画家 田中恵子のブログ

画家 田中恵子の鎌倉七里ガ浜のアトリエから

「写実道」 リアルのゆくえ展を観て感じたこと

2017年05月27日 | 私と写実絵画

「写実道」 リアルのゆくえ展を観て感じたこと
~私と写実絵画~

約1年前、アトリエを鎌倉七里ヶ浜に移しましたが、
美大受験時代以来、約25年ぶりに訪れた鎌倉の文海堂。
近年は絵画を趣味とする人が減り、画材屋さんが激減している時代に、
以前と変わりなく、そこに文海堂があって、とても嬉しく思いました。
ミニフレームやサムホールの額を探していたので、お店の人と話し、
ふと目にしたのが、「リアルのゆくえ」のチラシ。

現在、平塚美術館で「リアルのゆくえ」という展覧会が開催されています。
なんとも私向きの展覧会ですが、4月は一カ月間、銀座で個展だったので、
バックオーダーもあり、今週やっと行ってきました。
我が師匠の作品も展示されています。

どなたでもご存じの鮭の絵(美術の教科書に載っていた)の高橋由一、
岸田劉生らすばらしい写実画家がいながら、
写実絵画は日本の洋画の主流とはなり得なかったけれど、
近年ちょっとした写実ブームでもあります。

私は美大で写実が学べないので、デザイン科を卒業しましたが、
その後、三浦明範先生との出会いにより、油彩とテンペラの混合技法を学び、
写実の夢を実現しました。

今回展示のそれぞれの写実画家の真摯な姿勢。
この展覧会を見終えて、武道家でもある私の脳裏に浮かんだのは「写実道」。
「道」は、真理を求める「道」。
仏道、武道、茶道、華道、「道」がつくものは方法は違っても目指すものは「真理」。
自分のことに終始している画家が多い様に感じられる中で、
今回展示の写実に取り組む画家の姿勢に、それは「写実道」と言えると感じました。


次回から私の写実絵画作品について連載をスタートします。

 

鎌倉伊織 URL http://www.kamakura-iori.net

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