来ましたから

一昨日、彼女はやって来た
その場しのぎに、彼が主張したままに言えば
私ともう一人の彼女

私には、複数いると言ってたけれど、彼女の前では、「２人だけだよ。他は本当に切ったよ」

鵜呑みにはしてないから、「けっ！」って感じ。

彼女がやって来て、玄関にに出た彼は
直ぐには追いかけて行けない格好だった。
「着替えてくるから、待ってて」とリビングに引き返す。

私には「そのスリッパ脱いで隠して！」と指示。
ああ、スリッパで何か揉めたわけね。

って事は、この場に及んでも、誤魔化すつもりなんだなと思っていた。

「いい。私帰る」と言う彼女を、私が引き止める。

「待って。話そう。こういう時はちゃんと話さないと後悔するから」と声をかけて
部屋に招き入れる。

お茶を入れようかという提案に首を振り、泣きじゃくる彼女。

「おかしいと思っていたの。この人、私に、真剣に考えているから、結婚も考えているからって言ったのは、ほんの一週間前ですよ。
ゴミ箱に堂々とコンドーム捨ててあるし、お花の着いたスリッパを見つけたら、従姉妹のものだって言って、俺を信じろって言ったの。
もう、何を信じたらいいのかわからない。
あなたは、どうして平然としていられるのですか？
知っていたのですか？」

悲しいくらい、黙り込んだ彼に変わって、

彼女の質問に答える役は、私のようだった。

「彼には、複数彼女がいるのは知っていた。

了承してたよ。

あなたと連休中旅行に行きたいと相談もされたよ」

ショックだろうな…と思いつつも、彼と一緒に嘘ついたり、
誤魔化したり、適当に言う事ができなかった。

「私は、来週から、旅行に行くって決まっていました。彼の両親にも会いました。」

だから、自分が優位だと言いたいのだろうな…と思いつつ、でも、本当の事を言ってしまう。

「私も逢ったよ。私の母にも逢ってる。

旅行は来週からバリの予定だよね」

「そんなに知ってて平気でいられるなんて、あなたも
他に付き合っている男の人がいるんでしょう？
じゃなかったら、そんな許せるハズがない。」

「彼は、他の女とは、別れてくるし、変わりたいって言ったから、待っていたのよ。

他の女の子をも両親に逢わせているのも分かっていた。

デエトしているのも分かっていたけれど嬉しくなかった。

どうして、我慢できたかって言ったら、変わって欲しいけれど、この人は
人格に問題があるから、変わらなくていいと言って
待つ必要があったの」


殆ど、彼は無言。
なんで、私が彼女の対応をしているか…