毎日がしあわせ日和

ほんとうの自分に戻れば戻るほど 毎日がしあわせ日和

続 ・ あらゆる問題の根底に潜む お金 ・ 時間 ・ 法律にまつわる催眠を解く ~ その3

2020年11月24日 15時24分05秒 | 貴秋の視点、すなわち偏見
10日ほど前に放映されたETV特集 「サピエンスとパンデミック ~ ユヴァル ・ ノア ・ ハラリ特別授業」 で、歴史学者 ・ 哲学者であるハラリ氏は、想像力をもとに作られたストーリーを複数の人間が共有することで、人類はあらゆる生物の頂点に立つほどの力を身につけると同時に、力のあるものが自分に都合のいい物語を信じ込ませグループを支配するのを許すことになった、と述べておられます。

個々の身体能力では他の動物に敵わない人間も、共通の約束事に従って結束し協力し合うことで 自分たちより大きく強い動物を狩れるようになった一方で、一人が想像 ・ 創造した権威を共通認識として他者に刷り込むことで 支配力を持つようにもなり、ここに人類は支配者と被支配者に二分される道を歩み始めた、と。

この権威の中に、お金 ・ 時間 ・ 法律も入るわけです。

「印刷した紙を国が配れば、国民は物が買える」 という物語の共有で成り立つのがお金のシステムだと ハラリ氏は語ります。

貴秋はここに 「時間という共通の物差しなしに きちんとした暮らしは送れない」 「法律という全国民共通の規範を守ってこそ良き国民である」 というストーリーも付け加えたいと思います。

これらはすべて 特定の個人が特定の意図を持って創作した物語であり、受け入れる受け入れないは本来各自の自由なはずですが、私たちはみな これらの物語を宇宙の摂理ででもあるかのように信じ込み、逆らえば人としての尊厳も 場合によっては命さえも保証されないというルールを受け入れてしまっているのですね。

ハラリ氏は 「ストーリーは全知全能の神ではなく 不完全な人間によって作られたものだと理解することが大切」 と説きますが、では理解すれば物語からすんなり降りることができるのか。

残念ながら貴秋にはそうは思えません。

ここに 「潜在意識による催眠」 という厄介なものが入り込んでくるからです。




この 「集団でフィクションを信じることで かつてない力を得ると同時に 特定の個人が支配力を持つようになった」 ことを ハラリ氏は 「認知革命」 と名づけ、続いて起こった 「農業革命」 により、穀物の栽培が経済格差を生み、野生動物を家畜として支配するようになったことが人間同士の支配にまで発展して 奴隷制度や男性優位の社会の出現につながったと解説しておられます。

物語の力を利用して他者を支配することに長けた者が、農耕や牧畜を通じてさらなる力を得、支配者と被支配者の力の差は開く一方となり、支配する側は支配者としての意識を、支配される側は支配される者の意識を、それぞれ持つようになった。

ここに潜在意識の持つ特徴が絡んでくると 貴秋は見ています。




人間は他の動物と違い、脳が未完成のままで生まれてきます。

人間の赤ん坊だけが 生後10ヶ月ぐらいまで立つことも歩くこともできないのは、そのためです。

脳の配線が完了するまでに触れる情報は、無条件に意識の奥深くに入り込み定着します。

無条件というのは、取捨選択の基準を作る 「言葉」 というものをまだ持っていないから。

人間以外の動物の赤ん坊を生まれたときから人間のもとで育てても 人間みたいになることはありませんが、人間の赤ん坊が狼の群れに育てられることで 狼の仕草や生活習慣を身につけたという実例は、この性質ゆえなのですね。

「三つ子の魂百まで」 の例えどおり、言葉を獲得する以前の幼いころに刷り込まれた情報は、 生涯に渡って私たちに強い影響を及ぼし続け 人生を左右するのです。




昨年 「あらゆる問題の根底に潜む お金 ・ 時間 ・ 法律にまつわる催眠を解く ~ その9」 に書いたように、「意識の共有」 ということに目を開かれた貴秋は 例によって日常のあらゆる機会を活かして実地検証に励んできたわけですが、あるときふと、この意識の共有が親子間で次々受け継がれてゆくことで 人類全体が強力な催眠にがんじがらめになり 身動きがとれなくなっている可能性に思い当たったのです。