浜松市の子ども空手道場☆浜松スポーツ少年団【武道禅空手 流拳會-Rukenkai-】

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5月7日 ◆道場長ブログ‥【拳流院 雷禅のヒトリゴト - あの日の約束-】

2015年05月07日 | 教室の出来事

いつも泣いていた。

いつも泣いていたんだ‥彼は。


7年ほど前だろうか、小学生だった彼は、いつも兄に泣かされていた。

そんな彼を、ボクは廊下に連れ出し、こう言ったことを覚えている‥


『今度、必殺技を教えてやるから‥強くなろうか?』


そうは言ったものの、次の週から豊橋支部の緊急事態に、ボクは豊橋支部での指導員として派遣されることになった。

だから、いつも彼のことは気になっていたし、アレコレあり、その2年後に再会し、また彼を指導できることを、とても嬉しく思ったものだ。


ある師範が言った‥

『井口先生、Y兄弟を黒帯に導いたら、たいしたものですよ‥』

その言葉にもあるように、正直、そこまで行けるのだろうかと自分でも思った。

あの頃‥彼の同期の子達は強くなり、たくさんの子が入賞し、黒帯を巻いて行く。

彼のお母さんが言う‥


『ウチの子は、いつ賞がとれるのだろう‥』


ボクは思った‥

それは、そんなにカンタンな問題ではないし、受賞できない子は生徒達の大半をしめる。

それでも、ボクには独自の理論や稽古法‥そして意識上げの方法論だってあるのだから、なんとかならないものだろうか‥とも。

10年間、一人の黒帯も生まれなかった浜松地区。自分が浜松を指導をするようになり、そして2年目からは、もう毎年のように黒帯を巻く子は誕生している。

いや、それどころか全日本チャンピオンまでもが何人も。

もちろん、その要因は多々あるのだろうが、少なからずボクも、彼らがソコに行きつくためのキッカケの中の、その一つにはなれたような気がする。

でもリョウガに関しては、それでもソコまでの結果を想像できずにいた。

数年間の高台道場・強化稽古では、仲間たちの躍進に対し、彼は、いつだって涙してきたのだ。

でも、それと同時に、親御さん達や仲間たちの応援もあり、頑張れたという現実もあった。

そして何より、この結果に本人を導いたのは、リョウガの【努力できる才能】があったからこそ。

この子の努力の跡は、2013年10月15日のブログを見てもらえれば。

運動能力は中の下、おそらく大半は途中下車するであろう状況にも、諦めることなく頑張ってこれたのは、この努力できる才能があったから。

その背景には、脳内へ積み重ねる情報として、たくさんの出逢いの中での関わりがあるのだろうし、イチバンの理由としては、やはり家庭での教育的なものがソコにあるからなのだろう。


思えば週4回の指導の中、この数年、誰よりも近くにいたのは彼だったのかも知れない。

その証拠に、ボクがイメ-ジし、指導してきた組手スタイルをイチバン体現できている。

全日本大会を優勝してからの計3大会を、連続して制覇もしているのだ。


〔まさか、ここまで来るとは‥〕


子供の能力とは、ここまでのものなのか‥

ここまで導きだせるものなのか‥

ならば簡単に線を引くことの愚かなことよ‥その成長に対してと‥

リョウガの頑張りからも、たくさんのことをボクは学んだ。


特別な運動能力もなく、小さな体で、それでも継続することの大切さを示し、受験生でありながらも、まだ変わらず頑張っているリョウガ。

そのスタ-トから考えてみても、この頑張りは、これからの後輩達への希望の光となる。

そして、今では兄のシュンヤも黒帯を巻き、弟のリョウガを認めている。


『強くなろうか?』


あの日、涙していた少年への約束。


この数年の中で‥強化稽古、居残り稽古、頭の勉強会、稽古前の会話など、色々と物語はあるのだけれど、少しだけ、あの日の言葉への責任を‥ボクは果たせたような気がした。


全日本大会 制覇・・

少年空手 最高位 弐段への昇段・・


これからも語り継ぐべき物語‥リョウガの物語。


思えば・・少年空手のフィールドでは、いつも二人三脚だった。

このスタイルへの拘り‥その想いが‥立ちはだかる現実を打つ。

それは不可能だと思うことを、可能に変えて行くということ。



振り返れば、涙の轍からは、いくつもの歌が聴こえる。


喜びの歌‥

哀しみの唄‥


そして今の彼の立ち位置からは、きっと‥

希望の歌が聞こえるのだろう。



言葉じゃない‥

ボクとリョウガは体感した。

それは、あくまでマワリがあってのチカラであり、本人の努力はあるのだけれど、それでも導かれたうえの結果なのだと。


ならば、すべての出逢いに感謝しよう。



武道‥

啓明‥




こぼした涙が・・

   
     一番輝く星となる









※リョウガ、昇段おめでとう !!
いつも見守ってくれた御家族の皆様、ありがとうございます・・m(__)m