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印鑑文化のデジタル代替

2020-04-15 23:06:00 | 分析・観察
印鑑手続きについて、「デジタル化は民間の問題」とIT担当大臣が述べた発言が話題になっている。
リモートワークの壁になっている印鑑文化が課題だという声に対して、政府が関与する話ではないと大臣が述べたものだ。

話題になってはいるが、一体何が問題なのか整理すべきだと思われるので背景を理解したい。
まず、リモートワークできないくらい印鑑文化が企業にあるというのが事実として、企業の業務に関連する印鑑文化は誰が決めているのか?
政府が法令で決めている部分は政府が関与すべきだが、旧来の慣習が組織によって存在するだけならば、その組織で解決しなければならない。大臣が言う通りということになる。

西日本新聞の印鑑文化についての記事は印鑑文化の起源から現在のデジタル化まで説明する大作だが、これによれば総じて印鑑の必要な手続きのほとんどは既に電子署名で代替できる体制になっているものの、役所の印鑑手続きは無くなっていない。
但し、
①契約については電子署名で代替可能であり(法務省サイト
②役所と企業の関連については、印鑑業界の反発を受けつつも企業の登記情報から印鑑を取り除くための法改正作業は内閣で進められており(結論が出るのは2020年度中。関連記事)、
企業の印鑑文化を取り除くお膳立ては既に進められているとみて良い。企業の登記情報から印鑑をなくすというのは、役所に提出する書類に、一切印鑑を使わなくて良くなることを意味する。

なので、今回のニュースが出てきた原因としては、
・②の取組みがあることが理解されていない
・②の取組みに印鑑業界が不満を述べていることに自民党内閣は結局屈し、不便な世の中が続いてしまうのではないかと世の中の人々が不安になっている
・企業が法的には必要ない印鑑文化を社内に残しており、大臣が言う通りの民間の問題になっている

のどれかだと思われる。もし3点目なのであれば、プロセスの改善に取り組む良い機会ではないかと思う。

プロセスの改善手法を実際に用いる図解などを含めて整理したレポート




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