日本戦略研究所

日本再興の砦

水際立った日本外交

2006-07-09 09:05:26 | Weblog

今回の北朝鮮のミサイル発射問題で、日本は素晴らしい外交を展開している。
6日の北朝鮮のミサイル発射。同日、万景峰号の入港停止を発動。同時に国連安保理に対北朝鮮制裁決議案の提出方針を打ち出した。
北朝鮮の「後に破局的結果を招きかねない」という脅しには、「誰が原因をつくったのか。北朝鮮に強く圧力をかけなければならない」(安倍官房長官)と一蹴。

国連においても米国と連携して主体的に動いている。
7日国連安全保障理事会の非公開協議では、日本の大島賢三大使は、冒頭で決議案提出の意向を表明。
続いてボルトン米大使が日本を支持すると発言した。
同大使は北朝鮮の発射した長距離弾道ミサイル「テポドン2号」がハワイ周辺を目標としていたとされる点を指摘し、ミサイルは「米国への脅威だ」と明言した。

これに対し、中国の王光亜大使は「安保理は大切な組織」と述べた上で、議長声明なら全会一致で採択可能と主張。
日本が中国が提出した議長声明案をまったく無視して決議案を提出したことで「安保理の団結の基盤が破壊された」と反発してみせた。
英国、フランスは相次いで「直ちに行動を取らねばならない」「北朝鮮の行動は国際平和と安全にとって重大な事態」と日米に同調した。
大島大使も再び、「できるだけ早期に決議案は採決に付されるべきだ」と訴えた。
ロシアは終始無言であった。
こうした場合ロシアは棄権するケースが多く、問題は安保理で孤立した中国がどう出るかである。

強い日本批判とは裏腹に中国共産党政府は日本が提出した対北朝鮮制裁決議案への対応に相当迷っているのではないか。
もし拒否権を行使すれば、国際社会から、北朝鮮と同じ穴のムジナ、共産党一党独裁の便所虫という烙印を押されることは間違いない。

中国共産党政府をここまで追い込んだことは日本外交の勝利である。
ならず者国家北朝鮮を擁護する中国には、国連安保理 常任理事国の資格がないことを国際社会にアピールし、中国を孤立させていくことが大切なのである。
今回の事件は、ひよっとしたら日本外交のターニングポイントになるかもしれない。