女神様降臨！？

ええ、今日の売上は悪かったのですよ…

今月の稼ぎの目標額まであとわずか…
そこまで行ったら今日の仕事は上がることにしよう。
そう決めて夜の地下鉄タクシープールの列に入りました。しかし…
地下鉄から降りてタクシーに乗るお客さんの少ないこと少ないこと…
タクシーの列は遅々として進みません。
なんとか数組のお客様に御乗車頂き、どうやらあと一回御乗車頂けたら
目標額に届きそうな感じになりました。しかし…
最終電車から降りてくるお客様は、私が乗車場の先頭に並んだ時点でいなくなってしまいました。
さらに地下鉄駅の照明が落とされ、地下鉄からのお客様はもう見込めない状況になってしまいました。
「はぁ～」っとため息をつき、がっかりしていました。あちゃぁ…
このままでは、なかなか御乗車頂けない市内中心部へ出向き、
しばらく粘るしかないかな…そんなことを考えながら、
切れの良い時間まで少し待つことにしました。
私の後ろにはもう３台のタクシーが並んでいたので、
まだもうちょっと待ってみるのもいいかもしれないと思ったのです。
折角乗車場の先頭に並んでいることでもありますしね…
…
…
…
待つこと数十分…こりゃいかんな…と思った時でした。
照明の落ちた歩道から靴音がこちらに近づいてきます。
条件反射的にリアの扉を開けると…
「おねがいしま～す」と、女性のお客様が御乗車なさいました。
行き先をお伺いすると、当社の事務所がある住宅地まで…
口ではいつもの様に「かしこまりました」、心の中では「ああ女神様。感謝いたします」で、早速走行開始！
いつもの様に淡々と走行。無事、女神様を目的地までお送りしました。
料金を頂き、お釣りを手渡しました。お客様は「どうもでした～っ」と降りていきました。
口ではいつもの様に「ありがとうございました」、そして心から「ありがとうございました」。

今月の売上と今日の売上に、今回の売上を足すと…
みごと目標値を満たしていました！感謝感謝…
そのお客様は特に自覚なく、普通にタクシーに乗って降りただけだと思うのですが、
ああいう事情の私には後光がさすほどの女神様に見えてしまいました。
おかげさまで今月は売上目標値に達することが出来ました。
今月も私の運転するタクシーに御乗車頂いたお客様方に感謝です。