「あなたは左腕で右腕を斬ってしまわれたという事です。」
塩野七重「ローマ人の物語」より
時は紀元454年 ローマ帝国末期でした。
ヴァレンティニアヌス三世は北イタリアへ出軍せずアッティラを放置したアエティウスを忌々しく思っていた。
自分に許しを請うと思っていたアエティウスは、突然息子の嫁に皇帝の皇女を申し出た。
また皇帝は母親からアエティウスの恨みを吹き込まれていたという。
皇帝とは西ローマ帝国のヴァレンティニアヌス三世、アエティウスとは22年間蛮族の侵入を阻止してきた西ローマ帝国総司令官。
紀元453年アッティラの死、フン族の離散を経た紀元454年ローマで
肉体は成熟したが頭脳の方は成熟しなかったと言われた西ローマ帝国皇帝ヴァレンティニアヌス三世と
60歳になっていた西ローマ帝国総司令官ローマ人アエティウスは私見した。
アエティウスは本拠地南フランスガリア南部のアルル(マルセーユの近く)から
ヴァレンティニアヌス三世はイタリアのラヴェンナ(ベニスの近く)から来た。
【紀元451年騎馬民族アッティラ率いる残酷なフン族蛮族の大軍がガリア侵攻したが、ローマ軍と ゲルマン系蛮族を率いるアエティウスが戦略を使い追い散らした。 しかし逃げのびたアッティラは翌年紀元452年の半年間、今度は北イタリアで暴虐の限りを尽くした。 ローマ司教が金を払いアッティラは退却した。 この時アルルに居たアエティウスは軍隊が編成できずに北イタリアへ行かなかった。 紀元453年アッティラの死、フン族の離散。】
アエティウスの態度にキレた皇帝は腰から剣を引き抜き、それはアエティウスの胸に深く突き刺さった。
元老院が言った。
「あなたは左腕で右腕を斬ってしまわれたという事です。」
利き腕を失った。
自壊。
塩野七重語録が流れます。
皇帝の責務はまったく果たしていないにかかわらず、自分は皇帝だがアエティウスは臣下にすぎない。
と思って疑わなかった。
神意とは、このようにそれを受けたとされる当の人を、他の誰よりもその気にさせてしまうものなのだ。
神意を受けた自分と、その自分が任命するがゆえにこの地位に就いている人とは絶対に対等ではない。
同等ではないと思っている。
自分が罪の許しを乞うのは神に対してだけであって、臣下はその自分に許しを乞うべきだと。
皇帝だと思っている。日本人は臣下だと思っている。
自分は何もしないで貢がれて当たり前と思っている。
まさにパラサイトからパラノイアだ。
次の世代の日本の若者のためにもけじめをつけて欲しいものです。
利き腕の秘密を何千何万と教えた右腕は日本人です。
塩野七重語録
民族の性分は変わらないという。
空想のシナリオはドラマだけにしておいてねん。
分かっている事は「感謝がないと創造性が生まれない。」
ここまでのお付き合い誠に有難うございました。
大変に失礼を致しました。
コロナで真面目になりました。