古今輪風@自転車ふぁん

わからない事だらけのレストア&メンテナンス備忘録

PD-7800 分解洗浄(其の1)

2015-01-18 07:04:23 | メンテナンス

去年の暮れですが、PD-7800のメンテナンスを行いました。

SHIMANO 7800系 DURA-ACEのSPD-SLペダル。7800系は2003年12月がデビューで、7801、7850とマイナーチェンジを経て2008年に7900系が出るまでの5年間が実売期間。ペダルで見ると、7800→7810→7900→9000(現行)の順。PD-7800からPD-7810は形状が随分変わりましたが、シャフトや回転部分の寸法は一緒で互換性が有りそう。

PD-7800を分解していきます。17mmのハブスパナで外側のネジ(カップアンドコーンのカップ)を緩めます。右側が正ネジ、左側が逆ネジ。ですが、そこはペダル取り付けネジの話で、シャフト部分は右側が逆ネジで左側が正ネジ。ペダルの取り付けは右正ネジ左逆ネジで覚えていますが、分解についてはその「逆」と覚えておくと良い。内側のロックリングは20mm。

シャフトが抜けました。シャフト取り付けのネジはペダル取り付けのネジと逆に切って有るのが分ります。これは緩み防止の為にそうなっているんだと思います。

外れたシャフトから、薄いワッシャー1枚と20mmのロックリングを外します。

ベアリングのボールが見えますが、先にその手前にある脱落防止用のCリングを外さないとボールを取り出せません。

マスターリングプライヤー(C型/軸用)でCリングの口を広げ、シャフトから取り外します。

Cリングを外すと、ベアリングのボールが取り出せ、ネジワン(玉受けを兼ねている筒状のネジ部品)とロックナットが抜けます。

この部分のベアリングボールは17個。ベアリングボールは3/32(2.38mm)というサイズ。

汚れていて分かり辛いですが、ゴム製の防水シールが入っています。

ゴム製のシールを取り外しました。防水・防塵の役割だと思いますが、とても薄く柔らかいゴムなので、丁寧に取り扱わないと破れてしまいそうです。このシールはパーツクリーナーなどの溶剤を使った洗浄も止めておきます。

シャフト側の分解はこれで終わり。

続いてペダル側。ペダルの奥には小さなニードルベアリングが入っていて、更にその奥にもう一つベアリングがあります。

先日スポークを加工して作ったフック状の工具でニードルベアリングを引き抜きます。結論から言うと、そんな大そうな物を用意しなくても、ちょっと先が引っ掛けられる様になっていれば簡単に引き抜けます。スポークの頭そのままでも行けたかもしれない。

出てきたニードルベアリング。ケースは樹脂製、ベアリングは金属製で、棒状のベアリングは爪でケース内側に押し込むと簡単に外れます。

一番奥に隠れていたベアリングボールは9個。サイズは3/32(2.38mm)で外側と一緒。ペダルの内側最奥がカップ(玉受け)になっていて、シャフトの先端がコーン(玉押し)になってます。すごく小さくて精密な加工で、その手前のニードルベアリングも含めて感動モノ。回転は内外二つのベアリングで、ニードルベアリングはガタツキ防止という事みたい。

回転部分の分解はこれで全部。

それにしても小さな部品です。このニードルベアリングなんて、メンテナンス出来る範囲の自転車部品としては一番小さい部類じゃないかと思います。

先人方々が多数記事を上げてくれているので、考えていた以上に簡単に作業する事が出来ました。感謝ですね。長くなったので、組み立ては次回で。

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