりは小さいですが、横尾大橋の袂にもカツラの木がある。
横尾大橋の上には、前穂東壁がかっこいい。
横尾から一気に人間の数が増す。
前日入山し、ここで一夜を明かす中高年や団体が多いのだ。
この先、本谷橋までの間に2団体。本谷を過ぎてすぐに1団体をごぼう抜き!
おおよそ30人の構成だから、団体だけでも100人。小パーティも含むと
涸沢までにいったい何人ごぼう抜きしたことやら・・・・。
カツラの黄葉が、青空に映える!
見頃、真っ盛り~~!
丸まっちい葉っぱが特徴だね!
枝についている時は、ほとんど香りはしないが、
地面に落ちて 茶色く変色するとあ~ら不思議、
甘~~い香りを発散させるようになる。
横尾をあとに 涸沢への登山道を進む。
ダケカンバの黄葉を見上げる。
北穂が正面に見え始める。
高さ600mの屏風岩。
圧倒的なボリューム感だ!
毎度ここで歩みを止めて、畏敬の念をもって見上げてしまう。
この後の山行の行程は
☆屏風岩から涸沢へ☆ をクリックしてご覧ください。
本記事はパート2として 下山後の、
「輝く上高地、 秋悠々」 につづく。
さあ、あなたもきっと
再発見、上高地ですよ! 乞う、ご期待!
木に生えている葉ではなくて
落ち葉となった葉の香りなんですね~
知りませんでした(^^)
そうなんです!
山歩きを初めて長い間気になっていた不思議な香りでしたが、数年前にわかりました。
細菌やバクテリアとの相乗作用のようです。
理屈抜きにして、甘いいい香りですね。
何度キーをたたいても出来ずに困りました。
本当に一週間で、別世界ですねぇ。通して拝見しましたが、
様々~な紅葉に、酔いしれてしまいました。
カエデが好き・・カツラも素晴らしいですね、
カラメルの様な香りは知りませんでした。
徳沢のテント風景と紅葉も好き。。トチノキも。。ゴチソウ様でした(^^)
>通して拝見しましたが、
様々~な紅葉に、酔いしれてしまいました。
ありがとうございます。
同じような写真ばかりで、恐縮です。
私が惚れた穂高と上高地!
シャインさんもお気に入りの地に~~!
来年は、涸沢カールで会いましょう。
カモシカさん、物知りですね。
鳥の名前とかも良く知ってるし。
お山では、木の名とかもっと覚えたいけどなかなかです。
私も登山をはじめてから、長い間は不思議な香りで謎でした。誰に聞いても??
数年前、南アルプスで米沢さんという方と出会い、ついにその正体を教えていただきました!
鳥もそんな詳しくないですよ。最近登場したのは、ライチョウ、ホシガラス、イワヒバリくらいかな?
さえずりを聴いてわかるのも、シジュウカラ、コマドリ、ミソサザイ、コジュケイなどの基本種だけですよ。
知らないことのほうがいっぱいです。