北極オゾン8割破壊 国環研など4月観測
国立環境研究所、NASA(米航空宇宙局)ジェット推進研究所など9力国・18組織の国際研究チームは、今年の冬から春にかけて北極上空で観測史上最大規模のオゾン層の破壊が起き、南極のオゾンホールに匹敵していたとの研究結果をまとめた。
論文が英科学誌ネイチャー(常子版)に3日掲載される。
生物に有害な紫外線を遮るオゾン層の破壊は南極上空で顕著な現象で、北極では少なかった。だが、今年4月に高度18㌔~20㌔㍍でオゾン量が80%も破壊されていたことが分かった。これまで最大でも約60%だった。
また今回初めて、南極でオゾンホールが発見された1985年のレベルより破壊が進み、2003年の南極に匹敵していた。
北極についてはオゾンホールの科学的な定義が決まっておらず、論文ではオゾンホールと呼んでいない。ただ、北極版「オゾンホール」の範囲は径が1000㌔㍍から3000㌔㍍の楕円状に広がっていた。
寒さが厳しいとオゾン層を破壊する極成層圏雲が発生しやすい。
今年は北極上空を取り囲む強い気流(極渦)が過去最大で、異常低温も長く続いたことで、この雲が多く発生しオゾン破壊を進行させたとみている。
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