MIT MBA留学日記 ~ その後

2009年6月の卒業後、西海岸で社会人生活を再開。新しいタイトルを思いつくまでこのままのタイトルで続行する日記。

Fall termを振り返る (3) - Accounting

2008年01月01日 | 授業でがんばる

Fall term 三つ目、Financial Accounting を振り返る。

最初はAccounting (会計学)という名前から つまらないんじゃないかと思っていたが、いい意味で期待を裏切られた。

クラスとしてはFall term
で一番おもしろかったな。


15.401: Financial Accounting


(1) 学んだ内容

財務諸表の内容と、決算開示が企業に与える影響をを幅広く学んだ。
扱った内容は下記の通り。

 = Accrual accounting
  = Annual reports (PL & BS) and financial ratio
  = Revenue recognition and account receivable
  = Inventory / COGS
  = Cash flows statement
  = PP&E
  = Tax accounting
  = Marketable securities
  = Intangible assets
  = Long-term debt
  = Leases
  = Stockholder's equity
  = Acquisitions
  = Financial reporting process & ethics



(2) 授業の進め方

クラスは、レクチャーとケースディスカッションを適度に織り交ぜて進む。
Sloanの他のクラスと同様だ。

このクラスではだいたいレクチャーが2/3、ケースディスカッションが1/3だった。

授業はとてもインタラクティブ。
それはケースディスカッションでは当然のことだけれど、レクチャーでも教授がすごいスピードでしゃべりつつ、どんどんコールドコールをする。
毎回気が抜けなかった。

そしてその教授が、この人
気さくな教授で、【"Joe" とファーストネームで呼んでくれ。"先生" とか "教授" はダメ】と繰り返し言っていた。
クラスメートや自分の家庭をネタに、とにかく笑わせてくれる先生だった。

教授がおもしろいと自然と授業の内容に集中でき、学びが多い気がした。
自分としては今学期 一番お気に入りのクラスだった。


(3) 感じたこと

コア科目ということで、浅く広くコンセプトを抑える感じだった。
より実践的な会計・財務分析スキルは、Spring term の別の授業で深めることになるだろう。

それでも会計知識のよいおさらいになったし、このクラスで
いくつか新しいことを学んだ。

ひとつは 【決算(発表)と市場の関係】について。ケーススタディーで、決算内容というよりもその発表の仕方がまずかったために、株価が落ち込んだ例を学んだ。単純な期ズレでも、市場参加者は必ずしも分厚い決算書の細かい情報までは見ていないという点をよくよく注意しないといけないという内容だった。また、会計ミスを開示するタイミングが遅れたために、市場からの信頼を失ってしまったケースもあった。

もうひとつは【会計のフレキシビリティの高さ】だ。たとえば 【Revenue management】 という概念がある。毎期の利益をできるだけ平準化する、会計上のテクニックだ。目的は経営者が決算のボラタリティを下げ、株価に与える悪影響を避けることにある。またマネージャーレベルでも、『今年はもうけ過ぎちゃったので、少し来期に回せないかなー』とか、『今年は予算がきついので、何とかコストを先延ばしにできないかなー』というときに【Revenue Managment】を活用する。 *もちろん、全ては会計基準に則る前提である。
これは実際、営業現場は常日頃から持っている”需要”で、自分も可能な範囲でいろいろなことを考えた。でもたいがいは、経理部に怒られてダメダメって言われてたオシマイ。まぁ会社には会社の内規があるので、当然といえば当然なんだけど。ただこのクラスで、実際の会計原則上は思っていた以上にフレキシビリティがあるらしいことを知って、少し驚いた。(いや、うすうす、そうかなーとは思っていたけど)


(4) Take awayをひとことでいうと

会計は報告するときも分析するときも、文脈を読むべし。 * 具体的な読み方は次の学期で深めるべし。

(あと、面白い教授はつまらなそうな授業も 面白くしてしまう。クラスは教授で選ぶべし。)

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