ガマ;蒲;蒲鉾;蒲の花(ガマ科)花言葉は、救済。蒲の花は円錐柱形の穂状で、長さ約10㎝の雌花花序の上に約10㎝の雄花花序が繋がってつく。花粉は黄色で「蒲黄」といい、昔は薬用に使われた。「古事記」に登場する因幡の素兎が大国主命の指示にしたがつて治癒できたのは「蒲黄」の薬効である。雄花序は花が終わると枯れ、雌花序が残り「蒲鉾」となる。秋には穂繋を飛ばす。◎土色で素朴な形が、大らかな風景や、素朴な鄙のたたずまいに似合う。「因幡の素兎」の神話から、古代へも連想が広がりやすい。昭和7~10年頃世田谷の、九品仏の家の直ぐ下に沼があり蒲の穂を観る事が出来た。その先尾山台との中間に川が流れていて、泥鰌や笊蟹などが採れた。お寺の北側に大きな池があり、川エビなども採れていたが、何時の日か総てが埋め尽くされて、お寺の新墓地に変化した。東京が府になる前で、荏原郡、南多摩郡等と呼ばれた時代である。「蒲の穂やはだしのままに子の育つ 池内たかし」「大和なる蒲の穂やわらかく握る 遠山陽子」「案じられし跡継ぎ育つ蒲の花 石井佐知」「雨の輪も古きけしきや蒲の池 高浜虚子」「立ち直るいとまなければ風の蒲 嶋田光子」「憂きことの抱えきれなば蒲に寄る あらきもほ」(蒲の穂も 蒲の池なし 武蔵野は ヶィㇲヶ)