多摩川サイクリングロードの車窓から

渋峠、雪の壁(4年ぶり3回目)



 春が訪れ、雪に閉ざされていた山道が開通する季節がやってきました。
 その中にあって、特に注目度の高い渋峠も22日に開通。しかもここ数年続いてきた二輪車の規制が解除され、天気が良いことも相まって多くの自転車乗りが雪の壁を拝んできたようです。
 俺は出張で行くに行けませんでしたけどね!


 じゃあ日曜に行くかと目論むも、その日は天候が怪しいので見送り。どうも巡り合わせが良くありません。今シーズンは行けないのかなと半ば諦めていたのですが、本日は晴天・気温高め・風も穏やかと言う絶好の天気になる予報でした。
 今日は火曜日、平日なので当然出勤する日です。しかしGW直前で大した仕事もない、というかGWを理由に先延ばししても何とかなります。そして何より、今後の天気予報がこのありさまでした。



 このGWに渋峠に挑めるチャンスは無い。行くのは今日しかありません。



 渋峠への最寄り駅は長野原草津口駅ですが、ここから往復すると距離は60㎞程度と少し短いのが否めません。せっかくだからもう少し走りたいところ。
 それに高崎から長野原草津口まで鈍行で1時間半もかかるので、オッサンには正直しんどいです。




 そこで今日は新幹線で軽井沢までやってきました。軽井沢駅には朝イチの新幹線なら7:33に到着するので、早く走りだせるのもポイントです。
 ここから浅間山東麓を通って北軽井沢から万座鹿沢口駅を経由し、後はいつも通り草津温泉へ。



 北軽井沢までの登りはさほど長くありませんが、時折10%級の坂もあり侮れません。
 しかしそんな坂のスペックよりも、このスコーンと晴れた青空を見て心から安堵しました。もうこの時点で今日の大勝利は確定でしょう。
 真っ茶色のイメージが強い浅間山も、うっすらと雪を羽織っておめかしをしているかのようです。



 草津温泉を抜けしばらく登れば殺生河原。一気に視界が開け、ここから先は延々と続く絶景ゾーンです。
 4年ぶりにここまでやってきましたが、この光景を見るといよいよ渋峠に来た感が強くなります。

 草津白根山の火山活動が活性化したことで通行禁止になってしまったわけですが、この格別な風景も火山活動のたまもの。あまり活発になっても困るし、痛し痒しと言ったところです。





 自分の前にも後ろにも道路が伸び、そこを走る豆粒のような車。まるで空から見下ろしているような不思議な感覚に囚われます。





 延々と絶景が続き、それを眺めながら走るのでペースは当然上がりません。写真を撮るたびに止まっているのでなおのこと。
 しかしここで景色に見向きもせず必死で登っては、何をしに来たのかわからないというものです。







 山田峠には駐車スペースがあり、ご覧の景色が広がるのでドライブ組に人気の場所。ここまで来ると、雪の壁そして峠はあと一息です。
 ようやくここまで・・・と同時に、もう終わりかと惜しむ気持ちも出てきます。



 そしてやってきました雪の壁!久々にここまでやってきました。
 ここには長野側からでも来られるのですが、やはり群馬側を走れないとここの魅力は半減してしまうため、今一つ来る気になれなかったのです。



 高さは4メートルくらいでしょうか。開通6日目なので低くなっているかもと覚悟していたのですが、予想外に高い壁が迎えてくれました。
 今日は平日だからか人が少なく、気兼ねなく写真を撮ることができました。土日に来ていたらこうはいかなかったでしょう。





 そしてお約束の石碑でも一枚。
 今日はこんなお天気ですが、一昨日と昨日は天気が荒れ模様でした。そんな中を突撃した自転車乗りの阿鼻叫喚のあり様をSNSで見ていたので、警戒して真冬装備で来たのですが、予想以上に温かく汗ばむほどです。
 でも薄着で寒さに凍えるよりは、多少暑いくらいの方がマシ。やはりこういうところに来るときは事前リサーチが重要ですね。



 さてお約束の渋峠ホテルにやってきました。ここで昼飯をと思っていたら、なぜか休業していました。
 ・・・ホテルが休業するってなんだよ・・・
 リサーチが足りていなかった模様。

 しかし休業なら仕方ない。長野側に少し降りて、横手山ドライブインでご飯を食べることにしましょう。
 ・・・と思っていたのですが。


 長野側に下りてすぐのスノーシェードで路面が見事に凍結していました。昨日まで寒かったし、陽が当たらないとなかなか溶けないのですね。
 強行突破できなくもないけど、滑って怪我をしてもつまらないのでUターンすることにしました。



 草津温泉へ向けて楽しい楽しいダウンヒルの始まりです。少し雲が出始めましたが、登りの時は異なる景色を見ることができます。
 過剰な厚着をしていたので、寒さをほとんど感じず快適なダウンヒルでした。

 草津温泉で昼飯を済ませて、長野原草津口駅に着いたのは15時ごろ。普通はここから長い鈍行列車の旅が始まるのですが、今日は違います。



 渋峠からのお帰りは特急草津が便利です。長野原草津口から上野まで行くので乗り換えが少ないし、何より座るのが楽。
 本数が少ないのですが、長野原草津口発15:48というのは使いやすい時間設定じゃないでしょうか。・・・というか自転車乗り的にはその便以外は使い物にならないんですけどね。

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